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プロダクト施工事例

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MIHO美学院 MIHOチャペル

ねじれた18.5mの超大型ステンレスパネルで外装を構成されたチャペル

シルキーブラストが均一に施されている

扇を丸めて一点で閉じた形で構成されたステンレスパネル外装

●世界最大規模の長尺ステンレスパネル

信楽の森の中に佇むMIHO美学院中等教育学校の敷地の中央でシンボルとして輝く、チャペルのステンレス長尺外装パネル工事に、KIKUKAWAは参画しています。
世界的に著名な建築家である、I.M.ペイ氏(I.M.Pei)が描き出したファサードは、世界最大規模の1枚18.5mにも及ぶ長尺ステンレスパネルで構成。斬新かつ特徴的であるシンプルなデザインは扇を丸めて一点で閉じた形になっており、より美しく見せるためにステンレスパネルに微妙なカーブが加えられ背面が少し高くなっています。

●ねじれを含んだ超大型パネル

総重量100ton、5.0㎜のステンレス材を使用した外装パネルは、全長18.5m、巾600~1,500㎜の台形の超大型パネルでありながら、51枚のステンレスパネル全てが異なる、ねじれを含んだツイスト加工形状になっています。
イメージを形にするために3次元CADを有効に活用し、1枚1枚違うパネル及び下地フレームを精密に計算。異なる治具や特殊プレス方法などの開発、断裁設備や工場ラインの工夫、エッジのRカットなどの様々な難題に挑戦し、ノウハウを駆使することでプランを精緻に表現することができました。

KIKUKAWAのテクノロジー – 三次元加工技術のページはこちら

●特殊シルキーブラスト®仕上の開発

外装に使われているステンレスパネルは、ビーズブラスト仕上げを施しています。「MIHOチャペル」用に独自に開発されたシルキーブラスト®(2-Z+R10)は、光沢を落とすことで、材料表面の質が落ちる広巾・長尺板や4㎜以上の中板でも、安定した仕上がりを実現。さらに、加工・仕上げにより損なわれたステンレスの本来の性能を修復する不動態皮膜処理を施し、ステンレスの輝きが劣化しないように配慮しています。
18.5mの長尺パネルへのブラスト及び不動態処理にあたっては、キクカワテクノプラザにブラスト機を設置のうえ、専用の架台・ラインを設営して対応しました。

KIKUKAWAのテクノロジー-シルキーブラスト®仕上げのページはこちら
KIKUKAWAの金属仕上ラインアップ-ステンレスのページはこちら

●長尺パネルの運搬と施工

18.5mの長尺パネルは、新幹線を運ぶ特殊車両にて道路許可をとって運搬。特別に製作した長尺運搬用架台に積載したパネルを、千葉県から滋賀県まで、真夜中のみ2日かけて搬送しています。
施工においては、超大型パネルならではの課題はもちろんのこと、ねじれたパネルが正面上部の1点のみでつながる特殊な構造をしているため、精度の上でも多くの困難がともないました。そのような中、設計段階からの施工を意識した取り組み、清水建設とKIKUKAWAとの揚重計画などの事前協議や連携、取付においてはノウハウと職人技を駆使。その結果、全く歪みのない連続自由曲面は、要求どおりの施工がなされています。

●ステンレス協会の「優秀賞」受賞

お客さまからは、「およそ18mのパネルを特殊加工できる技術は日本にしかない」との評価をいただき、特に加工・仕上に関してはKIKUKAWAだからこそ実現できたと自負しています。
その結果として、ステンレス協会が主催する第15回ステンレス協会賞(2013年度)に、KIKUKAWAは「MIHOチャペル」の外装パネルにて、「優秀賞」を受賞しました。材料調達から加工・仕上までの数々の課題をクリアし、ビーズブラストによるステンレス調を強調した美観の優れた今までにない建築物であることが認められたものです。
また「MIHOチャペル」は、建築主・設計者・施工者に対して時代を代表する日本の優秀な建築作品を表彰する伝統ある賞、一般社団法人「日本建設業連合会」が主催する第54回BCS賞(2013年度)にも受賞しています。

ステンレス協会:第15回ステンレス協会賞受賞作品紹介ページへのリンクはこちら
http://www.jssa.gr.jp/prize/15/index15.htm
日本建設業連合会:第54回BCS賞「MIHOチャペル」紹介ページへのリンクはこちら
http://www.nikkenren.com/kenchiku/bcs/detail.html?r=2013&ci=870

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
長尺外装パネル ステンレス ツイスト加工
シルキーブラスト
不動態皮膜
建物名称MIHO美学院 MIHOチャペル
施主宗教法人 神慈秀明会
学校法人 MIHO美学院
設計意匠設計:I.M.Pei-Architect
意匠設計:io Architects LLP
設計監理:株式会社 小笠原正豊建築設計事務所
施工清水建設 株式会社
竣工2012年
建設地滋賀県甲賀市