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プロダクト施工事例

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大手町プレイス

大手町プレイス:東南部より

東南側からの低層部の様子:丸柱パネルが特徴的

サンクンガーデンの迫力ある丸柱パネル

イーストタワー北面:4Fまでの丸柱パネルに一体感がある

建物用途
製品用途
材質
金属加工技術
金属表面仕上

●逓信建築様式に丸柱パネルが貢献

大手町、逓信総合博物館(逓信ビル)及び旧東京国際郵便局舎跡地に再開発された「大手町プレイス」のアルミ丸柱パネル工事に、KIKUKAWAはイーストタワーとウエストタワーの両棟ともに参画しました。
「大手町プレイス」は「地域・人・時をつなぐ」の3つをコンセプトとしています。その1つ、古くからの伝統を受け継ぎ新たに昇華する「場所」として「時をつなぐ」ため、逓信建築(※1)のデザイン手法を活用。低層部を等間隔で囲う丸柱パネルは、そのコンセプトに貢献しています。

(※1)逓信建築:戦前の逓信省営繕課の官僚らによって設計された、郵便・電信・電話・電気事業の局舎などの建築物。合理主義の建築をモットーに、堅実で質高い標準設計・建築を数多く生み出した。

●長尺の丸柱パネルを細目地で実現

径の太い丸柱が、B1F~4Fまで繋がって突き抜けているイメージを実現するため、最小の目地寸法及び極力H寸法が大きなパネルとすることで、一体感を出す必要がありました。そのため、KIKUKAWAは設計事務所に対する参考図段階から本プロジェクトに協力し、実現可否を担保しました。
その結果、縦目地6㎜、最大高さ6mを超える仕様の丸柱パネルを受注。詳細のディテールや製作方法を固める前に、複数回にわたり、実物大モックアップを試作し検証しました。特に、曲面の6mの大型パネルは、塗装仕様が高温フッ素焼付塗装であったため、焼付時にパネル変形などが起こりやすく、試作段階では課題が山積みでした。それら一つ一つの課題を抽出し、問題点を改善したうえで、本プロジェクトの丸柱パネル工事を本格始動しました。

●KIKUKAWAの技術力:8mベンダー設備と取付工法開発

最大6mを超える長尺パネルをR加工するためには、KIKUKAWAが所有する「8mベンダー」は、欠かすことのできない設備です。この「8mベンダー」に、新たに導入した専用のロール装置を搭載することで、品質の安定したベンディング加工を行うことができました。
その広幅・長尺の巨大丸柱パネルを、精密かつ簡易・迅速に施工する必要がありました。その解決のため、パネル張り順の標準化と、それを引掛けるためのコマの工夫を組み合わせることで、引掛ければ自動で目地幅が決まるような取付工法を考案(※2)しています。

(※2)「丸柱構造」特許第6978052号

KIKUKAWAのテクノロジー – 8mベンダーのページはこちら

●大量の広幅・長尺のアルミ丸柱パネル工事

低層部の外周を囲う丸柱パネルは、70列以上の約6500㎡。3.0㎜のアルミ合金板(A3003P-H14)をカットパネルにて製作し、耐候性を確保するため、シルバーメタリック色の高温フッ素樹脂焼付塗装を施しています。
イーストタワー・南東部、φ1300㎜の丸柱3本を含め、φ1850㎜の丸柱パネルは4分割のディテール。基準幅1450㎜の弧を描くパネル間は6㎜の細目地で納めています。
長手方向は、階層が分かれている3F(約6m)と4F(約3.5m)は一本物で、丸柱が連なっている1・2F(約12m)は2段で構成。ウエストタワー・サンクンガーデンとイーストタワー・内部エントランスの18m以上の吹抜けに対しては、6m超のパネル3段で納めています。
一見同じ丸柱パネルが大量にあるようにみえて、エキスパン・ジョイント部を始めとした様々な取合があるため、多岐に渡り切欠が発生し、役物パネルが多いことも特徴の一つでした。

●丸柱パネルの品質と生産性向上を両立するために

モックアップ試作で抽出した課題のうち、塗装時のパネル変形を解決するため、塗装用専用冶具を製作。塗装業者と協議して、前処理用と塗装用の専用架台をそれぞれ考案し、品質確保と作業性向上を図りました。
フレームAL形材のR加工では、僅かな製作上の誤差が目地にバラつきを生じさせるため、ロール加工に工夫をこらすことで、精度を確保しています。
外周に沿った狭い空間で大きな製品を効率よく取付するためには、綿密な施工計画と的確な搬入指示を実施。本プロジェクトの丸柱パネルは、ある意味箇所ものと言っていいほど取合の多い製品のため、特に他業者との密な調整が必要不可欠でした。

●顧客要求の実現が新たなノウハウになる

「大手町プレイス」のアルミ丸柱パネルは、お客様より「特に吹抜け部の18mの丸柱パネルは一体感があり迫力がある」という講評をいただきました。このことは、デザイン要求である細目地・長尺を追求した結果であると自負しています。
その追求が、取付職人からも大好評を得た新たな丸柱パネル工法を生み出すことになり、この工法を活かしたセミオーダー品「丸柱パネル」の開発にも大きく寄与することになりました。

KCT02「丸柱パネル」についてはこちら

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
低層
丸柱カットパネル
アルミ合金
(A3003P-H14)
フッ素樹脂高温焼付塗装
(メタリック)
建物名称大手町プレイス
施主ウエストタワー:NTT都市開発 株式会社
イーストタワー:独立行政法人 都市再生機構
設計ウエストタワー設計・監理:株式会社 日本設計
イーストタワー設計:株式会社 大林組
イーストタワー監理:日本設計・NTTファシリティーズ共同企業体
施工ウエストタワー:株式会社 竹中工務店
イーストタワー:株式会社 大林組
竣工2018年
建設地東京都千代田区