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プロダクト施工事例

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水戸芸術館

水戸芸術館:シンボルタワー

水戸芸術館:チタンパネルが三重に螺昇する100mの「塔」

水戸芸術館:1辺が9.6mのチタンパネル・ユニット

水戸芸術館:チタンで覆われた正四面体の微妙な均衡が鋭い緊張感を空間に投射している

建物用途
製品用途
材質
金属加工技術
金属表面仕上

●チタンパネルに覆われた100mの三重螺旋の塔

茨城県水戸市の中心部に建つ、1990年開館の「水戸芸術館」のシンボルタワー「塔」のチタンパネル工事にKIKUKAWAは参画しました。
水戸市の市制100周年に由来し、高さ100mで建設された「螺旋の塔」は、三方向に螺昇していく稜線をもつ三重螺旋。正三角形の面で構成した正四面体の積み木が微妙な均衡を保ちながら積み重ねられ、鋭い緊張感を空間に投射しています。

●日本で初めて高層建築意匠に採用されたチタンパネル

「水戸芸術館」は、設計者の磯崎新氏がよく試みた手法である「よい素材でいいものをつくって長く使いましょう」という建築コンセプトに基づいています。
KIKUKAWAが担当した「塔」のチタン材は、まさしくコンセプトに合致する素材。耐食・耐候性に優れ、海岸地区においても腐食の心配が全くないメンテナンスフリーの材料です。比重は鉄の60%でありながら、強度などの機械的性質は他の材質よりも優れており、「チタンは軽くて丈夫」と言われています。
その反面、高価な材料のため、大規模な化粧建材としてチタンが使われるのは本プロジェクトが日本で初めてといってよく、もちろんKIKUKAWAにとっても初めての挑戦でした。そのような中、材料メーカーと共に試行錯誤を繰り返すことで、要求に対応した良品を納めることができました。

●チタンパネル8枚で9.6mの正三角形

シンボルタワーは、1辺9.6mの正三角形ユニット57枚で構成していて、化粧パネルはHL仕上げを施した1.5㎜のチタン材。底辺の9.6mの台形パネルから頂部の三角形パネルまで8枚の幅1050㎜前後のチタンパネルでユニット化しています。また、鉄骨トラスとの取合見切りは、1.5㎜のステンレス材をφ95㎜の半円加工をしてジョイントしています。
同じく下地フレームは、ステンレス1.5㎜の曲げ加工品でユニット化。耐風圧などの強度を保つため、ユニット端部の立ち上りは230㎜とするなど、止水も含めて精緻な設計がなされました。

●ステンレス製の丸窓枠とガラリ

地上86mの展望室には、φ432㎜とφ670㎜の丸窓が70ヶ所あり、窓自体は気密と開閉を両立した機構となっています。チタン化粧面から窓に向かうSUSの外丸枠は見込120㎜のテーパー形状、内部の丸枠は見込280㎜の円筒形で、工場でユニット組込をしました。同様に各三角形ユニットには、φ432㎜の丸窓を1列配置しています。
また、タワー下部には、1/3ほどガラリを組み込んだユニットパネルがあります。その50㎜ピッチのルーバー羽は、1.0㎜のHLステンレス板をZ型に曲げたものです。

●大型ユニットパネルを高所にて施工

1辺が9.6mの5tonにも及ぶユニットを、輸送し施工するには、事前に作図段階で工夫する必要がありました。
輸送コンテナ・地組用吊金物・パネル吊金物などを図面に盛り込むのは勿論、クレーンで揚重したユニットを鉄骨トラスに引き込むための機構を考案・製作。ユニットに取付用ステーと呼称したヒンジを組み込み、パネル引き込み金物と呼称したロッド状の治具にて引き込み、位置を調整しながら施工しました。

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
シンボルタワー 外装パネル チタン HL
シンボルタワー 丸窓枠 ステンレス HL
シンボルタワー ガラリ ステンレス HL
建物名称水戸芸術館
施主水戸市
設計株式会社 磯崎新アトリエ
施工大成建設・竹中工務店・東鉄工業・阿久井工務店 建設共同企業体
竣工1990年
建設地茨城県水戸市