2020年5月26日
木洩れ日も演出するアートパンチングファサード
KIKUKAWAのパンチング技術は、アートファサードを含む多種多様なデザインを実現します。
保有する設備や金型の多様性や汎用性、レーザーカットや職人による手加工など加工方法の選択肢の多さや柔軟性、それらを効率的な方法で組み合わせる設計をはじめとした総合力にて、様々な要望にお応えします。
今回ご紹介するのは、JR京葉線「新習志野駅」南口のファサード改修工事。JR東日本千葉支社では、京葉線沿線価値向上を目的として『京葉ベイサイドラインプロジェクト』に取り組んでいます。 本プロジェクトは、その一環として新習志野駅の既存防風スクリーンを再生したものであり、地元の千葉工業大学と連携して進められました。
デザインモチーフは、地域の特性を活かすため、駅周辺の自然環境を表象する要素である木々のシルエット。そのシルエットを、パンチング加工などによる金属製品で表現したいとの要望に、KIKUKAWAはお応えしました。
屏風のような意匠のファサードは、W8.4m×H5.7mの軽量で耐食性の高い3㎜のアルミ合金製。谷山の頂点に突き付け目地をとった10枚の台形の曲げパネルで構成しています。奥行き600㎜、幅700㎜から1200㎜の台形パネルは、交互に上下底の長短を入れ替えることで、谷山が斜めに走る独特な表情を演出しています。
その立体的なファサードに、9本の 木々 を、計算された丸穴パンチングでシルエットを表出。亜麻色(薄い栗色)の仕上げは、フッ素樹脂焼付塗装を採用しています。
ツリーは、2種類の金属加工技術を併用しています。基準部は、パンチングにてφ35㎜とφ22㎜と2つの金型による丸孔加工。エッジ部はレーザーカットにて1つ1つ形状の違う半月型に加工しました。これは、木のシルエットをシャープに見せたいというデザイン面でのお客様のこだわりを実現するためで、半月の直線部分がラインをくっきりと表現しています。
また、デザイン段階では解析しきれなかった駅構内へ漏れる陽の光についても、設計者が切望していた木の形状での演出ができ、お客様に大変満足していただくことができました。
W4300㎜×H1050㎜のサインパネルは、2.5㎜のアルミ曲げ加工品。いずれもフッ素樹脂焼付塗装の、パネル部は木目調塗装を、文字部は指定色にて仕上げています。
「新習志野駅南口ファサード改修工事」は、ファサード・インテリア部門の受注形態の1つであるOSS(One Stop Solution)システム*にて、サイン工事も請け負いました。
それに加え、本プロジェクトのような木洩れ日の検証・検討など、製品そのもの以外のご相談にも対応します。これまでも、パネルに映り込む映像検証、照明の映り込みや夜間の表情の検討などにも応じた実績があります。
ご相談やお困りのことがありましたら、ぜひ一度お問い合わせください。
* OSSシステムは、KIKUKAWAの強みである設計から一貫した施工体制を基とし、ガラスや石など金属以外の様々な素材を含めて一括受注する仕組み。詳しくは下記をご覧ください。
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