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2019年7月18日

メタルワークNEWS

吊り構造のスケルトン階段

菊川では、今までにない構造の階段意匠も、構法や製作方法・部材の選定を行うことで、デザイナーのこだわりを実現します。

透明感のある洗練された空間に寄与し、階段をのぼること自体が楽しみになるスケルトン階段。 どのように支えられているか一目ではわからない構造の階段を2種、ご紹介します。

パレスサイドビルディング、竣工当時の「夢の階段」
パレスサイドビルディング、竣工当時の「夢の階段」

まずご紹介するのは、竹橋にある「パレスサイドビルディング」の1階の中央廊下と地下1階コンコースの吹き抜けを結ぶ「夢の階段」。ネット状に編み込んだ直径6.0mmのステンレス丸棒とHL仕上を施した直径60mmのステンレス丸パイプの手摺が、キャストのアルミ階段板を吊っています。

「夢の階段」の手摺部分。ササラは、ステンレスの丸棒を編み込んであるネット状になっている。
「夢の階段」の手摺部分。ササラは、ステンレスの丸棒を編み込んだネット状になっている。
1階から見下ろした「夢の階段」。ササラがネット上であるため、B1Fの様子も見える。
1階から見下ろした「夢の階段」。ササラがネット状であるため、B1Fの様子もうかがえます。

この特殊な構造により、時代を先駆けたデザインのスケルトン階段が実現しました。当時、構造的に前例のない構法を実現化したことから、「夢の階段」と呼ばれるようになったそうです。

「パレスサイドビルディング」は建物自体の建築的評価も高く、竣工以来、第9回建築業協会(BCS)賞、DOCOMOMO日本支部・日本建築学会主催のモダニズム(近代主義)建築20選など、数多くの賞を受賞しています。

1967年に竣工した同現場ですが、現在の階段はつまずき防止のために手摺が取り付けられています。

「夢の階段」、現在の様子。
「夢の階段」、現在の様子。

次にご紹介するのは、KIKUKAWA東京オフィスの2階から3階を結ぶ階段。

菊川グループの東京オフィスの階段。
菊川グループの東京オフィスの階段。

梁から取り付けた直径216mmのPHL仕上のステンレス丸パイプ手摺から、交差するようにランダムに配置された直径10mmのPHL仕上げのステンレス丸棒吊材がガラス階段板を支えています。

ランダムに配置された吊材が美しい透明感のある階段。
踊り場からは、ランダムに配置された吊材がよく見えます。

2階から伸びていく大型丸パイプがL字に曲がっている箇所は、へら絞りで接合部材を製作し溶接することで実現しました。

L字型になっている2階部分の手摺。
L字型になっている2階部分。

吊り構造の階段は、工場製作と現場施工の区分けや事前計画がデザイン実現の鍵を握っています。菊川は設計から施工まで一貫して請け負う体制によって、同構造の形状をつくり上げました。

踊り場から見下ろした階段。ガラス階段板と手摺の構造が透明感のある空間に寄与している。
踊り場から見下ろした階段。ガラス階段板と手摺の構造が透明感のある空間に寄与している。

このようにKIKUKAWAは特殊構造の金属製品や階段にも、これまでのノウハウや技術力、そして全社のチエを結集して解決策を提示する「ワン・ストップ・ソリューション」にてお応えしています。

実現が難しいと思われるデザインも、ぜひお気軽にご相談ください。

「パレスサイドビル」については、こちら
http://www.mai-b.co.jp/

KIKUKAWAの東京オフィスについては、こちら
https://www.kikukawa.com/product/kikukawa-tokyo-office/

*KIKUKAWAの東京オフィスは、当社の技術力が随所に見られる建物で、メタルワーク・ミュージアムの機能も兼ね備えています。5mm目地で納めているビーズブラスト仕上げのステンレス外壁、板厚6mmの四角パンチングのアルミフェンス、アルミ・エキスパンドメタルのファサードなど、KIKUKAWAならではの素材や技術力を間近でご覧いただくことが出来ます。