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2022年5月18日

ニュースリリース

変色のない真鍮材のレーザー溶接に成功

KIKUKAWAは下記内容のニュースレターを配信しました。

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2022.5.18 Kikukawa News Letter (Brass Welding)


変色のない真鍮材のレーザー溶接に成功
技術開発チームが新たな溶接手法を開発


建築物の金属製内外装工事を手がける菊川工業株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:宇津野嘉彦、以下菊川)は、この度、溶接の熱による変色を限りなく抑えた真鍮材*のレーザー溶接に、初めて成功したことをお知らせいたします。

真鍮材の溶接において、従来の溶接方法では溶接部の変色が課題でした。そこで、溶接部に加えるワイヤの構成成分の調節や、レーザー溶接の出力の調節などの工夫により、新たな溶接手法を開発。その結果、溶接による変色を抑えることができました。

母材部と溶接部の色を色彩計で比較したところ、今回開発したレーザー溶接手法での色差はΔE**0.81(一致度91.6%)と、従来のTIG溶接手法での色差と比べて3分の1以下の値に抑えることができています。

左:新開発手法でのレーザー溶接 右:従来のTIG溶接(どちらも溶接後にHL仕上げ)
従来品は溶接跡が変色しているが、新開発手法では中央の溶接跡がほとんど目立たない。

■ 溶接技術開発の経緯

菊川では、レーザー溶接などの最新技術をどのように製品に活用していくかを検討する技術開発チームを設置しています。溶接時の変色に課題のあった銅合金の溶接について、これまで約3年間にわたり検証や分析を重ねてきました。その中で、溶接の熱による真鍮の構成成分の割合の変化が変色の要因であることを突き止めました。様々な解決策を検討・実施した結果、今回、変色のないレーザー溶接の成功に至りました。

今後の展望

今回開発した技術によって、これまで断念せざるを得なかった、化粧面での溶接を必要とする真鍮建材について、実現可能な製作方法を顧客に提案できるようになりました。今後も継続的な技術開発によって顧客の様々な要望に応えていくとともに、メタルワークのリーディングカンパニーとして、金属加工の可能性を模索してまいります。

*真鍮:銅60~70%、亜鉛30~40%で構成された銅合金。今回はより金色に近いC2600を母材として使用。
**ΔE(デルタイー):色空間での距離により、2つの色の差を数値で示したもの。ΔE0.8~1.6程度で、隣接比較でわずかに色差が感じられるレベルとされている。菊川ではΔE1.0以下を社内検査での許容値としている。

■ 本件に関するお問い合わせ

菊川工業株式会社 広報室Webチーム
TEL:047-492-0144
ホームページよりお問い合わせはこちら