新水ビル東面エントランス:リン酸壁パネルと軒天水面パネルを施工
東面エントランス夜景:店内の明かりに照らされ、リン酸の模様や水面のゆらぎが一層華やかに浮かび上がる
<写真上>西面エントランス:硫化イブシ風塗装の壁パネルは色合いが微妙に異なるランダム配置
<写真下>北面エントランス:木目調アルミルーバーでファサードを構成
●特殊金属仕上げパネルのエントランス
東急新横浜線・新綱島駅に直結する商業施設「新水ビル(SHINSUI)」。KIKUKAWAは、計3箇所のエントランスの金属パネル工事に参画しています。
スチールりん酸パネル、硫化イブシ風塗装パネル、ステンレス水面パネル、木目調アルミルーバーと、それぞれ仕様の異なる4種類の装飾建材を施工。金属の表現の幅の広さを生かした、特別感のあるエントランスづくりに貢献しました。
●りん酸&硫化イブシ風塗装で表現するランダム感
東面エントランスの左右の壁パネルは、スチールの溶融亜鉛めっき+りん酸亜鉛処理仕上げ。濃色~淡色までラインアップがある中でも、りん酸仕上げ特有の結晶模様(スパングル)がよりはっきりと見えやすい中間色(PZ-02)が採用されました。最大サイズ約W1,000㎜×H3,000㎜のカットパネルで構成しています。
西面エントランスの壁は、硫化イブシ風塗装のアルミカットパネル。硫化イブシの自然なムラ感まで再現した特殊塗装で、パネルごとに濃淡も微妙に異なるランダム配置で施工しています。
どこをとっても画一的でないものにしたい、という設計者様のデザインコンセプトに基づき、りん酸仕上げや硫化イブシ風塗装といった、単色ではなくランダム感を表現できる仕上げが選ばれました。しかしこれらの仕上げは、自然な風合いの良さがある反面、色調や模様のコントロールが難しいという一面もあります。そのような中で、形状の異なるサンプルを複数ご用意したり、工場での全数敷きならべ検査を実施したりといった工夫で、設計者様のイメージとのすり合わせを丁寧に行うことで実現に至っています。
りん酸亜鉛処理について、詳しくはこちら
硫化イブシ仕上げについてはこちら
●天井水面パネルや木目調ルーバーも採用
各エントランスに共通して、軒天井は鏡面ステンレスの水面パネル。凹凸エンボス加工で水面のゆらぎを表現しており、ビル名に冠する「水」のイメージにもぴったりなパネルです。
屋根や見切りは、グレー色フッ素樹脂焼付塗装のアルミパネルや曲げ金物で製作。特に西面エントランスの屋根は樋などの取合いが多く勾配もあったため、下地の構成が複雑になり苦労しました。3Dデータを作成し、現場でもデータで形状を確認しながら取付を進めています。
その他、北面エントランスのファサードには、木目調シート貼りのアルミルーバーを施工しました。
●特殊金属仕上げの豊富な知見を生かした一式施工
特殊な金属仕上げをふんだんに用いた本プロジェクト。それらの知見を多く持ち合わせているKIKUKAWAの強みを生かし、コントロールの難しい仕上げをどうすれば建築として上手く適用できるか、お客様にご提案しながら進めていきました。当社の対応力をご信頼いただき、エントランス周りのあらゆる製作金物をまとめてお任せいただけた現場でした。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
---|---|---|
東面・北面エントランス 壁パネル |
スチール | りん酸亜鉛処理 |
西面エントランス 壁パネル |
アルミ | 硫化イブシ風特殊塗装 |
各エントランス 天井水面パネル |
ステンレス | 鏡面+エンボス加工 |
建物名称 | 新水ビル(SHINSUI) |
---|---|
施主 | 有限会社新水 |
設計 | 株式会社坂倉建築研究所 |
施工 | 西松建設株式会社 |
竣工 | 2023年 |
建設地 | 神奈川県横浜市 |