2021年3月9日
デザインと機能を両立する折り板パネル
通常フラットな建材で納めることの多い壁や天井パネルは、その画一性が美しいといえます。しかし、場所としての特性が出しにくいことも否めず、特に公共性のある広場などでは、空間特性が求められます。一方で、それらのパネルもしくは取合には、空調や照明など機能性を担保する必要が生じることも多くあります。
そのような中、加工自由度が高い上、強度も十分にある金属建材は、デザインと機能の両面をカバーできる多様性があります。


今回は、「折り板パネル」による事例をご紹介。地下鉄と接続する地下広場の壁及び天井のアルミカットパネルの目地部に山形断面の折り板パネルを納めました。ジョイント部から先端に向かうに従い細くなる三角錐をL字に繋げた形状。天井部5.8m、壁部2mの折り板パネルは、3㎜のカットパネルで、最大W750㎜×H240㎜の三角形が少し偏心したデザインとなっています。

折り板パネルの裏側は吸気スリットで、空気流入口として機能しています。折り板パネルの一つ一つがダクトのような役割を担っていて、三角形の断面が太い箇所ほど吸い込む空気量が多くなるように設計されているとのことです。そのため、形状もさることながら、機能面を満たすために見えない箇所にも細かなご要望に応えています。


吸気スリットがない箇所は、逆に谷型に菱形状に折り板パネルを形成し、形を変えながらも連続性を演出。取り合う3㎜のカットパネルは、それに合わせた役物形状となっています。

仕上げは白色のフッ素樹脂焼付塗装。モックアップにて、形状や納まり確認とともに、色調や膜厚も確認しています。
本プロジェクトは、空調機能が主でデザインが従。しかし、結果的に1.2mごとの折り板パネルが反復した空間は、その場所を特徴づけるものとなりました。
逆にデザインが主でそれに機能を付属させる場合もあります。いずれも、KIKUKAWAはその要望を組み取り、両立することのできる提案をいたします。お困りのことがありましたら、是非、ご相談ください。