METAL ARCHITECT KIKUKAWA

menu

プロダクト施工事例

homeプロダクト施工事例山陰本線 東浜駅

山陰本線 東浜駅

高耐食性フェライト系ステンレスNSS445M2材が採用された鏡面パネル天井

空に浮かんだ鏡であるステンレス鏡面パネル天井

●ステンレス鏡面パネル天井=空に浮かんだ鏡

2017年6月に運行開始した、JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の乗降駅である、「東浜駅」のゲート工事に、KIKUKAWAは参画しています。
「瑞風」のデザインを監修した浦一也氏の手による駅舎は、海辺を前にした風光明媚な場所の魅力を活かし、周りの風景に溶け込ませるために、ゲートの天井にはステンレス鏡面パネルが選定されています。そのため、ゲートの鏡面天井は、美しい風景や「瑞風」をはじめとする行き交う列車、利用する人々の姿などを「空に浮かんだ鏡」として映し出しています。

●KIKUKAWAのステンレス鏡面パネル

本プロジェクトのご相談を頂いたのは、高品質鏡面パネル工事が可能な業者を設計事務所の方が探していた中で、KIKUKAWAの実績を知っていただいたからです。ステンレスの鏡面天井は、駅舎を利用する人々を迎えるゲートの役割上、常に目に飛び込んでくるものであり、その品質はコンセプトからも非常に重要なものです。天井パネルの表面は、ひずみの無いものにしなければならず、ゆがみのない映像を映し出すことが要求されます。
それらの要求に応えるため、KIKUKAWAの鏡面パネルのノウハウを駆使し、細部の納まりも詳細に検討しました。特に、天井パネルの基準サイズは巾1.2m、長さ4mと比較的大きいため、ひずみを極力押さえ平滑度を保つようにALハニカムを裏打ちする工法にて製作しました。また、完成品全品を実際の取付レベルに吊り上げ、鏡面の映り具合の検査を実施したうえで出荷しています。その結果、要求品質を満たした天井パネルを納めることができ、お客様の満足を得ることができました。

●鏡面パネルを損なわないために

「東浜駅」のゲート天井は、一般的な建材で使用されるステンレス材であるSUS304でも錆を誘発する可能性がある海岸部であることに加えて、駅舎であることから線路からの鉄粉が舞うという、あまり条件が良くない場所に設置されています。
そこで、最終的には、高耐食性フェライト系ステンレスであるNSS445M2材が採用されています。NSS445M2材は、耐食性に優れているといわれるSUS316を凌ぐ性能を有している材料です。
さらに、加工・仕上げにより損なわれたステンレスの本来の性能を修復する不動態皮膜処理を施し、ステンレスの輝きが劣化しないように配慮しています。通常、鏡面パネルは表面が平滑なため、汚れが付着しづらく、水に流されやすいことから、不動態処理はおこないません。今回は万全を期すため不動態被膜処理が採用されましたが、処理する中で水洗して拭き取るという工程があり、その工程で鏡面に僅かなキズもつけないように、試行錯誤して最適な方法で仕上げています。

●鏡面パネル以外の技術

ハニカムパネルであることもあり、パネルの裏面と現場鉄骨との貼厚が52㎜と非常に厳しいうえに、目地が長手方向15㎜・幅方向6㎜と、現場でのレベルや位置調整がほとんどできない納まりでした。そこで、下地の形状に工夫をこらし、下地にてレベル・位置が決まるように、精密な金属加工にて製作しています。そのことで、スムーズな施工を実現させています。
ゲートボーダーの水切は、アルミの2.0㎜の加工品で、巾が890㎜とパネルに近いものです。この軒先はR曲げ加工になっていることもあり、コーナー加工の溶接は本来なら非常に技術の要するものになります。しかし、KIKUKAWAが保有する、ファイバーレーザー溶接装置で溶接することにより、溶接ビードはほそく、歪みもほとんどない綺麗な仕上がりになっています。

KIKUKAWAのテクノロジー-ファイバーレーザー溶接のページはこちら

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
ゲート天井パネル 高耐食性フェライト系ステンレス
NSS445M2
鏡面
不動態皮膜処理
ゲートボーダー水切 アルミ フッ素樹脂塗装
レーザー溶接
建物名称山陰本線 東浜駅
施主西日本旅客鉄道 株式会社
設計デザイン:浦一也デザイン研究室
実施設計:ジェイアール西日本コンサルタンツ 株式会社
施工大鉄工業 株式会社
竣工2017年
建設地鳥取県岩美郡岩美町