デッキや植栽とも調和するりん酸亜鉛処理仕上げのファサードで、エントランス周りを改修。
正面エントランス(上:昼間 下:夜間)
縦横に通ったスチール製建具が、ガラス張りのエントランス空間を引き立てている。
風除室の天井パネルや自動ドア枠、デジタルサイネージパネルもりん酸仕上げで製作。
●築30年のオフィスビルのファサード改修工事
JR新横浜駅近くに建つ、1993年竣工の地上20階建てオフィスビル。この度改修工事が行われ、「EPIC TOWER SHIN YOKOHAMA」として生まれ変わりました。KIKUKAWAが担当したのはエントランス周りの低層部ファサード。幕板パネルや方立・横桟、柱型パネルなどを、スチールのりん酸亜鉛処理仕上げで製作しました。縦横にまっすぐ通った黒基調のガラス枠やボーダーが、すっきりと洗練されたファサードを作り上げています。
●りん酸亜鉛処理仕上げのスチール枠やコルゲートボーダー
スチールの「溶融亜鉛めっき+りん酸亜鉛処理」仕上げで製作した横桟(無目)および方立は、見附80㎜、見込約90㎜の曲げ加工品です。横桟は長さ1,600㎜、方立は最大長さ3,800㎜ほどあります。
また、2階上部の高さ約1,500㎜のコルゲートボーダーは、幕板パネルに見附・見込とも80㎜で曲げ加工したリブを7本取り付けて構成。3,200㎜ごとに入る縦目地は幅5㎜の細目地とすることで、建物側面から正面にかけて一直線につながって見えるボーダーを表現しています。
その他にも、柱型パネル、庇、風除室の天井や自動扉ガラス枠、デジタルサイネージ、屋外立て看板といった、低層部エントランス周りの様々な化粧金物やパネルを、濃色りん酸仕上げのスチールで納めました。
●意匠的な完成度を高めるシャープなスチール建具
「溶融亜鉛めっき+りん酸亜鉛処理」は製品を高温のめっき槽に浸けるため、熱による歪みが大きく出ないように板厚2.3㎜や3.2㎜のスチールを用いることが一般的です。しかし今回は、シャープな曲げ角にしたいとお客様からご要望をいただいたため、通常より薄い板厚1.6㎜の使用を検討。試作をしたところ本プロジェクトの仕様では歪みが出にくいことが確認できたため、本番製作にも特別に1.6㎜厚のスチールを適用しています。そのおかげで、横桟や方立の意匠的な完成度がより高まりました。
また、りん酸亜鉛処理の金物が多品目にわたり部材数が多かったため、めっきの協力会社とも連携しながら、効率的にめっき処理を行える方法を色々な角度から考案しています。
●多様な製作金物に対応可能なKIKUKAWAの総合力
あらゆる種類の製作金物をまとめてお任せいただいた本プロジェクト。過去に様々な工事に携わってきたKIKUKAWAだからこその総合力でお応えしています。統一感のあるりん酸仕上げのオーダー金属建材にて、建物のイメージを一新させるとともに、バリューアップに貢献することができました。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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低層部ファサード 方立、横桟、幕板、 柱型パネル等 |
スチール | りん酸亜鉛処理 |
建物名称 | EPIC TOWER SHIN YOKOHAMA |
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施主 | 特定目的会社SUN |
設計 | 基本設計・デザイン監修: ゲンスラー・アンド・アソシエイツ・インターナショナル・リミテッド 実施設計・監理: 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
施工 | 大成建設株式会社 |
竣工 | 2022年 |
建設地 | 神奈川県横浜市 |