METAL ARCHITECT KIKUKAWA

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プロダクト施工事例

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大阪芸術大学アートサイエンス学科棟

大阪芸術大学アートサイエンス学科棟:講義室

講義室の壁アルミカットパネル:光輝合金発色仕上げが淡く輝いている

教員研究室の壁及び扉:化粧面と開放された扉の小口にアルミパネルを接着している

右奥が教員研究室のアルミ接着パネル:通常のアルミ材に淡く輝く処理が施されている

●KIKUKAWAの品質や実績が繋がったプロジェクト

大阪芸術大学の小高い丘の上に新設されたシンボル的校舎となる「アートサイエンス学科棟」のアルミパネル工事にKIKUKAWAは参画しました。
建築界のノーベル賞「プリツカー賞」の受賞歴がある妹島和世氏の設計による「アートサイエンス学科棟」は、なめらかな三次元曲面の3層の屋根が特徴の丘の上にふんわりと着地した印象の建物。広場をイメージした公園のような建物を理想とし、環境との調和と、内と外がつながった開放感あふれる空間を目指したデザインとなっています。
「すみだ北斎美術館」などのKIKUKAWAの仕上げ技術の品質や実績を高く評価していた妹島和世建築設計事務所より、これらのコンセプトを実現するパネルの相談を頂いたことが、本プロジェクトに加わるきっかけとなりました。

プロダクト施工事例 – すみだ北斎美術館のページはこちら

●ノウハウを活かした多種多様なサンプル提示

KIKUKAWAが相談を受けた講義室と教員研究室のアルミパネルは、当初のスペックから急遽、金属工事へ変更となった範囲であり、QCD(品質・コスト・納期)検討を並行しながら最短で行う必要がありました。
そのような中、仕様を決定するにあたり、光輝アルミ合金(A5110AP-H24)や通常の純アルミ材(A1100P-H14)を、光輝発色したものから処理方法を変えながら発色した多種多様なサンプルを提示。それに伴うコスト比較を同時に提示することで、講義室は光輝アルミ合金を、教員研究室は純アルミ材を電解研磨の上シルバー陽極酸化複合皮膜仕上げに、比較的早期に決定しました。

●同一形状のない光輝合金発色のアルミカットパネル

講義室の壁パネルは、3㎜の光輝アルミ合金を電解研磨の上、シルバー陽極酸化複合皮膜を施した、淡く輝くカットパネル。屋根同様にパネルと取り合う天井面が不規則なR形状であるため、32枚のパネルは、幅1128㎜に対して、高さは3050㎜から3793㎜の間で同じ形状はありませんでした。それでも、設計者が納得する最小目地幅6㎜の実現と、精度良く施工するために、精密な現場実測を行うことで担保しました。

●接着工法で扉だと気づかれない壁パネル

教員研究室の壁パネルは、1.5㎜のアルミ板を電解研磨の上、シルバー陽極酸化複合皮膜を施した接着パネル。W1000㎜前後の幅方向がR形状のパネルは、天井面も緩やかな斜度のある曲線で、高さ3000㎜から3600㎜の間で、やはり同形状はありません。
光輝合金発色に比べると鈍く輝くパネル部の半数以上が扉パネルですが、扉だと気づかれないFIX壁のようにしたいとの要望がありました。その実現のため、木製の下地に、壁と扉とも同じアルミパネルを接着で固定する方式が採用。扉が開いたときにみえる小口パネルと正面パネルのJOINTが突付であることも含め、より正確な実測が求められました。

●KIKUKAWAの総合力で高い評価を得る

「大阪芸術大学アートサイエンス学科棟」のアルミパネル工事は、意匠変更による短納期工事という条件のもと、営業・設計・製造・施工が一体となり、1枚1枚パネル寸法が違うなか、部材の最適化や加工の省力化などを事前に提案。納期とコストに合う手順を計画・実地することができました。現場においては、カットパネルはもちろんのこと、R面に接着させる1.5㎜のアルミパネルについては、特に慎重な取り付けを行っています。
これらの結果、歪(ひずみ)もなく高品質であると、お客様から高い評価を得ることができたプロジェクトとなりました。

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
講義室
壁カットパネル
光輝アルミ合金(A5110AP-H24)
3.0㎜
光輝合金発色:電解研磨+
シルバー陽極酸化複合皮膜
教員研究室
壁接着パネル
アルミ(A1100P-H14)
1.5㎜
電解研磨+
シルバー陽極酸化複合皮膜
建物名称大阪芸術大学アートサイエンス学科棟
施主学校法人 塚本学院
設計株式会社 妹島和世建築設計事務所
施工大成建設 株式会社
竣工2018年
建設地大阪府南河内郡河南町