METAL ARCHITECT KIKUKAWA

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プロダクト施工事例

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渋谷サクラステージ

渋谷サクラステージ 金属工事

渋谷サクラステージ2階(西口デッキより):エスカレーターおよび階段のカラークリアパネル、白塗装の格子状エレメントなど、多数の金属工事に参画。

「アーバン・コア」のエスカレーターパネル。吹き抜け空間をダイナミックに使ったデザインが印象的。

オフィスロビーのメッシュスクリーン。縦横まっすぐにラインの通ったグリッド状のメッシュパネルは、床や天井への映り込みも美しい。

●大規模再開発ビルの特殊金属工事に参画

渋谷駅に隣接する大規模複合施設「渋谷サクラステージ(Shibuya Sakura Stage)」。SHIBUYAサイドとSAKURAサイドの2街区からなり、商業施設・オフィス・住宅を備えた渋谷の新たなランドマークです。
「めぐり歩いて楽しいまち」がテーマの渋谷サクラステージでは、いたるところで来場者を楽しませるインパクトのある意匠を目にすることができます。本プロジェクトでKIKUKAWAは、大規模かつ特殊な金属工事に数多く参画し、コンセプトの実現に貢献しました。

●吹き抜け空間を彩るパネルとルーバー

渋谷駅と接続するSHIBUYAタワーの内部にあるのが、「アーバン・コア」と呼ばれる巨大な吹き抜け空間。地下2階~地上3階までをエスカレーターや階段でつなぎ、谷地である渋谷特有の縦動線の課題を解決して回遊性を高めています。当社は、斜めに交差するように各階を結ぶエスカレーターのパネルや、フロア断面を一周ぐるりと囲む幕板ルーバーなどの工事を担当しました。
エスカレーターパネルは、ステンレスHLにカッパー色のカラークリア塗装を施した曲げパネル。明るく艶やかな色味が際立ちます。空間のどこから見ても美しいように、高品質のパネルを精度よく納めました。幕板ルーバーは、幅50㎜のアルミ角パイプで構成。アルマイトシルバー仕上げを基本に、よく見ると、より光沢度の高い仕上げ違いのものをところどころにランダムで配置しています。
縦に広がる空間で交差するエスカレーターと、フロアごとに全て異なる楕円形の吹き抜け形状という、難しい条件での設計でしたが、3Dデータを活用して展開図に落とし込むことで、お客様のイメージを正確に再現することができました。地下2階から吹き抜けを見上げると、各階層の重なりと様々な方向に伸びるエスカレーターパネルの迫力が圧巻の景色です。

渋谷サクラステージ エスカレーターパネル

▲「アーバン・コア」地下2階からの見上げ

●製作精度が鍵となったSUSパイプ製の格子状エレメント

渋谷駅や道路側からの入口となるSHIBUYAタワー低層階の壁面には、浮雲をモチーフにした格子状エレメントが設置されています。30㎜幅のステンレス角パイプを溶接で組み、ホワイトのフッ素樹脂焼付塗装で仕上げました。前面にはイベント情報やデジタルアートが投影されるLEDモニターを備えており、その電気配線カバーも格子形状に上手く組み込む形で設計しています。納まりが非常に繊細で溶接の熱影響が出やすいため、緻密な計算と検証を重ねて誤差を減らすことで、精度を担保しています。また、床との接地面がなく、まるで空中に浮いているように取り付くため、こちらも3Dデータを用いて立体的にイメージしながら施工打合せを進めました。

●光の演出が美しい2層の曲面メッシュスクリーン

SHIBUYAタワー5階のオフィスロビーにあるのが、高さ9m×弧長約40mの大型曲面メッシュスクリーン。奥行を感じさせる前後2層構造になっており、ステンレスメッシュにフレームを取り付けた1m角のパネルユニットが2層合わせて650枚以上並んでいます。夜やイベント開催時にはグリッド状に配置された照明でライトアップされ、華やかな空間演出が行われます。
照明は表側だけでなく、2層のメッシュの間と裏側にも配置されているため、前後合わせて7割以上のメッシュパネルを点検口仕様にする必要がありました。2層構造のパネルをどちらも開閉できるようにするため、前後で異なる開閉機構を考案し実装しています。何度も試作検証を繰り返し、意匠だけでなく照明との兼ね合いや開閉動作の確認など、機能的にもより良い納まりを目指しました。
メッシュをここまで大規模に使った製品は当社としても初めての挑戦でしたが、完成後はお客様から好評で、特に取付精度に関してお褒めの言葉をいただいています。

●KIKUKAWAの対応力で金属パネルの可能性に挑む

上記で紹介しきれない箇所を含め、渋谷サクラステージの象徴となるような低層部の金属工事の大部分をお任せいただいた本プロジェクト。品目も物量も多く対応力が試される工事でしたが、3Dデータ活用をはじめとする設計技術と、試行錯誤を重ねて品質を追求する生産体制を強みに、関係者全員で一丸となって取り組みました。「渋谷の中心から最先端の情報発信をしていく施設として、金属パネルの可能性にチャレンジしたい」というお客様の想いにお応えすることができ、当社としても大変やりがいのあったプロジェクトでした。

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
アーバン・コア
エスカレーターパネル
幕板ルーバー
ESCパネル:ステンレス
幕板ルーバー:アルミ
ESCパネル:
HL+カラークリア塗装
幕板ルーバー:
シルバーアルマイト
格子状エレメント ステンレス フッ素樹脂焼付塗装
オフィスロビー
スクリーン
ステンレスほか メッシュ(支給品)
建物名称渋谷サクラステージ
施主渋谷駅桜丘口地区市街地再開発組合
設計古谷誠章+NASCA+株式会社日建設計
施工鹿島・戸田建設共同企業体
竣工2023年
建設地東京都渋谷区