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2021.11.24

【資格取得】「WES8103 溶接管理技術者(1級)」取得者インタビュー

「WES8103 溶接管理技術者(1級)」を取得している製造管理課長の嶋田博之さんに溶接管理技術者に求められる知識等のお話を伺いました。

Q1. 最初に「WES8103 溶接管理技術者(1級)」資格を取得しようと思ったきっかけは?

A.
前職では、石油コンビナートに建設される常圧貯槽タンクや球形ガスホルダーなどの溶接を中心とした会社に勤めておりました。
現場へ検査監督として常駐するにあたりWES8103が必要となり取得しました。

Q2. その内容を教えて下さい。

A.
WES8103 溶接管理技術者の資格は、溶接技術に関する技術知識と施工及び管理に関する資格です。工場認定あるいは官公庁における工事発注の際の必須条件として認証者保有又は、常駐を要求されます。
建築鉄骨をはじめ橋梁・圧力容器・造船・海洋構造物・重機械・化学プラント・発電設備等エネルギー施設など、あらゆる産業分野における溶接関係者に取得が要求されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q3. その試験のために特別に勉強した事(技術)はありますか?

A.

講習会の受講と、テキスト、問題集を活用し、現物とあわせながら勉強に励みました。
取得当時は、現場を転々としており、北海道室蘭で現場常駐していたとき、雨で現場作業待機の時や、就業後現場事務所で残って勉強したりしていたことを思い出します。1級は選択式の回答ではなく、記述式の回答方法なので、回答文章を丸暗記するわけにはいきませんでした。問題のポイントは何かをつかんで、グラフや表で理解するような方法で勉強していたと思います。

Q4. 溶接の面白い点、難しい点を教えて下さい。

A.
溶接管理の面白い点
・溶接作業条件通りに溶接指示を行い、想定通りの溶接が仕上がった時は、格別な充実感です。溶接管理技術者が自分で溶接するわけではありませんので、いかに溶接士と連携をとり最良の溶接作業を進めることが、面白い点だと思います。また、技量の高い溶接士が行った、溶接は美観的にも溶け込み的にも、素晴らしい溶接ビードが生まれます。素晴らしい溶接ビードに巡り合えたときは感動します。

溶接管理の難しい点

・溶接は熱を加えて金属を溶け込ませる作業です。溶接によるひずみの影響により予想以上の溶接ひずみが発生する場合があります。
同じ溶接条件であっても溶接手順や開先形状によって異なる形状になる場合があるところが難しいところです。

Q5. 管理者として心掛けている事はありますか?

A.

完全溶け込み溶接が要求される場合、開先検査、溶接条件等溶接作業者とともに作業が確立できるよう事前計画することが重要と考えます。状況によっては、新たに溶接施工方法確認試験を実施し、行いやすい溶接を確立する場合もあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q6.  今後の溶接技術の課題と取り組みについて

A.

現在レーザー溶接は構造溶接には適用されていません。技術の発展とともに、今後レーザー溶接も視野に入ってくるのではと考えられます。その際の、管理方法など何らかの指針が増えていくことでさらなる溶接技術の発展につながるとよいと思います。

 

インタビュー後記:溶接管理技術者とは、一般社団法人日本溶接協会が定めた規格であるWES8103「溶接管理技術者認証基準」に則って発行される資格のことです。 溶接に関連した技術と知識、さらに施工と管理についての専門的な職務能力があることの認証を目的としています。嶋田さんは、弊社の溶接技術の開発や後進の指導に日々、取り組んでいます。