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先端技術の研究開発で「一品物」の椅子を製作

2019年5月22日

ニュースリリース

桑沢デザイン研究所×菊川工業
先端技術の研究開発で「一品物」の椅子を製作

KIKUKAWAは下記内容のニュースレターを配信しました。

PDF版はこちら
2019.05.22 Kikukawa News Letter (Kuwasawa Design School, Incremental Forming Chair)

椅子のデザイナー「大松俊紀」様のホームページは、こちら
https://www.toshikiomatsu.com/

「桑沢デザイン研究所」については、こちら
http://www.kds.ac.jp/


桑沢デザイン研究所とコラボレーション
先端技術の研究開発で「一品物」の椅子を製作


建築物の金属製内外装工事を手がける菊川工業株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:宇津野嘉彦、以下菊川)は、デザインの専門学校である桑沢デザイン研究所の専任講師、大松俊紀氏との協働により「一品物」の椅子「Shades of Michelangelo」を製作しました。
トップデザイナーとのコラボレーションによるこの度の製作は、長尺や広幅・特殊形状などの大型・特殊金属建材を得意とする菊川には珍しい試みでした。菊川の金属加工における先端技術研究の成果としてご紹介します。

■金型不要の成型技術を採用

使用した先端技術「インクリメンタルフォーミング」は、金型不要な成形加工技術で、従来(金型を必要とする)工法に比べ、より安価で短期な少量多品種の生産を可能にします。
このプロジェクトは、菊川がインテリア部門を強化する中で、デザイナーからのご相談により実現しました。今後は家具サイズの製品やオブジェの製作への転用も視野に、技術の研究開発や製品製作を進めていきます。

新椅子「Shades of Michelangelo」

新椅子「Shades of Michelangelo」

ひとつの疑問から出発した「一品物」の椅子Shades of Michelangelo

椅子を設計した大松氏によると、今回の新しい椅子のデザインは、一つの疑問から出発したとのこと。
背板を座面に対して90度にすると座り心地が良くないが、
もし直角の背板を人の背中が押し出すように変形したら、椅子の座り心地はどうなるだろうか?
出来上がった椅子「Shades of Michelangelo」は、楕円上の背板を板厚3mmのアルミで成形し、その全体構造は木製の脚部分と一体化した貫なしのシンプルなデザイン。台座部分の一部仕上げを変えることで、さらなる深みを演出しています。
技術的な難しさは、一枚物で、楕円という非対称的な形状の成形を背板の縁まで行うこと、そして、R部分と平らな部分の境界線を明確にすることに起因していました。これらの課題は、デザイナーと共に創意工夫を重ね、菊川の多種金属及びオーダーメイド対応のノウハウを駆使することで、克服することが出来ました。
「Shades of Michelangelo」は、桑沢デザイン研究所内で2020年4月から一般展示予定です。

■椅子 設計担当者のコメント

通常、我々デザイナーは単品や少数生産品をデザインすることが多く、その際に「型」が必要なデザインはすぐに諦める傾向にあります。ですので、インクリメンタルフォーミングの技術により、家具デザインの可能性は大きく広がると思います。今回の試行錯誤により、同技術の限界も感じたので今後の技術開発へ期待が高まります。
桑沢デザイン研究所 スペースデザイン分野責任者 大松俊紀

■「インクリメンタルフォーミング」について

インクリメンタルフォーミングは、1990年代より日本を中心に研究が進められている成形加工技術で、最大の特長は金型が不要であること。そのため、従来(型を必要とした)製品形状の少量生産をより安く短期間で対応することが可能となりました。
菊川では、デザイナーの選択肢を広げる同技術を2016年から製品製作に導入しており、現在も日々、技術研究や設備機能拡張を随時行うことで、活用法を広げています。
また同技術はステンレス・アルミニウム合金・銅合金に適用することが出来るため、従来の菊川の幅広い金属への対応力を強化します。

KIKUKAWAのテクノロジー -「インクリメンタルフォーミング」は、こちら

インクリメンタルフォーミングを施していく様子

インクリメンタルフォーミングを施していく様子

■桑沢デザイン研究所 概要

1954年にデザイン・ジャーナリスト桑澤洋子氏によって設立された、日本最初のデザイン専門学校。バウハウス思想を継承し、スペース(建築・インテリア・家具)、プロダクト、ファッション、ヴィジュアル(グラフィック)の4つのコースで、あらゆる角度からデザインを学ぶことが出来ます。現在の所長は、アートディレクター・グラフィックデザイナーの浅葉克己氏。
大松俊紀氏は、その中でもスペースデザイン分野の専任講師及び分野責任者として、そして自身のアトリエ「大松俊紀アトリエ」の代表としても活躍されています。

■本件に関するお問い合わせ

菊川工業株式会社 広報室Webチーム
TEL:047-492-0144
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