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プロダクト施工事例

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ZARA新宿南口店

ZARA新宿南口店:3F屋上庭園

3F屋上庭園からのエキスパンドメタル・ファサード、梁は高耐食性鋼板パネル

エキスパンドメタル・ファサードのアップ、裏面は高耐食性鋼板の外装パネル

ライトアップしたZARA新宿南口店:金属製品による立体感とエッジ感が引き立っている

●エキスパンドメタルで覆われた特徴的な外装

新宿駅南口や東南口、甲州街道の高架橋から一目でそれと分かる外観を持つ建物「ZARA新宿南口店」の外装金属工事に、KIKUKAWAは参画しました。
ZARA (ザラ) は、スペインのアパレルメーカーであるインディテックスが展開するファッションブランド。新宿南口店は、ファストファッションブランド全体が注目された2008年に、ZARAが一気に増やした店舗の1つとなります。
1500㎡にも及ぶエキスパンドメタルで囲われた「ZARA新宿南口店」のファサードは、激戦区新宿の中にあって、その存在感を示しています。

●エキスパンドメタル・ファサード

1Fから5F塔屋まである建物、正面ファサード及び両側面の見えがかり部には、外装金属パネルとサッシ部を覆うように、エキスパンドメタル・ルーバーを納めています。採用されたエキスパンドメタルは、JIS呼称XG-21の互換規格品(LW=101.6㎜・SW=36㎜・W=7㎜)*で、板厚3㎜のアルミ製。シルバー系の粉体焼付塗装を施しています。
幅1mピッチ、高さは1600㎜~3100㎜のエキスパンドメタルは、網目が横向きになるように施工。両側に曲げ加工を施し、目地底には50㎜のステンレス製の押縁材を通し、縦のエキスパンドメタル同士は5㎜の透かし目地となっています。

*エキスパンドメタルの部分名称や技術については下記をご参照ください
KIKUKAWAのテクノロジー – エキスパンドメタル・ルーバー

●高耐食性鋼板の外装パネルと効率的な下地システム

一部開口部を除いたエキスパンドメタル部と塔屋の外装は、外部にも関わらずスチールパネルで納めています。採用されたスチール材は、板厚1.6㎜の高耐食性の溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっき鋼板。後塗装性も優れていて、同じくシルバー系のフッ素樹脂焼付塗装を施しています。
曲げタイプのパネルサイズは、ほぼエキスパンドメタルと同様で、下地マリオンも高耐食性鋼板で加工。そのマリオンとSUS竪樋が一体となっていて、エキスパンドメタル・フレームを受ける下地にもなっています。

●空間を演出する金属パネルの立体感とエッジ感

1F上部のショーケース屋根と切返しの軒天部の奥行きは1450㎜。屋根パネルと見切りはステンレス板を、幕板と軒天パネルは高耐食性鋼板を曲げ加工しています。軒天パネルは、1/3ラインまでは斜め天井となっていて、ショーケースの軒先に渡っている「ZARA」のロゴとともに立体的な空間を演出しています。
また、階層ラインの200㎜の凹型ボーダーや笠木・水切パネルは、角出し曲げ加工を施すためにステンレス板を加工。金属パネルのエッジ感がその特徴的な空間を引き立てています。

KIKUKAWAのテクノロジー – 板金曲げ技術はこちら

●アルミ製エキスパンドメタルと高耐食性鋼板を採用した初期プロジェクト

本プロジェクトでは、2008年当時として普及がそれほどでもなかった2つの技術を採用しています。
1つは、既成のアルミ製エキスパンドメタルのファサード・ルーバーへの転用。特徴的な立体形状にデザイン性を見いだした、化粧材として使用する初期の施工例となりました。
もう1つは、めっきにマグネシウムとアルミニウムを付与することで高耐食性を実現した鋼板の外装パネルへの採用。データ上は問題ありませんでしたが、KIKUKAWAでも暴露試験を行い確認した上で使用し、コストダウンを図りました。
「ZARA新宿南口店」のアルミ製エキスパンドメタルと高耐食性鋼板を採用した実績は、以降のプロジェクトの先駈けとなりました。

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
外装
エキスパンドメタル・ファサード
アルミ エキスパンドメタル
粉体焼付塗装
外装パネル スチール(高耐食性鋼板) フッ素樹脂焼付塗装
笠木・ボーダー・水切 ステンレス 角出し曲げ加工
フッ素樹脂焼付塗装
建物名称ZARA新宿南口店
施主株式会社 ザラ・ジャパン
設計株式会社 キーオペレーション
株式会社 ディスク
施工株式会社 大林組
竣工2008年
建設地東京都新宿区