2020年5月13日
日本武道館の擬宝珠(ぎぼし)
時代を象徴する建築の多くに、特殊な形状の金属建材が使われることがあります。そういったご要望に、菊川は設計から施工まで総合的にお応えすることができます。
今回は、東京オリンピック開催へ向けて、1964年の東京オリンピックにまつわる建築物についてお伝えします。
1964年の東京オリンピック用に建設された建造物やインフラは、今でも使われているものが多くあります。その一つが柔道競技場として建設された「日本武道館」です。
当時、柔道が初めてオリンピックの正式種目と認められたことをきっかけとして設立され、1964年の10月に開館しました。
日本武道館は、正八角形の屋根がなだらかに広がり、頂上に「たまねぎ」と称されることもある擬宝珠があることが特徴的で、その意匠は建築家の山田守氏が手掛けています。
建物の意匠は、富士山をイメージしているとされていますが、内部のどこからでも見やすいように八角形状に設計したとも言われています。
菊川は、日本武道館の内部天井と外部破風、そして擬宝珠の金属工事に参画しています。
頂上の擬宝珠(ぎぼし)*は、直径5.15mで高さ3.35mあります。そのため頂上から縦と横に64分割し、1.5mmの真鍮板を曲線状に切り、少しずつ叩いて必要形状へと曲げ、現場で重ねてボルト打ちすることで納めています。
また、形状の美しさを保つために球体のフレームを鉄の下地で製作。これを分割して現場に搬入し、現場で化粧となる真鍮板を納め、形状の品質を確保しています。
このように、菊川は難易度の高い特殊形状を必要とする金属工事にも設計から施工まで一貫して対応することが出来ます。可否含め、お気軽にお問い合わせください。
*擬宝珠:伝統的に宗教建築や橋の手摺などの上に飾りとして設けられている。その仕様や形状の起源は、仏教の宝珠を模している、あるいはネギの独特の臭いが魔よけになると信じられていて、その力にあやかるために使われるようになったなどの説があります。