波の揺らぎを模したステンレス製の3Dルーバーが特徴的なギリシャ宮殿風な外観ファサード
同一ルーバー内で鏡面仕上げとブルー塗装仕上げを使い分けたSUS波型ルーバー
夜間の様子:中央部のSUS波紋ルーバーの狭間からは店内の様子が伺えるようになっている
●波の揺らぎをステンレス製の3Dルーバーで演出
東京銀座の中央通りに面した地に、2020年7月にオープンした「ULTIMATE DIAMOND SHIRAISHI:アルティメイト ダイヤモンドシライシ」は、銀座ダイヤモンドシライシ初のハイエンドジュエリーショップ。ギリシャ文化の象徴的な建築物である宮殿の設計様式をコンセプトとし、洗練された憧れの街にふさわしいデザインとなっています。
KIKUKAWAが参画した外観ファサードは、波の揺らぎをステンレス製の3Dルーバーで構成。ブランドイメージであるギリシャエーゲ海をインスパイアしたブルーの光となめらかな鏡面仕上げにより、銀座の街に青い光のきらめきを反映しています。
●KIKUKAWAの提案力・対応力・事前段取力
本プロジェクトは設計事務所からのご相談を受けてスタートしました。リモートなど打合せの条件が限られるなか、波型ルーバーのご要望に対する溶接サンプルや製作方法を提案。ご依頼のあったデザインプレゼン用のモックアップもスピーディーに対応することで受注につなげることができました。
実施にあたっては、様々な溶接や鏡面研磨手法にてミニモックアップを複数個作成。それぞれにブルー塗装を施し、QCD(品質・コスト・納期)及び加工再現性の観点から、もっとも適した工法を採用しています。
それに先立ち、受領したファサードルーバーの3Dデータを、加工図用に3DCADにて精密に再構築。初品から正確な形状情報で製作できたことで、難易度の高い製品にも関わらず、後戻り作業なく納めることができました。
●高級感を追求したステンレス波紋ルーバー
計84本のステンレス波型ルーバーは、同一ルーバー内で鏡面仕上げとポリエステル粉体塗装仕上げを使い分け。小口15㎜の鏡面部に、奥行き55~70㎜のブルー色や通りの景色を映し出しています。また、波型曲面の接合において溶接を含め工夫することで、まるで無垢ルーバーのような意匠を実現し、高級感を際立たせました。
H=3175㎜のルーバーの支持と振れ止め方法はモックアップにて検証。ピッチ60㎜のルーバー3本を1ユニットとし壁パネルとして工場組みしています。壁パネルはスパンドレルの様な納まりとしており、その目地はルーバーで隠せるようにしました。
●メタルの上質な雰囲気で演出するエントランス
間口がW1330㎜×H2280㎜、奥行き894㎜のエントランスの三方枠パネルは、ステンレス2.0㎜の曲げ加工品。BA仕上げの上にシャンパンゴールド色のカラークリア塗装を施すことで、メタルの輝きを活かす上質な雰囲気を醸し出しています。
エントランスサインのパネルは、スチール1.6㎜の曲げ加工品。ルーバー色とは色味の異なるブルー色(ルーバー裏板パネルと同じ)の粉体塗装を施しています。
●KIKUKAWAの短納期対応力
本プロジェクトでは、営業段階の提案から施工まで様々な取組をしました。例えば、製作段階においてはロットを細かく設定し、塗装が同時に進行できるように工程を調整したりしています。
基本的に現場で補修のきかない金属製品のため、何よりファサードの前の2本の石柱やガラスにキズをつけることができないため、運搬や取付には細心の注意を払うことを徹底。また、機能毎のシール工事との細かい工程も、入念な調整をすることで緻密な計画をたて実行ました。
これら一つ一つの積み重ねとKIKUKAWAの技術力が、短納期対応を可能とする力となっています。今回もその対応力を発揮することで、お客様の希望納期を実現することができました。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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外装 3D波型ルーバー |
ステンレス | 見込面:ポリエステル粉体塗装 小口面:鏡面 |
エントランス 三方枠パネル |
ステンレス | BA+カラークリア塗装 (シャンパンゴールド) |
建物名称 | アルティメイト ダイヤモンドシライシ |
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施主 | 株式会社ニューアート・シーマ |
設計 | TORAO+ HSIEH ARCHITECTS |
施工 | 株式会社 木村工務店 |
竣工 | 2020年 |
建設地 | 東京都中央区 |