「ねぶたの家 ワ・ラッセ」の鋼板スクリーンルーバー
鉄に流れるような三次元的にひねった加工を施している
重防食フッ素樹脂塗装が施された超長尺鋼板の真っ赤なルーバーが印象的
●象徴的な色と動きのある鋼板スクリーンルーバー
JR青森駅の海手側に佇む、ひときわ目立つ青森市文化観光交流施設である「ねぶたの家 ワ・ラッセ」の鋼板スクリーンルーバー工事にKIKUKAWAは参画しました。
この象徴的な色と動きのあるスクリーンルーバーは、「青森ねぶた祭」の保存・伝承の拠点として、コンセプトである「ねぶたがつなぐ、街・人・こころ」を体現しています。
それらのことが認められ、一般社団法人 日本建築学会東北支部が主催する、第32回東北建築賞作品賞(2011年度)を受賞するにいたってます。これは東北地方においての建築文化や環境形成の向上に貢献し地球環境時代に相応しい優れた建築作品に対して贈られるものです。
日本建築学会東北支部:第32回東北建築賞ギャラリーページへのリンクはこちら
http://tohoku.aij.or.jp/gallery/214.html
●機能性とデザインが両立したねじれのある超長尺スクリーン
1枚1枚異なる曲線を描く超長尺のスチール板で表現したスクリーンルーバーは、建物とルーバーの間が通路になっており、夏には日蔭を作り冬には雪や風をしのいでくれる役割を果たすとともに、動線に合わせてランダムに湾曲。内部に到達する光の量や質を調整し、入口のねじれはまるで暖簾を開けて中へ招き入れるイメージを与えています。
建物を取り巻く鋼板スクリーンが、機能性とデザインを両立した構成となることで、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」により深い表情を与えています。
●超長尺鋼板に「ひねり」を加えたツイスト加工
幅300㎜、高さ12mにものぼる9㎜の鋼板によるリボン状のスクリーンルーバーは、鉄という硬い素材ながら流れるような動きのある、三次元的にひねった加工を施しています。
730本を超える鋼板ルーバーは、種類が約220種。形状や曲げ方が異なる超長尺のスチール板1枚1枚を、鍛造技術を応用し弾性範囲の実験データを積み重ねることで、ねじり加工によるナチュラルな曲線を作り出しました。
設計事務所の相談により、初期の計画段階から試行錯誤して開発した加工技術と蓄積したノウハウによって、KIKUKAWAのツイスト加工技術は、超長尺鋼板分野にて新たな扉を開くことができました。
KIKUKAWAのテクノロジー – 三次元加工技術のページはこちら
●重防食フッ素樹脂塗装の鋼板スクリーンルーバー
超長尺鋼板の真っ赤なルーバーがとても印象的な外観ですが、仕上は重防食フッ素樹脂塗装にて膜厚170μ以上を施しています。
通常のフッ素樹脂塗装は硬化剤がウレタン結合のため、特に条件の厳しい海浜地区では、紫外線や塩害の影響で塗膜が劣化していきます。対して重防食フッ素樹脂塗装は、硬化剤を無機結合に改良することにより結合エネルギーを高め、耐候性・耐塩害性・低汚染性・環境改善に優れたものとなっています。
立地が海辺で冬は雪の影響が大きく、材質が鉄であるスクリーンルーバーが、色あせることなくランドマーク的な表情を長く留めるためには、重防食フッ素樹脂塗装の採用は必然でありました。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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鋼板スクリーンルーバー | スチール | ツイスト加工 重防食フッ素樹脂塗装 |
建物名称 | 青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」 |
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施主 | 青森市 |
設計 | 株式会社 ディーディーティー 株式会社 フランク・ラ・リヴィエレ・アーキテクツ molo design ltd |
施工 | 鹿島・藤本・倉橋建設工事共同企業体 |
竣工 | 2010年 |
建設地 | 青森県青森市 |