
物流施設のエントランス壁パネルをアルミエキスパンドメタルで製作
「エキスパンドメタル×立体形状」のユニークなデザイン壁が完成
エントランスから見たデザイン壁。シンプルな空間で存在感を放っている
●エキスパンドメタルでつくる立体形状のデザイン壁
横浜港や首都高湾岸線にもアクセス良好なエリアに、野村不動産・総合地所が共同開発する物流施設「Landport横浜福浦」が誕生しました。KIKUKAWAは、北側エントランスから入って正面に設置された、エキスパンドメタルのデザイン壁パネルを製作しています。
壁パネル全体の大きさは横3.6m×高さ4.8m。三角形のエキスパンドメタル79枚を使用し、出入り300㎜ほどの山谷を構成しています。方向によって見え方が異なるエキスパンドメタルは、このように様々な角度で取り付けることによって、表情の違いを生み出すことができます。
アルミエキスパンドメタルの仕上げは、ほどよく光沢のあるシルバーアルマイト。スチール製のフレームはシルバー色のアクリル樹脂焼付塗装で仕上げました。
●3D設計対応と組立精度向上の工夫
アルミエキスパンドメタルは、板厚2㎜・メッシュピッチ76㎜(CTKEX-D76)のパターンを使用。1枚の三角形パネルの大きさは最大で横440㎜×高さ1,700㎜ほどですが、右下のサイン部周辺はデザインの切り替わりがあり、様々なサイズの役物パネルがあります。そのためエキスパンドメタルの単品図は、切断位置や金物取付位置の寸法を細かく割り出し、精度の高い加工ができるように丁寧に作り込んでいます。
工場での組立工程では、立体的に組んだ下地枠に三角形のフレームを取り付け、さらにフレーム内にエキスパンドメタルをはめ込んでユニット化していきます。設計図面は3D-CADで作成することで寸法をより正確に把握し、組立精度の向上につなげました。特に、3㎜の目地幅を均一に保ちながらのフレームの取付が重要なポイントであったため、正確な位置出しができる専用の治具を開発して製作にあたっています。
●エキスパンドメタル建材の可能性を広げる製作技術
立体形状や多面体形状の納まりについてはこれまで多くの実績がありましたが、今回のようにそれをエキスパンドメタルで実現するのは当社としても初めての挑戦でした。製作精度をいかにして保つかという点で困難が予想されましたが、KIKUKAWAの技術やノウハウを生かし、品質の高いものを納めることができました。お客様から高評価もいただき、非常にやりがいのあるプロジェクトでした。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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北側エントランス デザイン壁 |
アルミ | エキスパンドメタル シルバーアルマイト |
建物名称 | Landport横浜福浦 |
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施主 | 野村不動産株式会社 総合地所株式会社 |
設計 | 株式会社錢高組 |
施工 | 株式会社錢高組 |
竣工 | 2023年 |
建設地 | 神奈川県横浜市 |