METAL ARCHITECT KIKUKAWA

menu

プロダクト施工事例

homeプロダクト施工事例東京ミッドタウン日比谷

東京ミッドタウン日比谷

東京ミッドタウン日比谷:北面低層ファサード

日比谷公園側ファサード:マリオン・ガラス手摺・ガラス庇・メタルフィンが品格よく納まっている

格調の高さを表現する曲線を描くステンレス・ボーダーと軒天

ステンレスマリオン・ロッド・庇枠・手摺枠及びデザイン軒天井がRコーナー部にも精度良く納まっている

●金属工事で品格ある外装デザインに貢献

「三信ビルディング」と「日比谷三井ビルディング」の跡地、日比谷公園に面する一角に新たに建設された「東京ミッドタウン日比谷」の低層部ファサード金属工事に、KIKUKAWAは携わっています。
低層部はアールデコ様式(※1)として建築美が高く評価されていた「三信ビルディング」の壁面イメージを踏襲しており、KIKUKAWAが製作した金属製品が集中する西側のメインファサードは、日比谷公園の緑との連続性や眺望を活かす計画が採用されています。
六本木に続く「東京ミッドタウン」ブランドのコンセプトである、それぞれの街の個性を活かしながら経年優化(※2)の街づくりを実践する、品格ある外装デザインの実現に、KIKUKAWAの金属製品も貢献しています。

(※1)アールデコ様式:日本では昭和時代の初期に流行した、幾何学図形をモチーフにした記号的表現の特徴を持つ様式。
(※2)経年優化:プロジェクトの完成は終わりでなく始まりであり、時を重ねるたびに街の魅力を増していくという、三井不動産の理念。

●デザイナーこだわりのステンレス・マリオン

メインファサード(日比谷公園側)の2階部分に11スパンに渡って連なるステンレス・マリオンは、高さ5mのφ76.3㎜の丸パイプと12㎜のプレートを組み合わせたもので、ステンレスのガラス手摺枠とガラス庇枠がユニット化されたものです。
これらステンレス製品を含めたマテリアルはマスタープランの段階から細かなディテール検討がされ、デザイナーが最も力を入れていたデザインの一つです。その意匠実現のため、早い段階から設計をはじめ全社的に納まりの工夫や技術提案など、品質管理も含めた検討を重ねました。
3箇所の大きな長穴を持つステンレス・プレートは、ロッドやガラス庇枠、ガラス手摺枠それぞれにジョイントする軸となる部材であり、その精度がそのままユニット全体の品質に直結します。そのため、加工前の元板の選定から材料メーカーと協議し、より良い素材を一本一本慎重に吟味しました。
マリオンとロッドは、精度を確保しながらデザイン的にもスマートに連結させるため、ジョイント部材にはSUSロストワックス鋳造を採用し、ロッドの通りを出すためには、パイプの内側の機構を工夫。加工においても精密を要するため、パイプの切欠に3D対応のレーザー切断装置を使用するなど、最新設備とKIKUKAWAのノウハウを駆使することで対応しています。

メタルワークNEWS-ファイバーレーザー切断装置のページはこちら

●要求品質を実現したステンレス・ボーダー

低層部の2階から6階までの各階の先端が特徴的なステンレスのボーダー・水切・軒天は、メンテナンスが難しい場所に位置するため、SUS316より耐食性が優れた高耐食性フェライト系ステンレスNSS445M2材で製作しています。
その中でも軒天ボーダーパネルは、ガラス庇同様に水平方向にRをつけた意匠のうえ、基本的にHL仕上げが採用されているなか、照明の映り込みを抑えるため軒天部のみPHL仕上げとなっており、品質を確保するための加工難易度が高い製品でした。
コの字が上下2列ある凹型先端にRをつけるには、従来は部材を分けて溶接でまとめるところを、曲げ加工の工夫で部材点数と溶接を削減して、QCDを確保。仕上げに関しても、レーザー溶接を用いて、ボーダー部と軒天部を接合し、ひずみを抑えた良品に仕上げています。

KIKUKAWAのテクノロジー-ファイバーレーザー溶接のページはこちら

●低層部アルミ工事

低層部におけるアルミ工事は、1階のメタルフィンと呼ばれる楕円形状の庇と、1階から3階の半外部の通路であるテラスの天井パネルを施工しています。
W1000㎜×H215㎜のメタルフィンは1階周りで特に目を引く製品で、通常の曲げとR曲面が組み合わさった断面形状をしています。精度良く曲げ加工をするため、蓄積されたノウハウに基づいて工法を検証して製作しました。
天井パネルは、4㎜のアルミ複合板(アルポリック)をカットパネルにして納めています。デザインパネルとして、ステンレス目地棒と組み合わせたパネルは、目地が綺麗に通った精度のよいものになっています。

●設計から施工まで、KIKUKAWAの総合力

「東京ミッドタウン日比谷」の低層ファサード工事は、石・ガラス・照明・サッシ・キャストなどの他部材と密接に取り合う、複雑な形状の製品が多いプロジェクトでした。
実施設計の初期段階から取付順序などのディテールを慎重に検討し、ゼネコンと共に納まり提案をするとともに、安全かつ効率的な揚重方法を協議して計画的に施工を進めました。ステンレス・マリオンについては現場での施工精度が製品の良し悪しを大きく左右するため、特に細心の注意を払って施工しています。
これら事前段取りと、現場との密接な協議、精度の良い製品・取付により、他社取り合いとの順番施工が多いなか、効率よく納めることができ、顧客より高い評価を頂くに至っています。

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
化粧マリオン
ガラスキャノピー枠
ガラス手摺枠
ステンレス(SUS304) ロストワックス
ファイバーレーザー切断
HL 
外装ボーダー
軒天パネル
水切
高耐食性フェライト系ステンレス
(NSS445M2)
レーザー溶接
HL+PHL
メタルフィン
デザイン軒天井パネル
フィン:アルミ(A1100)
天井:アルミ複合板
(アルポリック)
目地棒:ステンレス
アルミ:フッ素樹脂焼付塗装
(メタリック)
SUS:HL
建物名称東京ミッドタウン日比谷
施主三井不動産 株式会社
設計マスターデザイン:ホプキンスアーキテクツ
基本設計:株式会社 日建設計
実施設計:鹿島建設 株式会社
施工鹿島建設 株式会社
竣工2018年
建設地東京都千代田区