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プロダクト施工事例

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高輪ゲートウェイ駅

上方からの高輪ゲートウェイ駅の様子
白い折り紙がモチーフである大屋根に走る長線にSUS製の樋・笠木・水切が施工されている

左上:デッキ側面のスチール製幕板パネルとその下部のアルミ製丸柱パネル
右上:改札屋根下部のステンレス製軒天井パネル
左下:デッキ階段中央のスチール製手摺
右下:女子トイレ壁のステンレス製鏡面パネル

夜間の様子
内部照明により淡く光る膜屋根に対し横に走る影部分にSUS金属製品が納められている

建物用途
製品用途
材質
金属加工技術
金属表面仕上

●幾何学的な形状に対応した金属工事

『グローバルゲートウェイ品川』をコンセプトとする街づくりにおいて『エキマチ一体』の開発を実現するために設置された新駅「高輪ゲートウェイ駅」。その国際交流拠点の玄関口として“和”を感じられる大屋根のステンレス製品をはじめとした金属工事に、KIKUKAWAは参画しました。
白い折り紙がモチーフである大屋根の幾何学的な形状は、雨水を流す適正な勾配を確保しながら、屋根頂部を突出させない、やさしい形態を目指してシミュレーションを重ねたもの。その計算されたデザインの根幹の1つを支える、樋・笠木・水切工事などにおいて、KIKUKAWAは貢献しました。

●先進的な3D-CADの活用と丁寧な実測による正確な作図

高輪ゲートウェイ駅

【SUS製品は赤線で囲っている部分に納めている】

メインとなる大屋根の膜を支える鉄骨は、高い施工精度と品質が求められていたため、施工者である共同企業体は、当初よりBIMを用いた検証を行っていました。
KIKUKAWAは、業界に先駆けて3次元CADを導入し、BIMに対応する体制を整えています。その設計技術にて諸課題を解決できるものと営業活動をしたところ、膜屋根と接続する樋及びその廻りの金属工事を請け負うに至りました。
もちろん、設計打合せは3Dデータを活用。膜工事と当社該当工事のデータを鉄骨3Dに重ね、干渉や穴が空かないかなどの検証を緻密に行いました。また、5タイプの大屋根各セクションのモックアップを共同企業体とともに実施。詳細部の検討や排水実験などを通じ、ディテールを決定していきました。
計画も含めた打ち合わせの間、3列の樋だけで300m以上になる施工箇所の膜屋根鉄骨を全て現場実測。鉄骨が樋に対して交錯する複雑な箇所は、特別なゲージを作って対応するなど、正確なデータにて製作を進めるように作図しました。

高輪ゲートウェイ駅

【大屋根線路側の水切・樋・笠木】

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●大屋根の機能と意匠を確保するステンレス製品

大屋根の樋及び笠木・水切・幕板などの金属製品は基本1.5㎜のステンレス曲げ加工品。内部からも見えることから、基本的には両面可視部扱いで、下地も含め白系統のフッ素樹脂焼付塗装で仕上げています。
W400㎜の樋は、水密を確保するため全て現場溶接でジョイント。そのため、割付は6mと長いものとしています。
樋に接続する水切は、屋根の複雑な形状と水勾配のために、その立ち上り寸法は全て異なり、同一形状はほぼありませんでした。
頂部の笠木は、メンテナンスパイプと一体となった三角の山形形状。線路側の屋根端部、W430㎜の笠木は、3㎜の切板形状となっています。

●アルミ・ステンレス・スチール製品を納品

大屋根のステンレス工事以外では、例えばデッキ側面の幕板パネルとその下部の円柱パネルを施工しました。330㎡ある幕板パネルは、基準800㎜×2000㎜、板厚1.2㎜のスチール曲げ加工品。φ1.4m×H4.9mの円柱パネル9本は、板厚2㎜のアルミ曲げ加工品です。いずれも、グレー系のフッ素樹脂焼付塗装を施しています。
そのほかにも、改札屋根の樋・水切及び軒天井パネル、デッキ階段手摺、便所のSUS鏡面パネルなど、アルミ・ステンレス・スチールと材質にかかわらず納めています。

●品質・対応力・製品に対して高い評価を頂く

3Dデータを駆使した緻密な打合せ、大屋根工事における全数実測などの対応をした結果、役物だらけの複雑な製品にも関わらず再製作0を達成。品質・対応力・製品に対して、お客様より高い評価を頂くことができました。
また、女子トイレのカウンターに面するステンレス鏡面鏡は、その平滑度と映像の歪みのなさから、デザインアーキテクトの隈先生から絶賛されるなどのこともありました。
2020年に竣工した「高輪ゲートウェイ駅」は、工事計画の協力を含めると2015年から対応しており、約5年も関わったビッグプロジェクト。大屋根の樋工事は、真夏の暑い時期に現場溶接作業をするなど多くの苦労もありましたが、ノウハウの積み重ねと技術の進歩を促すことができ、意義のある経験となりました。

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
大屋根
樋・笠木・水切・幕板
ステンレス フッ素樹脂焼付塗装(樋は2B)
3D CAD(BIM対応)
暫定デッキ 幕板パネル:スチール
円柱パネル:アルミ
フッ素樹脂焼付塗装
その他金属工事 改札屋根軒天パネル・トイレ鏡面パネル:ステンレス
デッキ階段手摺:スチール
フッ素樹脂焼付塗装
(トイレ除く)
建物名称高輪ゲートウェイ駅
施主東日本旅客鉄道 株式会社
設計設計・監理:株式会社 JR東日本建築設計
デザインアーキテクト:株式会社 隈研吾建築都市設計事務所
施工品川新駅(仮称)新設工事共同企業体(大林・鉄建 建設共同企業体)
竣工2020年
建設地東京都港区