2022年6月20日
伝統とモダンを表現するりん酸仕上げのルーバーファサード
種類豊富な仕上げと自由な加工性が強みの金属建材。商業施設やビルだけでなく、マンション・集合住宅などでも、建物のアイデンティティの表現に貢献します。今回は、集合住宅のファサードを施工した事例をご紹介します。
国の重要文化財「世田谷代官屋敷」を有するボロ市通り沿いに建つ新築マンション。伝統的な建材である瓦屋根や木製縦格子といったモチーフを現代風に落とし込んだ、壁パネルとルーバーを組み合わせたデザインのファサードです。
採用されたのは、スチールの「溶融亜鉛めっき+りん酸亜鉛処理(PZ-03:濃色)」仕上げ。ルーバーが印象づける縦のラインと、瓦のような自然な風合いの黒が、シックで洗練された雰囲気を演出しています。
ルーバーは、板厚2.3㎜、左右幅30㎜×前後幅60㎜のスチール角パイプを使用。2400㎜~3000㎜の長さのものを45㎜間隔で取り付けています。工期短縮のため、事前に工場でユニット組みして現場での作業を削減しました。
壁パネルも同じく2.3㎜厚のスチールで、幅は180㎜~900㎜と様々。ルーバーと同様に前後幅60㎜となるよう筒状に曲げ加工しています。KIKUKAWA独自の引掛け納まりで、すっきりとした見た目に仕上がっています。
ガラスがはめ込まれたベランダの手摺もKIKUKAWAで製作。厚さ12㎜×幅75㎜のフラットバーを加工し、同じくりん酸亜鉛処理で仕上げています。
1階エントランス上部には、6㎜厚のスチールで製作した横幅4300㎜×奥行900㎜の庇も設置。「目地や溶接部から雨垂れしないようにしたい」とのご要望を受け、一枚もので製作しています。重量は約380kgにもなりますが、強度計算をしっかり行った上で納まりを設計し、ニーズにお応えしました。
りん酸亜鉛処理は、処理時の熱で歪んだり、色ムラが出てしまったりと、品質を安定させるのが難しい仕上げです。KIKUKAWAでは、ノウハウの蓄積や協力会社との連携により、そのような課題を解決しています。
りん酸亜鉛処理について、詳しくはこちら
KIKUKAWAのテクノロジー – りん酸亜鉛処理
本プロジェクトは、以前別の集合住宅のファサードで当社の標準製品「エキスパンドメタル スクリーン」を納品したお客様から、「今度はフルオーダーの製品で、施工含めてお任せしたい」とご相談をいただき実現しました。金属建材に関してこのようにご信頼をいただけたこと、嬉しく思います。
製作金物のご採用経験があまりないお客様でも、イメージやご要望に合わせてご提案可能ですので、お気軽にご相談ください。
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