香料メーカー社屋のファサードをデザインパンチングパネルで製作
白のフッ素樹脂塗装を施した、「香り」を表現するアルミパンチングパネル
ブルーやピンクなど色のついた光でパンチング模様が浮かび上がり、優しい香りのイメージを演出
●「香り」をイメージしたデザインパンチングファサード
創業200年以上の歴史を持つ老舗香料メーカー「塩野香料」。食品や化粧品などに使われる様々な香りを開発・製造しています。今回、神田にある東京支店の新社屋建設に、ファサードのデザインパンチングパネルの施工で参画しました。
香料メーカーということで、ファサードデザインは香りが浮遊するイメージ。「香りの分子が揮発していく様子を表現したい」とのご要望に、KIKUKAWAの繊細なデザインパンチング技術でお応えしています。
●ライティングにより模様が浮かび上がるアルミパンチングパネル
板厚3㎜のアルミ曲げパネル21枚で構成したファサード。約W960㎜×H4,000㎜を基準サイズとするパネルには、下部から上部に向かって少しずつ密度が小さくなるデザインで、香りの分子に見立てた直径25㎜の丸穴パンチングが施されています。仕上げはデザインパンチングを引き立たせるシンプルな白のフッ素樹脂焼付塗装。カラフルな光による下からのライティングにより、香りが湧き立つイメージがより鮮やかに浮かび上がります。
●パンチングのデザインを実現する加工技術と納まり
カットパネルの場合だと、四周に取り付けるフレームによって穴が隠れてしまうため、パネル端部まではパンチング加工ができません。そこで、フレームの不要な曲げパネルにすることで、パネル端部ギリギリまでパンチングが施せるようにしました。一方、曲げパネルとしたことで、曲げ加工の影響でパンチングの穴が変形する可能性が考えられたため、事前の試作でパンチングが綺麗に仕上がる最適な寸法を導き出し、図面や製作に反映させています。
また、パネル納まりは引掛け式を採用することで幅5㎜の細目地とし、ライティングの際に光が目地の隙間から漏れないような配慮もしています。このような加工や納まりの工夫によって、パンチング模様が滑らかに連続するファサードデザインを実現しました。
●こだわりの意匠を金属加工で形にする
新社屋の顔となる重要な施工箇所をお任せいただいた本プロジェクト。施工についても、配管や外構など他工事が進行する中でどのように4mの長物パネルの保管・移動・取付を行っていくか、現場と密にコミュニケーションを取りながら進めていきました。
設計者様が特にこだわっていたパンチングのデザインとライティング時の見え方において、加工上の制約や注意点を考慮しながら意匠を形にすることができました。オーナー様にも「イメージを具体化できた」と大変喜んでいただいております。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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ファサード デザインパンチングパネル |
アルミ | デザインパンチング フッ素樹脂焼付塗装 |
建物名称 | 塩野香料株式会社 東京社屋「s+park」 |
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施主 | 塩野香料株式会社 |
設計 | 髙松建設株式会社 |
施工 | 髙松建設株式会社 |
竣工 | 2023年 |
建設地 | 東京都千代田区 |