
香港高層ビル「The Henderson」歩行者専用通路
三次元形状のステンレス外装パネルを製作
仕上げは主にステンレスのバイブレーション仕上げ
開口部周りは一部ブラスト仕上げも採用
ビルの低層部をぐるりと囲み、周囲の他の建物とも接続する歩行者通路
●香港の超高層ビル建設プロジェクトに参画
香港島の北岸に位置する金融・ビジネスの中心地、中環(セントラル)地区に誕生した36階建て超高層オフィスビル「The Henderson」。香港4大デベロッパーの一つであるHenderson Landが開発を手掛けました。香港のシンボルであるバウヒニアの花のつぼみをモチーフにした丸みを帯びた外観は、世界的に著名な建築家ザハ・ハディド・アーキテクツによる設計です。
KIKUKAWAは、ビルの低層部に設けられた高架型歩行者専用通路のステンレス外装パネルを製作しました。
●高難度三次元形状のステンレスパネル
ビルのフォルムと同様に丸みを帯びた外観で、カーブやスロープなども取り入れられている歩行者通路。R形状の外装パネルは一つとして同じ形のものがなく、高度な三次元加工技術が求められました。設計には3Dデータを活用し、伝統的な工法と近代技術を組み合わせて三次元形状のパネルを製作しています。さらに、成形・組立・出荷と工程ごとにパネル1枚1枚の形状をチェックする徹底した管理体制で、形状不備による再製作ゼロで進めることができました。

▲難易度の高い形状に対応
●豊富な経験を活かした海外工事対応力
製造工程だけでなく、製品の梱包・出荷にまでこだわるのがKIKUKAWAクオリティ。長距離輸送となる海外工事では、現地での施工をスムーズに進めるためにも重要になってきます。当社での梱包効率と現地での施工効率、その両方を踏まえて最適な梱包方法を模索し、改善を図りました。
また当社は香港に拠点を有しており、英語が堪能な海外プロジェクト担当に加えて香港の現地スタッフによるローカル言語でのコミュニケーションが可能だったことも、本プロジェクトを進めていく上での成功要因の一つとなりました。
●他社の追随を許さない技術力と挑戦心
香港大手デベロッパーとザハ・ハディド・アーキテクツがタッグを組んだ大規模プロジェクト。今回のような難易度の高い三次元加工を実現できる会社は世界でも数少なく、当社の技術と実績が評価されてのプロジェクト参画となりました。総面積2,000㎡以上と数量も多く、納期がある中でどのように製作していくかという点が課題でしたが、これまでとは異なる手法を開拓するなど広い視野と推進力で課題解決を図りました。製品の完成度についてはお客様から好評で、当社としても三次元加工の新たな知見を獲得でき挑戦しがいのあったプロジェクトでした。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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歩行者専用通路 外装パネル |
ステンレス | PHL(バイブレーション) シルキーブラスト 三次元加工 |
建物名称 | The Henderson |
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施主 | Henderson Land Group |
設計 | Zaha Hadid Architects |
施工 | PMB Cyberwall Ltd. |
竣工 | 2024年 |
建設地 | 香港 |