
目地の通った外装パネル。一枚ずつ異なる模様が見て取れる。
夜間の外装ライトアップでは、漏れた光によるグラデーションで、うねりが美しく表現されている。
黄金に輝きながら木々を映し出すパネルが、エントランス空間を演出。
●最先端のデザインで魅せるゴールド色のファサード
東京・神田錦町で魅力的な開発を続ける安田不動産が、新たに展開する路面型店舗。入居する「naoto.K」は、ミシュラン一つ星を通算12回獲得した岸本直人シェフによるフレンチレストランです。KIKUKAWAは、主に外装パネル工事に参画しました。デザイン性の高いファサードは、神田警察通り沿いの視認性の高い立地で、人々の注目を集めることに貢献しています。
●緻密なデザインを具現化するレーザーカットパネル
竹中工務店のデザインによる外装パネルは、街に明かりを灯す行燈のイメージで、江戸小紋とフランスの伝統的な文様を融合しています。板厚2㎜、割付1100㎜×1100㎜、目地幅15㎜のパネルは、コンピューターを活用した最先端の設計により、約150枚(200㎡)の模様がすべて異なります。
この模様の先端については、複数種類の先端Rタイプ試作によって、最適な尖り具合を確認することで、見栄えとレーザー加工性を両立させました。

【外装パネルコーナー部
ディテール】
また、バリの出にくいアルミ材を使用し、バリの発生を防いでいます。
パネルコーナー部分は、45度方向に目地が通るよう精密な曲げ加工(右図参照)を施し、曲げパネルでありながらも、カットパネルのようなシャープさで、すっきりとした納まりになっています。
●発色のように輝くメタリック塗装仕上げ
外装パネルの仕上げは、シャンパンゴールド色のフッ素樹脂焼付塗装が採用されています。昼は鈍く落ち着いた外観。一方、夜はメタリックな質感が最大限に発揮され、庭木や街路樹のシルエットを映し出します。このように劇的に表情を変える仕上げは、特注のハイメタリック色によって実現されました。
通常外装に用いられるフッ素樹脂焼付塗装では、色味や艶の表現に限界があり、メタリックの光沢感も控えめになります。本プロジェクトでは、微妙な調色によって艶とメタリックを限界まで上げ、何度も色サンプルを製作し、お客様にご満足頂ける色を作り上げました。
●木造の中小ビル案件に挑戦
本建物は木造3階建てであり、木造中小ビル施工において、新たな知見を獲得したプロジェクトとなりました。木の下地や、窯業系サイディングボードとの取り合い部分では、金属下地とは施工性が異なるため苦労しましたが、ビスの選定から施工方法まで新たに検討することで施工性を向上させました。
●実績に基づく信頼と提案力
本プロジェクトは、「EQハウス」の施工実績をもとに、デザイン監修の竹中工務店からお引き合いを頂きました。設計段階から打合せに参画し、ディテールの検討や、幾度の試作による新たな塗装をご提案しています。このように、設計と同時に、製作面の技術的なご提案をすることで、お客様の求める品質をともに作り上げ、実現することができました。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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外装パネル | アルミ | デザインパンチング フッ素樹脂焼付塗装 |
建物名称 | 錦町2-1ビル |
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施主 | 安田不動産 株式会社 |
設計 | デザイン監修:株式会社 竹中工務店 設計:株式会社 長谷萬 内装設計:横堀建築設計事務所 株式会社 |
施工 | 株式会社 長谷萬 |
竣工 | 2021年 |
建設地 | 東京都千代田区 |