METAL ARCHITECT KIKUKAWA

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プロダクト施工事例

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東京駅丸の内駅舎

東京駅丸の内駅舎:北ドームの様子

シルキーブラストを施したステンレス丸柱

アルミキャスト飾り梁・ステンレス構造梁パネルとアルミ天井パネル

●伝統と最新技術の融合による金属工事

日本の近代建築家の先駆者である辰野金吾氏の設計により、1914年(大正3年)に創建された「東京駅丸の内駅舎(創建時:中央停車場)」の保存・復原工事に、KIKUKAWAは参画しました。
1945年(昭和20年)の戦災による南北ドームと屋根および内装の焼失のため、1947年(昭和22年)に2階建てに復興していた駅舎を、創建時の3階建ての姿に忠実に再現するプロジェクト。その象徴である南北ドームの内部金属工事の多くにKIKUKAWAは携わっています。
本プロジェクトの特色の一つである「伝統と最新技術の融合」は、金属工事においても大いに発揮されています。

●創建当時の意匠に新たなデザインを加えたステンレス丸柱

南北ドーム内部の天井まで伸びる、10mを超えるステンレス丸柱は、φ1150㎜を縦に16パーツで分割。弧長322㎜のパネルと、下段は80㎜Rの凸面パネルを、中上段は78㎜Rの凹面パネルを、交互に組み合わせています。
梁レベルの水平バンドはSUS製のロストワックス、重厚な柱頭パネルはALキャストで製作。創建当時の意匠を尊重しながらも、未来へ向けた新たなデザインを実現しています。
仕上げはKIKUKAWAのシルキーブラスト技術で、均一な落ち着きのある金属の質感を表現。人の手の届く下段パネルは、加工・仕上げにより損なわれたステンレスの本来の性能を修復する不動態皮膜処理を施すことで、汚れや指紋がついてもクリーニングの手間がかからない工夫がされています。

KIKUKAWAのテクノロジー – シルキーブラスト仕上げはこちら

●再現された飾り梁と新デザインの構造梁SUSパネル

南北ドーム吹抜け上部、八角形に丸柱を繋ぐ飾り梁は、当時の意匠を再現。回廊と丸柱を繋ぐ梁は構造仕様となるため、ステンレスパネルでカバーする新たなデザインとなっています。
1スパンが約8mの飾り梁は、厚み125㎜、高さ758㎜。ALキャストで製作しました。
1スパンが約4.5mの構造梁SUSパネルは、W400㎜×H767㎜。上下パネルは3分割のスリット、側板はエッチングを施すデザインです。
シルキーブラストを施した上下パネルの、両端は厚板5㎜のカットパネルでエッジをシャープに、中央は1.5㎜を曲げ加工して段差を設け立体感を出しています。BAベースのブラックカラーステンレスの側板は、W10㎜×H55㎜のエッチングを等間隔で施すことで、アクセントをつけシックな雰囲気を演出しています。

●正八角形ラインのアルミパネル

南北ドーム内のアルミパネルは、2F吹抜天井パネルや1F回廊下部天井・幕板・ボーダー・梁パネル、1F通路天井パネルなど製作しましたが、その大部分は正八角形のラインを形づくっています。
白色塗装の天井パネルと黒色塗装のスリットパネルで構成された2F吹抜天井は、コントラストがはっきりしています。基準は1辺が約1150㎜の正方形カットパネルですが、八角形の仕口は数種類に三角形・台形パネルの組合せ。W120㎜の細いスリットパネルは、10㎜のパンチング穴を施した吸音仕様です。
1F回廊下部のR付幕板パネルは、白色塗装が施された3㎜のアルミカットパネル。666㎜Rが内側についたパネルの下部に間接照明を備え、そこからの光を反射する役割も担っています。

●様々な金属加工技術を駆使したプロジェクト

外部工事においても、南北ドームの復原庇鉄骨の飾り金物を、ロートアイアンにて再現。庇を支える斜材との三角部位に、唐草模様風のすかし窓として、スチールの平板4.5㎜×32㎜にて製作しています。
このように「東京駅丸の内駅舎」の保存・復原工事には、鋳物(キャスト)やロートアイアンなどの伝統的な製作方法と、シルキーブラストや不動態皮膜などの独自の技術を駆使することで、一大プロジェクトに相応しい良品を納めることができました。

 

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
南北ドーム丸柱 ステンレス
アルミキャスト(柱頭)
シルキーブラスト
不動態皮膜処理(下段)
南北ドーム梁パネル 飾り梁:アルミキャスト
構造梁:ステンレス 
構造梁側面パネル:
BAブラック+エッチング
構造梁天板・底板:
シルキーブラスト
南北ドーム天井パネル・R付幕板 アルミ フッ素樹脂焼付塗装
建物名称東京駅丸の内駅舎
施主東日本旅客鉄道 株式会社
設計東日本旅客鉄道株式会社 東京工事事務所・東京電気システム開発工事事務所
株式会社 ジェイアール東日本建築設計事務所・ジェイアール東日本コンサルタンツ 株式会社 設計共同企業体
施工東京駅丸の内駅舎保存・復原工事共同企業体
(鹿島・清水・鉄建 建設共同企業体)
竣工2012年
建設地東京都千代田区