ステンレス鏡面天井が吹抜け空間を彩る 柱型の巾木パネルも鏡面パネル
床の横断歩道を映したSUS鏡面天井がスクランブル交差点を見下ろす視点に重なる
色とりどりのデジタルサイネージ柱がSUS鏡面天井にも鮮やかに映る
●高品質のステンレス鏡面パネルによる価値の創造
渋谷駅の北側、JR山手線と明治通りに挟まれた渋谷区立宮下公園の建て替えプロジェクト。公園設備事業と一体で展開する商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK(レイヤードミヤシタパーク)」の金属工事に、KIKUKAWAは携わりました。
東京初の立体都市公園として渋谷周辺エリアをつなぐ、全長約330mの公園×商業×ホテルが一体となった新しいミクストユース型の低層複合施設。新しい価値や多様性、賑わう空間を演出する一つの建材として、高品質のステンレス鏡面パネルが求められました。KIKUKAWAはノウハウと技術を結集することで、その期待に応えた製品を納めています。
●映像が重要視されるステンレス鏡面パネル
スケルトン天井と呼称される南敷地2階の吹抜けイベントスペース、100㎡のステンレス製の鏡面パネル天井は、スクランブル交差点をモチーフとした横断歩道を思わせる塗装を施した床を投影。これは、上空から見下ろした視点と共に紹介されることの多い交差点の映像を、鏡面仕上げの天井が見下ろす視点としての演出を狙っています。
それだけに映像は重要で、鏡面パネルは極力歪みの無いものとする必要がありました。それらの要望に応えるため、材料調達から施工までの品質管理を徹底。例えば組立では少しでも歪みのリスクとなるビス締め付けのトルク管理など細かく手順を検証しながら製作しています。施工精度も映像品質に影響するため、現場での下地組におけるレベルを精密に注視し取り組みました。
●より歪みの少ないパネルを追求したハニカムパネル工法
スケルトン天井は、化粧面のステンレス材を2㎜、全体では53.5㎜の、接着工法によるハニカムパネルを採用しています。設計段階から取付方法も含めた様々な納まりを工夫し、より歪みの少ないパネルを追求。試作による社内検討を実施し、フレームの入れ方など従来の方法を更新した工法を開発しました。
基準割付は、およそ1175㎜×2300㎜。ESC上部の天井端部は斜めに走っているため、三角形パネルとなっていますが、同様にハニカムパネルできれいに納めています。
そのほかにも、スケルトン天井と取り合うデジタルサイネージ付柱型のH900㎜の巾木、ホテル棟(sequence MIYASHITA PARK )3FのESC幕板パネルも同様の鏡面パネルにて施工しています。
●細目地5㎜のアルミ製カットパネル
鏡面パネル以外にも、金属製品を納めています。北施設、南北を分ける美竹通りに面した壁パネルは、フッ素樹脂塗装を施したアルミ3㎜のカットパネル。基準1.3m×2.2mのパネルを5㎜の細目地で納めています。
上記パネルや西面のルーバー取合のスチール製の半円金物など、精度の難しい箇所の製品を、丁寧に現場調整を行いながら施工しました。
●信頼に応えるSUS鏡面パネル
ステンレス鏡面パネルは、ほんの僅かなキズでも価値を落としてしまい、また現場で補修することも不可能です。そのため、梱包輸送はもちろんのこと、現場での揚重及び取付にも細心の注意が必要ですが、揚重・足場計画が綿密に行われたことで、品質・納期とも要求に応えることができました。
鏡面パネルに対する信用が受注に至った本プロジェクト。お客様から極力歪みのない仕上がりを求められ、設計段階から実際のサンプルを確認しつつスペックやディテールを決定。その通りの品質を施工までゆるみなく管理することで、お客さまの満足を得られる製品を納めることができています。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
---|---|---|
南施設2F吹抜けイベントスペース スケルトン天井パネル |
ステンレス | 鏡面 ハニカム工法 |
ホテル棟3F ESC幕板パネル |
ステンレス | 鏡面 ハニカム工法 |
北施設 外壁カットパネル |
アルミ | フッ素樹脂焼付塗装 |
建物名称 | RAYARD MIYASHITA PARK(レイヤード ミヤシタ パーク) |
---|---|
施主 | 渋谷区 三井不動産 株式会社 |
設計 | 株式会社 竹中工務店 プロジェクトアーキテクト:株式会社 日建設計 |
施工 | 株式会社 竹中工務店 |
竣工 | 2020年 |
建設地 | 東京都渋谷区 |