●エキスパンドメタルでつくる新たなオフィス空間

クリエイターやスタートアップ企業の「始まりの場」となるような、クリエイティブなオフィスを展開するシェアオフィス「PORTAL POINT」。今回そのフラッグシップとして、原宿千駄ヶ谷エリアに「PORTAL POINT HARAJUKU（ポータルポイント原宿）」がオープンしました。KIKUKAWAは、1Fエントランスの天井と、8Fパークラウンジの2種類のパーテーションをエキスパンドメタルで製作。デザイン性と機能性を兼ね備えた金属建材で、新たなオフィス空間の創造に貢献しています。

●開放感と仕切りの役割を両立するパーテーション

▲左：サークルブース　右：2名用ブース

8Fにあるのが、直径約2ｍの円形のブースをランダムな方向に配置したサークルブース。契約制のため、利用者が自分の領域として感じられるようある程度の仕切られた空間が必要である一方で、風通しの良さや圧迫感の軽減も求められていました。そのような中選ばれたのが、開放感と仕切りの役割を両立するKIKUKAWAのエキスパンドメタルでした。
11か所のサークルブースと、3か所の2名用ブースのパーテーションは、それぞれ目の異なる1.2㎜厚のスチール製エキスパンドメタルを使用。ホワイトのアクリル樹脂焼付塗装を施し、開口部が縦長になるように取り付けています。サークルブースは、メッシュピッチ20㎜、刻み幅1.3㎜の細かい目とすることで、軽やかで透明感のあるデザインとする一方、共用ラウンジに近接する２名用ブースは、メッシュピッチ99㎜、刻み幅10㎜の粗い目とすることで、目隠しの役割を強化してプライバシーを確保。刻み幅や目の大きさを変えることによって、見え方を調整しています。

KIKUKAWAのテクノロジー – エキスパンドメタル・ルーバー

●試作・検討を重ねたR形状のエキスパンドメタル・パーテーション

サークルブースのパーテーションは、幅約450㎜～2900㎜×高さ1500㎜のエキスパンドを16枚使用し、それぞれにＲ加工を施しています。
お客様からは「フレームをなるべく細くして軽やかさを出したい」とのご要望があったため、それを実現しつつ強度も担保できるよう、試作を重ねて相互に納得できる着地点を模索。スチール6φの丸棒をフレームとして採用しました。
また、細かい目のエキスパンドならではのフレーム溶接の課題や、R加工の製作方法などについては、試作・検討を繰り返し最適解にて製作することができました。

●機能的なエキスパンドメタル天井

▲目地幅の管理を徹底し、精度よく納めている

1Fエントランスのエキスパンドメタル天井は、ダクトが複雑に入り組む箇所など見せたくない部分は適度に隠しつつも、開放的で高さのある空間を演出。ボード天井でもスケルトン天井でもない、その中間の天井建材として機能しています。
エキスパンドはサークルブースと同じ細かい目を使用し、素材は1.5㎜厚のアルミで軽量化。シルバーアルマイト（陽極酸化皮膜）＋電着艶消しクリア塗装を施しています。縦1617㎜×横900㎜を基準サイズとして、25枚のエキスパンドを取付。複数回の現場実測によって既存躯体や空調設備との取り合いを検討し、改修工事でありながらスムーズな取付を実現しました。
また、下地に引っ掛ける納まりとすることで、エキスパンドは簡単に取り外しが可能。竣工後も内部の空調設備や照明をメンテナンスしやすいように工夫しています。押え金物を取り付けることで脱落を防ぎ、耐震性も確保しました。

●お客様のイメージを実現するKIKUKAWAのオーダー対応力

短納期での対応が求められる中、お客様と図面や試作などのやりとりを重ねることで、ご満足いただく結果につながった本プロジェクト。お客様からは、KIKUKAWAのオーダー対応力について「オリジナルの製品でやりたいことを一緒に考えてくれるところが良かった」とのお声をいただいています。
特にエキスパンドメタル天井の納まりについては、KCT建材のセミオーダー製品としての展開も検討しており、KIKUKAWAにとっても今後の製品開発につながる有意義なプロジェクトとなりました。

本プロジェクトの写真については下記でもご紹介しています。
メタルワークNEWS – 様々な用途に使える万能金属建材「エキスパンド・メタル」