●高品質グレードの金属製品を求められる

東京メトロ「三越前」駅とJR「新日本橋」駅に直結して建設された「OVOL（オヴォール）日本橋ビル」の金属工事に、KIKUKAWAは参画しています。
オフィス・商業店舗と上層部のホテルからなる複合物件「OVOL日本橋ビル」は、日本橋再生計画（※）第2ステージにおける重要なプロジェクトと位置づけられ、日本橋エリアの北のゲートウエイを構成しています。
その中でKIKUKAWAが求められたのは、高品質グレード。三井ガーデンホテルズが日本橋地区に初出店する「三井ガーデンホテル日本橋プレミア」に関連する金属製品を中心に、要求に応えるべく対応しました。

（※）日本橋再生計画：日本橋地区において「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をテーマに官民地域が一体となって推進する計画。第2ステージでは10のプロジェクトが計画されている。

●信頼と実績あるKIKUKAWAの設計力

「OVOL日本橋ビル」は、創造的な金属製品が随所にみられ、後述する「折り紙パネル」や「鏡面エンボスパネル」は、特に印象的です。これらに携わることができた理由の1つに、同じく竹中工務店が設計施工した「東急プラザ表参道原宿」の実績と所長からの信頼がありました。
作図に先立ち、社内検討を重ね、多方面に渡る加工方法を吟味のうえ試作。それを踏まえて現場の設計定例などを通じて竹中工務店へ提案し協議することで、品質とコストを両立した設計を行うことができました。
加えて立体的な部位に関しては、3D-CADを活用した作図・検討を行うことで、納まりの整合性や3次元の寸法精度を担保。「鏡面エンボスパネル」のランダムな凹凸も、3Dデータに基づいて配置しています。

プロダクト施工事例 – 東急プラザ表参道原宿のページはこちら

●洗練された外装パネル

1Fのホテル・エントランスと9Fのホテル・ロビーを繋ぐ、シースルーEVシャフトの外装は、3㎜のアルミカットパネル。約H700㎜×W4000㎜の横長に積まれたアルミパネルには、フッ素樹脂焼付塗装が施されています。
少し赤味が入ったシルバーメタリック色が、ガラス中心の低層ファサードに映え、洗練されたイメージを醸し出しています。

●アルミパネルを折り紙のように

9Fのホテル・フロントロビーに隣接して配置された中庭、その塔屋まで吹き抜ける壁2面をアルミ3.0㎜のカットパネルで覆っています。約W1150㎜×H3150㎜の縦長に積まれたアルミパネルには、オフホワイト色のフッ素樹脂焼付塗装が施されています。
1面は、14FLより上の幅10ｍ、高さ18ｍの範囲に「折り紙パネル」をデザイン。もう１面は、幅方向の中央より端に向けて出入りのレベルを出す「く」の字型となっています。
4～9枚の形状もサイズも異なるパネルを組みあわせて三角形を形づくる「折り紙パネル」は、最大400㎜の差で谷山をつくり、その名の通りパネルを折ったようなディテールを実現しています。

●ステンレス鏡面エンボスパネルと7分艶アルミパネルとのコラボレーション

【SUS鏡面エンボスパネル】

9Fのホテル・フロントロビーの天井は、基本的にアルミ3.0㎜のカットパネルで構成。中央通路上部をスパークシルバー色、基準部をオフブラック色で仕上げています。7分艶のアクリル樹脂焼付塗装を施すことで、淡い映り込みが落ち着いた照明とあいまって、シックな空間を演出しています。
フロントロビー中央、通路上部のパネルのうち3枚は「鏡面エンボスパネル」を納めています。1㎜の鏡面ステンレスにエンボス加工をするため、お客様からのデザインを3Dデータ化。それに基づきKIKUKAWA独自のエンボス加工技術を用い製作しました。ホテルデザインのコンセプトである、日本橋の「粋」を取り入れたモダンさを演出するのに一役かっています。

「水面（みなも）パネル」について、詳しくはこちら

●高い品質要求を満たした金属製品

高品質グレードを求められた「OVOL日本橋ビル」の金属製品は、3Dデータを用いてランダムな凹凸な模様をつける「鏡面エンボスパネル」など、初めての挑戦もありました。
中庭の「折り紙パネル」は特に高い評価を頂くことができ、お客様の期待に応えたプロジェクトとなりました。