
大阪・関西万博「ウォータープラザ」に建つ水上オブジェの金属パネルを施工
側面の長尺鏡面パネルは二相系ステンレスにて製作
高耐候性ポリエステル粉体塗装のアルミパネル見上げ。上部から水が出てウォータースクリーンとなる
●万博会場に建つ巨大な金属製水上オブジェ
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の海側のエリア「ウォータープラザ」では、巨大な水上空間を舞台に「水と空気」をテーマとするショーが開催されています(※)。その中央に建つ門型の水上オブジェの建設プロジェクトに参画しました。
横幅17m、水面からの高さ18mと巨大な金属製オブジェ。万博を象徴する建築のひとつとして存在感を放っています。夜のショーでは映像を映し出すウォータースクリーンとなり、水中に配置された約300基の噴水や音楽とともに、壮大な演出で万博を盛り上げます。

▲夜のショーの様子(※2025年6月4日~、水上ショー休止中)
●高品質な二相系ステンレス鏡面仕上げ
オブジェは、外側側面のみステンレスの鏡面仕上げ、その他がアルミの高耐候性ポリエステル粉体塗装(シルバー系)と、2種類のカットパネルで構成しています。特に側面の鏡面パネルは幅1,200㎜×全長5,400㎜と長尺で重量があるため、事前の施工計画を綿密に立てて取付を行いました。
また本プロジェクトでは、海水の影響を考慮し耐食性に優れた二相系ステンレス(SUS329J1)を採用。一般的に使われるSUS304と比べて鏡面仕上げが難しいとされている材料でしたが、協力会社と密に連携して研磨工程を工夫することで、美しい鏡面仕上げを実現させています。
●特殊条件をクリアする調達力・品質管理力
海水上に、ウォータースクリーンやミスト、可動式噴水など舞台装置としての機能を内包し、それ自体も投影面となるオブジェを建設した本プロジェクト。KIKUKAWAはそのような特殊な条件下においても品質との両立を図る方法を常に模索し、材料調達力や品質管理力で諸課題をクリアしています。万博の大きな見どころの一つとなるオブジェの建設を通じて、金属製装飾建材の可能性をさらに広げることができました。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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水上オブジェ | アルミ/ 二相系ステンレス (SUS329J1) |
高耐候性 ポリエステル粉体塗装/ 鏡面 |
建物名称 | 大阪・関西万博 ウォータープラザ内オブジェ |
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施主 | サントリーホールディングス株式会社 ダイキン工業株式会社 |
設計 | 株式会社電通ライブ 株式会社らいおん建築事務所 |
施工 | 株式会社IKKEN |
竣工 | 2024年 |
建設地 | 大阪府大阪市 |