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2020年12月3日

ニュースリリース

新幹線車体材を建材に再生するプロジェクトに参画

KIKUKAWAは下記内容のニュースレターを配信しました。

PDF版はこちら
2020.12.3 Kikukawa News Release (Bullet Train to Column Covers)

本プロジェクトについては、東京ステーション開発株式会社が開設した特設ページ「東海道新幹線700系 再生アルミ物語」にて紹介されており、当社の社名も「SPECIAL THANKS」の欄に記載されています。詳しくはこちら
https://www.tokyoeki-1bangai.co.jp/700aluminum/


東海道新幹線700系車体材を
「東京ギフトパレット」建材へ再生するプロジェクトに参画
日本アルミニウム協会の開発賞受賞や環境保全・建築費削減に貢献


建築物の金属製内外装工事を手がける菊川工業株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:宇津野嘉彦、以下菊川)は、「カモノハシ」の愛称で知られる東海道新幹線700系のアルミニウム車体材を、東京駅八重洲北口コンコースおよび専門店街「東京ギフトパレット」の内装材としてアップサイクル*1する、東京ステーション開発株式会社(JR東海グループ、以下東京ステーション開発)によるプロジェクトに参画しました。

東京駅八重洲北口コンコースおよび専門店街「東京ギフトパレット」の内装、天井と「のれん」

700系の車体は特殊なアルミ材を用いており、その高品質を維持しつつ低コストで展伸材*2へと再生したことは、長い東海道新幹線の歴史上初の事柄であるとともに、商業空間の装飾材にアップサイクルすることも初めての取り組みでした。非常に難度が高いプロジェクトであるとされる中で成功したことが評価され、同取組は2020年3月26日に一般社団法人日本アルミニウム協会(以下、日本アルミニウム協会)の開発賞を受賞しました。

東海道新幹線700系「カモノハシ」(提供:JR東海)

菊川は、「東京ギフトパレット」の天井やファサードの総合製作を担当しており、高品質再生アルミ材を建材化・製品化することでプロジェクトに貢献しています。これにより、東京ステーション開発が目指していた建築費削減による事業性の向上や環境保全を実現し、持続可能な社会に向けたサステイナブルなモノづくりに寄与しました。

*1アップサイクル(Upcycle):リサイクルやリユースとは異なり、もともとの形状や特徴などを活かしつつ新しいアイディアを加えることで別のものに生まれ変わらせるサステイナブルなものづくりの新たな方法論(出典:一般社団法人日本アップサイクル協会)。
*2展伸材:板・棒・管・線・鋳物など、金属の塊を加工して製作される製品。

■ プロジェクト参画の経緯

アップサイクルされた700系車体材は、丸い棒状のビレッドと呼ばれる展伸材であり、建材として活用するためにシート状に材料開発し、製品へと加工する必要がありました。
通常使われるビレッドと異なることから材料の再開発や加工技術が難しく、断念した会社がある中、商業施設の内装施工でプロジェクトマネジメントを担当する株式会社乃村工藝社から相談を受け、当社もプロジェクトに参画しました。例のない試みであったため、各工程で製造・加工方法の開発が必要でしたが、菊川はオーダーメイドで培ってきた課題解決力と対応力を活かし、日本文化を象徴する「のれん」や「桜の花びら」の柔らかなデザインをアルミで再現しました。

■ 日本アルミニウム協会・開発賞について

日本アルミニウム協会では、アルミニウム産業における技術の進歩、製品の開発、需要の拡大に顕著な貢献をした個人やグループを顕彰することを目的として開発賞・技術賞を設置しており、開発賞は 「アルミニウムの需要拡大に貢献のあった製品」や「アルミニウムの需要促進、新市場開拓が期待できる開発製品で実績があるもの」に贈られます。今年は、数ある公募の中から本件を含めて5件の事例が開発賞を受賞しています。
通常、アルミのスクラップ材は付着物の除去が容易でないため、品質を問われない鉄等を製造する際に使う脱酸材として再生されます。そんな中、不純物量が低く700系車体材の高品質を維持したままで、高品質な再生展伸材の製造に成功したことが評価され、東京ステーション開発株式会社とSUS株式会社の方々が開発賞を受賞しました。
菊川はその再生されたアルミを使い、難易度の高い加工を施し装飾デザインを実現することで寄与しました。

■ プロジェクトの概要

1999年に営業運転を開始し、2019年3月の引退まで約20年間親しまれてきた700系車両の東海道新幹線ですが、東京オリンピック・パラリンピックに向けて開発が決定した新東京駅商業施設「東京ギフトパレット」の内装工事の建材としてアップサイクルされることになりました。
「東京ギフトパレット」は、日本を代表する玄関口であるターミナル駅の商業施設にふさわしい「桜の花びら」や「のれん」をイメージしたデザインが採用されています。

●プロジェクト名称:東京駅八重洲北口コンコース「東京ギフトパレット」
●開業日:2020年8月5日
●場所:東京都千代田区丸の内1-9-1東京駅八重洲北口
 (東海道新幹線 東京駅八重洲北口改札外)
●施主:東京ステーション開発株式会社
●設計・建築全体監修・企画:株式会社CMYK
●環境エリア内装施工(プロジェクトマネジメント・設計協力・制作施工):株式会社乃村工藝社

■ 今後の展望

今回のプロジェクトで、菊川は東京ステーション開発が目指す建築費削減による事業性の向上や環境保全にも貢献し、東京駅における日本のものづくり文化の発信、そして人びとの想いをつなぐ付加価値の高いサステイナブルな空間づくりに貢献しました。今後もお客様のさまざまな課題解決を通じて、持続可能な社会に向けた取り組みにも貢献していきます。

■本件に関するお問い合わせ

菊川工業株式会社 広報室Webチーム
TEL:047-492-0144
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