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旧エイベックスビル(レセプション・カウンター)

エイベックスビル:レセプションカウンター1

三次元加工されているレセプションカウンター:細目地で納められたパネルが、流麗に「a」を描いている

「a」型レセプションカウンター:SUSのメタル感とPHLの落ち着きが調和している

エントランス前の広場からも「a」型レセプションカウンターがシンボル的にみることができる

●モニュメント的な三次元立体形状「a」カウンター

青山に新築された「エイベックスビル」。その新本社ビルの顔となる、ブランドロゴ型立体受付カウンター工事に、KIKUKAWAは携わりました。
立体的に奥行きがある文字に、リニューアルされた「a」型のブランドロゴのデザインをそのまま使ったカウンター。彫刻的な美しさと機能の両立、そして高揚感あふれる場を演出するというデザイナーの意図を実現するために、複雑な三次元立体形状がどのような方法と手順で製作できるのかを、クライアントとKIKUKAWAの設計・製造部門と検討することからスタートしました。

●ねじれながら断面を変形させる三次元曲面カウンター

「a」型のレセプションカウンターは、高さ3.6m、幅4.8m、奥行き4.3mのビッグサイズ。エイベックスのブランドロゴ同様、「a」を描く四角形のチューブが、断面を変形させながらねじれる三次元製品です。その上、全て形状の違う40枚の三次元曲面パネルを、シームレスに繋がったように見せたいとのデザイナーからの要望で、パネルジョイントは3㎜を採用しています。
仕上げはステンレス材にPHL(バイブレーション)を施しており、メタルによる未来感を出しながらも、落ち着いた雰囲気のカウンターとなっています。

●KIKUKAWAの3D-CAD技術

本プロジェクトにおいて、KIKUKAWAの設計技術、とりわけ3D-CAD技術を駆使して対応しています。
デザイン要求と受付カウンターの機能を満たすために、技術提案を認めていただきながら、3D設計にて最適な形状となるように検討。最終的には、3Dプリンターで模型を製作し、デザイナーへ意匠確認を行ないました。
意匠確定後は、化粧パネル、フレーム、下地鉄骨まで、全ての3Dモデルを作成。その3Dモデルを基に部材の製作寸法、現場での取付寸法を算出しています。下地鉄骨に関しては、化粧面に合わせた寸法に調整しながら、3D-CADにて立体のトラス形状を作成。その3Dモデルを利用して構造解析を行うことで、強度の検証も行なっています。

●職人技やノウハウと新たな工夫を凝らした三次元加工

「a」型の立体受付カウンターの製作は、三次元Rの形状がフレーム・パネルともそれぞれ違うため、難航を極めました。そのような中、必要に応じて一枚一枚、作り方を変えることで柔軟に対応。組立架台も、水平位置や寸法押えを確保する方策を講じ、部材ごとのゲージを不要とする工夫をすることで、QCD(品質・コスト・納期)を確保しました。
さらにQCDを確保するため、材料の段階でPHL(バイブレーション)を施されたものを加工する工程にて製作。キズなどを極力つけることなく加工するには困難が伴いましたが、これまで培った三次元加工のノウハウや加工技術、経験に裏打ちされた職人技、溶接技術とそれを仕上げる技術を集結させ、一丸となって取り組むことで解決しました。

KIKUKAWAのテクノロジー-三次元加工技術のページはこちら

●設計・工場・施工、三位一体の取付

「a」型のレセプションカウンターは、面が自由曲線を描いているサイコロのようなもので、位置出しをはじめ納めるのが非常に難しい製品です。
今までにない手法として、工場で使用した定盤を現場に搬入し製品のアウトラインを確定。詳細な位置出しや形状確認は、常駐した設計担当がリアルタイムに、持ちこんだ3D-CADにて算出して行いました。
それでも、3㎜の細目地でパネルをきれいに取り付けるためには、現場で調整することが必要であり、製品に関しては工場の職人が、施工に関しては取付職人が、創意工夫と技術をもって対応しました。
限られた納期の中、これら現場における設計・工場・施工の三位一体の体制のもと、無事に良品を納めることができました。

●KIKUKAWA史上最難度の三次元加工製品

本プロジェクトにおける「a」型の立体受付カウンターは、KIKUKAWA史上、最難度の三次元加工パネルの1つであるといっても過言ではなく、作図や施工においても同様でした。
クライアントからの工程や品質の要求が厳しいなか、設計から施工までのKIKUKAWAの総合力を発揮することで、要望に応えた製品を納品。最終的に、クライアントより満足の声を頂戴することができました。

デザインを担当された、さまざまな空間の設計を行っている「DAIKEI MILLS」。こちらのサイトに、本プロジェクトの金属加工業者としてKIKUKAWAが紹介されています。
http://daikeimills.com/projects/avex/

【ピロティを中心とした金属工事に関しては、下記リンクをご参照ください。】
プロダクト施工事例 – エイベックスビル

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
レセプションカウンター ステンレス 三次元加工
PHL
建物名称旧エイベックスビル(レセプション・カウンター)
施主エイベックス 株式会社
設計DAIKEI MILLS
施工株式会社 乃村工藝社
竣工2017年
建設地東京都港区