ONE札幌ステーションタワーのエントランス。アルミ製デザイン天井を施工。
パネルごとに異なるR加工を施したデザインパンチング天井。扉前に設置の集合玄関機も当社にて加工。
ラウンジのデザイン壁は、外からの光がパンチングのダブルパネルを通して木漏れ日のように入ってくる。
●ダブルパネル仕様のデザインパンチング
北海道・札幌駅北口の再開発エリアに、駅直結、道内最高層(2024年6月時点)を誇る地上48階建てタワーマンション「ONE札幌ステーションタワー」が完成しました。KIKUKAWAはエントランス天井と1Fラウンジ壁のデザインパンチングパネルの製作を担当しています。
雪の結晶をモチーフにした白塗装のパネルは、大小様々な大きさの楕円パンチングがランダムに並ぶ独創的なデザイン。パネルを2枚重ねたダブルパネル仕様になっており、異なるパンチング模様の重なりが新たな表情を生み出す、魅力的な空間となっています。
●レーザーパンチング×R形状のデザイン天井
エントランス外部から風除室にかけ約13.7mにわたって連なるのが、ウェーブ形状のデザイン天井。レーザーでデザインパンチングを施したアルミ3㎜厚のカットパネルを、2枚重ねで取り付けています。調達可能な材料サイズとパネル割付との兼ね合いに当初から気を配って設計にあたりました。R形状ということで、早期に3D図を作成して割付を検討し、その後のパンチング意匠の落とし込みなどをスムーズに進めています。
パネルサイズは縦1,100~1,600㎜×横3,900~4,200㎜。KIKUKAWAは、幅2,000㎜×長さ6,100㎜まで加工可能な大型レーザー切断機を保有しているため、今回のような大型のデザインパンチングパネルの製作が可能です。レーザーカット後に、全体意匠に合わせて各パネル異なるR曲げを施しています。事前の検討会や先行試作、工場での建込検査を通して、取付に向けての改善点を都度図面に反映させました。
各金属加工技術について、詳しくはこちら
KIKUKAWAのテクノロジー – パンチング技術
KIKUKAWAのテクノロジー – 板金曲げ技術
●両面塗装仕上げのパンチングパネルが空間演出
エントランスを抜けた1階ラウンジの窓際にも、同デザインの壁パネルを施工。パンチングを通して外の光が差し込み、空間に快適な明るさをもたらします。同じく2枚重ねのアルミカットパネルで、サイズは最大で約W1,200×H3,000㎜。ラウンジ奥の高さ8mの吹き抜け空間は、床から天井まで壁一面にデザインパンチングパネルが取り付けられています。
R天井と壁パネル合わせておよそ90枚のパネルは、白色のフッ素樹脂焼付塗装仕上げ。今回は大きめのパンチングデザインという性質上、パネル裏面や下地フレーム、固定用のビスまで含めて全て化粧仕上げとする必要があったため、塗装管理が重要なプロジェクトでした。
また、建設地が北海道と遠方のため、Webミーティングやメールといったオンラインツールを活用したほか、現場までの長距離輸送方法についても関係者間で協議を重ねました。施工効率を考えた設計・組立作業により、現場でも大きな問題なく取り付けを完了させています。
●斬新なデザインを可能にする大型設備と加工技術
開口の大きなデザインパンチングでR形状を表現する本プロジェクト。デザインの自由度を高める大型レーザーと、3D設計技術やR加工技術といった、KIKUKAWAが得意とする複数の技術・保有設備を掛け合わせて製作しました。他にはないダイナミックなデザインの実現に携われたことは当社としても光栄ですし、お客様からも素晴らしいとご評価いただいています。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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エントランス天井パネル ラウンジ壁パネル |
アルミ | デザインパンチング フッ素樹脂焼付塗装 |
建物名称 | ONE札幌ステーションタワー |
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施主 | 施主:札幌駅北口8・1地区市街地再開発組合 売主:大和ハウス工業株式会社、住友不動産株式会社、東急不動産株式会社、株式会社NIPPO |
設計 | 設計:大成建設株式会社一級建築士事務所 共用部デザイン監修:KOTARO HORIUCHI株式会社 |
施工 | 大成建設・伊藤組土建・スターツCAM共同企業体 |
竣工 | 2024年 |
建設地 | 北海道札幌市 |