
埼玉トヨペット浦和美園支店:弧を描く大きな庇の軒天パネルを施工
生産体制を強化して製作した大面積の木目調塗装軒天パネル
縦ルーバーも木目調塗装のアルミパネルで製作
●木目調パネルの自動車ショールーム
埼玉高速鉄道の終着点・浦和美園駅近くにオープンした自動車販売店「埼玉トヨペット 浦和美園支店」。敷地面積は約1万㎡と、埼玉トヨペットとしては最大規模を誇る旗艦店です。
KIKUKAWAは、建物の大部分を占める木目調塗装の軒天パネルなどを製作。温かみのある木目調パネルにより、明るいショールーム空間となっています。
●大きな弧を描く庇の木目調アルミ軒天パネル
ひときわ目を引くのが、ショールーム棟全体を約120mにわたって覆う庇。大きな弧を描くデザインが印象的で、その形状を美しく実現することが求められました。
木目調塗装の軒天パネルは板厚2㎜のアルミ曲げパネルで、目地幅15㎜のビス留め納まり。各パネルは長方形に見えますが、実は長辺の長さが対辺で30㎜ほど異なる台形の形をしています。基準パネルサイズは縦1,145㎜×横1,820~2,200㎜。各列の台形パネルの長辺が弧の外側になるほど少しずつ長くなっていくことで、弧を描くデザインでありながら、目地がきれいに通った軒天パネルを実現しました。
また、建物外壁やガラスサッシ、照明など、あらゆる他工事との取り合いがありましたが、それらとの調整にも配慮し、連続する大面積を違和感なく納めています。
●多量・短納期に対応する生産体制
本プロジェクトでは、前述のショールーム棟を含め、整備工場棟など計4棟の軒天パネルを、総数600枚以上製作・施工しています。量や項目数が多かったため、最盛期は設計担当者や取付職人など各部署で動員人数を増やして短納期に対応しました。パネル番号での管理や図面の色分けを活用し、数量や関係者が多い中でもミスが起こらないよう注意を払っています。
製作を効率化する工夫も多く実施。例えば、弧を描く軒天パネルの下地は、各列で曲げ具合が全て異なるR形状になるところを、できるだけ集約して同形状にまとめることで製作費や余剰材の削減に努めています。また、事前に試作を行って組立工数を減らす方法を検討し、量産に対応できる体制を構築しました。
●木目調縦ルーバーと庇の曲げ金物
今回仕上げは、木目調のフッ素樹脂焼付塗装。本プロジェクトのために調整した、自然な風合いを残した木目柄となっています。軒天パネル以外に、ショールームのガラス面に沿って並ぶ縦ルーバーも木目調塗装。3ヶ所、540㎜ピッチで計64本設置されています。板厚2㎜のアルミで、高さ4,650㎜×幅150㎜×奥行450㎜の筒型パネルを曲げ加工にて製作しました。角出し曲げによりシャープなエッジをつくっています。
木目調の軒天パネルと組み合わさる庇の見切り部分も当社で担当。笠木や水切など6個のパーツを段々に組み合わせた形状で、それぞれアルミ2㎜の曲げ加工品です。こちらはホワイト系のフッ素樹脂焼付塗装で仕上げています。下地は段々のパネルに合わせてジャングルジムのような複雑な構成。弧を描く形状に対して多角で納めているため、各断面で出入り寸法も異なってきます。できるだけ定尺部材を使用し現場でカットして調整することで、役物を増やさない工夫をしました。
●金属工事のノウハウを生かした提案型設計
本プロジェクトは数量が多くかつ短納期でもあったため、早々に図面を決定し製作に取りかかる必要がありました。そこで、お客様からのご要望にお応えするだけでなく、当社側から率先して仕様や納まりをご提案する「提案型設計」にて早期課題解決を図っています。また、お客様との意匠の確認とともに、他工事会社との取り合いの調整も同時進行で進めるなど、豊富な金属工事の経験を生かしスピード感を持って対応にあたりました。製品の精度はもちろんのこと、設計対応力の面でも高い評価をいただいています。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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軒天パネル | アルミ | 木目調塗装 (フッ素樹脂焼付塗装) |
ルーバーパネル | アルミ | 木目調塗装 (フッ素樹脂焼付塗装) |
庇パネル (笠木・水切等) |
アルミ | フッ素樹脂焼付塗装 |
建物名称 | 埼玉トヨペット 浦和美園支店 |
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施主 | 埼玉トヨペット 株式会社 |
設計 | 株式会社 TEAM IWAKIRI JAPAN |
施工 | 不動開発 株式会社 |
竣工 | 2021年 |
建設地 | 埼玉県さいたま市 |