デザイナーズマンションの外装に採用された光輝合金パネル。昼夜で見え方が変化する。
光輝合金発色の北面外装(左)とシルバーアルマイト艶消しの南面外装(右)
人通りの有無や太陽光の当たり方などによって最適な光沢度合いを選択できる。
内部エレベーターホール:シルキーブラスト仕上げのステンレス壁パネル
●都内マンションの内外装金属パネルを施工
東京・中央区の隅田川ほど近くに建つ「COMFY COLLECTION MINATO(コンフィコレクションミナト)」。「本当に心地よい住まい」を追求した10階建てのデザイナーズマンションです。KIKUKAWAは、それぞれ材質や仕上げの異なる内外装3種類の金属パネルを施工しました。
●シルバーアルマイトと光輝合金発色の外装パネル
建物の正面となる北面外装は、約180㎡のアルミ光輝合金発色パネル。光輝アルミ合金という特殊なアルミ材に、研磨やアルマイト処理を施すことでさらに輝きを高めた仕上げです。周囲の景観の色味を淡く映し込むような柔らかい輝きが特長で、天候や時間帯によってもその表情が変化します。
反対の南面外装は、通常のアルミ材にシルバーアルマイト+艶消し電着クリアを施したパネル。こちらは、北面の光輝合金発色と色味は同じシルバーですが、光沢を抑えマットで落ち着いた仕上がりとなっています。
●外装アルミパネルは外断熱工法にも対応
北面・南面とも、基準パネルサイズは約W1,100㎜×H2,800㎜。板厚3㎜のカットパネルで納めています。基本は目地幅12~15㎜の一般的なビス留め納まりですが、左右の端部パネルは引っ掛け式納まりも取り入れ、すっきりとした外観を実現しました。
また今回は、躯体と外装パネルとの間に断熱材が入る外断熱工法であることも考慮した上で、パネル下地を検討しています。
●シルキーブラスト仕上げのステンレス壁パネル
内装では、各階エレベーターホールの壁パネルを製作。こちらは、3㎜厚ステンレスカットパネルのシルキーブラスト仕上げです。板の表面に無数の細かい粒子を当てる表面処理で、HL研磨などとはまた違った、きめ細かく滑らかな光沢があります。
2~10階はエレベーターボタン下に点検口を設けた壁パネルですが、1階は他の階とは納まりが異なります。内包する設備の多い1階のみ、パネル全面を扉にし、ワンタッチで開閉可能な仕様としました。意匠だけでなく、機能面もお客様のご希望に応じて場合分けした設計対応をおこなっています。
●金属パネルならではの高級感ある仕上がり
金属パネルと一口に言っても、このように用途や表現したいイメージによって様々な材質や仕上げを使い分けます。特に今回ご採用いただいたパネルはどれも、それぞれの素材がもつメタル感を生かした仕上げとなっています。金属パネルならではの高級感で、上質な住空間づくりに貢献することができました。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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北面外装パネル | 光輝アルミ合金 | 光輝合金発色 (電解研磨+ シルバーアルマイト) |
南面外装パネル | アルミ | シルバーアルマイト +艶消し電着クリア |
エレベーターホール 壁パネル |
ステンレス | シルキーブラスト |
建物名称 | COMFY COLLECTION MINATO(コンフィコレクションミナト) |
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施主 | トゥループロパティマネジメント株式会社 |
設計 | 株式会社 黒川智之建築設計事務所 |
施工 | 株式会社 守谷商会 |
竣工 | 2023年 |
建設地 | 東京都中央区 |