島津製作所W10号館:右手エントランスのガラス・スクリーン枠はSUSのPHL(バイブレーション)仕上げ
島津製作所W10号館エントランス内部:右手のマリオンは7.5mを突き付けジョイントで構成している
島津製作所W10号館の夜間エントランス:すっきりしたSUS枠と風除室屋根が開放的な空間を演出している
●開かれた空間を演出するガラス・スクリーン枠
京都に本社機能を有する工場を持つ「株式会社 島津製作所」。その敷地内の既存社屋に隣接する、社内外の技術融合と研究開発のスピードアップを図る新拠点「W10号館 ヘルスケアR&Dセンター」のステンレス・スクリーン枠工事にKIKUKAWAは参画しました。
人々の交流・共創の場をコンセプトとする建物の1階は、オープンイノベーションの場「共創ラボ」と共同研究の場となる「協働ラボ」から構成される「KYOLABS」を配置。その「KYOLABS」へと続くエントランスのガラス・スクリーン枠や風除室などの金属製品は、その開かれた空間を演出するのに貢献しています。
●シャープで統一感のあるステンレス・スクリーン枠
エントランスを覆うガラス・スクリーン枠は、PHL(バイブレーション)仕上げのステンレス製。23本あるH7.5mのマリオンは、SUS1.5㎜を角出し曲げ加工にて、見附65㎜、見込250㎜に製作し、風除室の屋根レベルで突き付けジョイントにて納めています。
上枠はW120㎜×H65㎜、巾木はW84㎜×H85㎜(見えがかり)と、すっきりした枠で構成。コーナー部や無目、風除室スクリーンなどは、方立と同じ見附65㎜でデザインされており、全体的に統一感をもたせています。
●一体感のある風除室のアルミパネル
8.4m×3.6mの風除室の屋根と天井パネルは、フッ素樹脂焼付塗装を施したアルミ製。屋根パネルは2㎜の曲げパネル、天井パネルは3㎜のカットパネルで構成しています。
両方とも、中央部の基準割付は900㎜×1990㎜。天井パネルは、自動ドア用の点検口機能付パネルやダウンライトの穴明けなど、機能性を兼ねた製品となっています。
また、内部側の幕板パネルは、SUS製のPHL(バイブレーション)仕上げ。他の三方は、SUSスクリーンの無目と取り合い、ガラス・スクリーン枠と一体感をもたせています。
●機能と意匠を両立する設計
吹抜けとなっているエントランスのマリオンは、ガラスを支える重要な役割を担っています。そのため、風圧を含めた荷重を計算したうえで、デザインに合わせた下地構成もKIKUKAWAが設計しました。その下地にステンレス板をカバーした方立は、機能を満たす洗練された意匠となっています。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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エントランス ガラススクリーン枠 |
ステンレス | PHL 角出し曲げ |
風除室 屋根・天井パネル |
アルミ | フッ素樹脂焼付塗装 |
建物名称 | 島津製作所 W10号館 ヘルスケアR&Dセンター |
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施主 | 株式会社 島津製作所 |
設計 | 清水建設・NTTファシリティーズ設計企業共同体 |
施工 | 清水建設・太平工業共同企業体 |
竣工 | 2019年 |
建設地 | 京都府京都市中央区 |