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硫化イブシ仕上げ

2017年改訂版ブロンズサンプル帳に載っている硫化イブシ仕上げ

硫化イブシは、銅合金の色調経年変化でかもしだされる風合いを最初から職人技で得られる伝統的な仕上げであり、その高級感のある重厚な色味はあたたかみのある空間をつくりだします。国内外で人気が高く、寺社仏閣や歴史的建築、美術館などに多く使われています。

主な特長・色味の調整が可能
・乾式と湿式の2種類の工法がある
・職人技と品質管理による安定した高品質な製品製作が可能
対応可能素材銅合金
・黄銅(真鍮)
・ブロンズ(丹銅)
・銅

硫化イブシを施した丸柱が立ち並ぶ現場

■硫化イブシ仕上げとは

硫化イブシは銅合金(黄銅・真鍮、ブロンズ・丹銅、銅)の色調経年変化を職人技で再現する仕上げ方法です。

銅の色調経年変化とは、銅が空気にふれることによって起こる化学反応で、時間の経過とともに色が変わっていきます。

たとえば、身近な銅製品である10円玉も、新品は光沢がありますが、時間とともに落ち着いた風合いとなっていきます。このように銅建材も、社寺の屋根などで見受けられる光沢のある銅板が時を経て、“深みのある重厚な褐色”を帯び、やがて緑青へと変化していきます。この“深みのある重厚な褐色”を最初から人工的に表現できるのが硫化イブシ仕上げです。

高級感や重厚感をかもしつつ、あたたかい空間を作ることができるこの仕上げは国内外で人気が高く、美術館や歴史建物の改修、寺社仏閣に多く使われています。さらに、母材の違いや素地仕上げの強弱、そして色調の濃淡で異なる色味がうまれるため、唯一無二の仕上げを求める方にもおすすめです。

■母材となる銅合金について

母材の銅合金(ブロンズ)は、その防水性や防食性の高さ、外観の美しさから内外装建材として古くからさまざまな用途に使われてきました。また、銅は金属の中でも柔らかく加工性にすぐれているため、複雑な製品加工にも向いています。そのため、抗菌作用に着目したあたらしい建材商品開発に力が入れられる、など近年でも幅広く活用されています。

化粧材としても汎用性が高く、目的によって仕上げの使い分けや組み合わせをすることで、さまざまな部位に使うことができます。たとえば、真鍮材(黄銅)に鏡面仕上げをほどこせば、まるで金を使ったような高級感がある華やかな空間がうまれます。あるいは、銅板をハンマーでたたいたような仕上げである「ハンマートーン」をキッチンの厨房廻りで使用することで、鉄鍋を彷彿とさせる遊び心のある内装が出来上がります。

■硫化イブシ仕上げの工法

硫化イブシ仕上げの工法は、「乾式」と「湿式」の2種類あり、製品の形状や大きさ、求められる質感などによって使い分けられます。主な違いは、化学反応をおこすために塗布するものが「液体状」か「粉末状」かであり、それにあわせて塗布方法も異なりますが、双方一品ずつ丁寧に手作業で着色されます。

■KIKUKAWAの技術

1. 硫化イブシの色調管理

硫化イブシ仕上げの難しさの要因の一つに、あの独特の風合いがあげられます。自然に発生する経年変化も、材料の化学組成の微細な違いや素地表面の仕上げの度合いといった「素材要因」、さらには気候や大気物質といった「環境要因」など、さまざまな理由が若干の色調の濃淡の発生につながります。

KIKUKAWAでは、「乾式」硫化イブシラインの完備やISO9001に裏付けされる品質管理、そして長年のノウハウにもとづいた職人技を融合することで、高品質な製品を安定して製作できます。

2. お客様の要望実現へのこだわり

KIKUKAWAの仕事はすべて、お客様の要望に合わせてオーダーメイドで作っています。そのため、高品質な製品をつくるだけでなく、求められている製品を製作しようという粘り強い精神がものづくりにあらわれています。

ブロンズサンプル帳にも掲載されている「古美(ふるみ)仕上げ」は、Cathay Pacificプロジェクト用に開発された硫化イブシ仕上げです。当時、一枚の写真を頼りに、さまざまな手法や仕上げを試し、理想の仕上がりが実現するまで100を超えるサンプルを製作しました。その甲斐あって、お客様からは高い評価をいただいています。

新しい物件だけでなく、社寺建築や改修工事といった再現技術が必要とされる製作も行っており、忠実に再現できる技術力の高さを物語っています。

3. 加工サイズ

最先端技術であるFSW(摩擦攪拌接合)機レーザー溶接機との併合により、手のひらサイズの小物はもちろん、規格外のサイズの製品まで製作できます。

対応サイズの詳細については、こちら

■硫化イブシの留意点

KIKUKAWAでは、乾式の硫化イブシを塗布された製品を納品あるいは施工する場合、保護(クリアー)塗装をおこなっています。理由は下記のとおり2つあり、目的は初期に発生しやすい酸化被膜の“ムラ”や施工・移動中の剥離を防ぐことです。

  1. 施工や取り扱いの際に付着する、手のあぶらや施工後の雫などにより、均一だった硫化イブシ仕上げの表面に不均一な酸化被膜が形成されることを防ぐ。
  2. 硫化イブシ仕上げ後、表面に残留しているアンチモン粒子がクリーニングなどによってとれてしまったために発生する、不均一な剥離を防ぐ。

クリアー塗装の目的は、数十年にわたって施工時の美観を保つことではなく、初期に発生しやすい“ムラ”や“剥離”から保護するためです。

そして、保護塗装の下ではゆっくりと自然硫化がすすみ、クリアー塗装の保護効果が薄れていく頃にはブロンズ表面に硫化被膜が形成され、重厚で深みのある風合いを醸し出します。

また、硫化イブシ仕上げを行う場合、仕上げ作業時の環境によって色調の濃淡が発生しますが、それがあの“独特の風合いに寄与している”との見方が広く受け入れられています。

なお、当社では品質確保のためにご採用決定前に硫化の仕上げサンプルを使用して、色味確認をさせていただいています。

■ぜひご相談ください

硫化イブシは、経年変化でかもしだされる味わいを職人技で最初から得られる仕上げであり、生み出される絶妙な色調の濃淡が、深みとあたたかみのある表情をつくりだします。お求めのお色味のご相談だけでなく、ご検討時にもぜひお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。


硫化イブシを施した丸柱が立ち並ぶ現場


伝統的な「乾式」硫化イブシ工法の作業の様子


「乾式」硫化イブシの工場ライン


高級感のある硫化イブシが内装に使われた一例

「硫化イブシ仕上げ」が使用されている施工事例