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2020年7月21日

メタルワークNEWS

丹銅を変色なく接合するレーザー溶接技術開発

ブロンズ建材として多く採用される丹銅(JIS-C2200)材は、銅90%に亜鉛他10%を配合(Cu90Zn10)した銅合金です。その合金成分は溶接熱に影響されやすく、 溶接部が赤く変色し、外観を損ねてしまいます。

KIKUKAWAはこれらの課題を解決するために技術開発を推進しており、2018年には板同士の溶接において変色のない接合技術*を確立。続いて、曲線や立体的な形状の接合にも対応できるなど、より汎用性のあるファイバーレーザー溶接機にて研究を進めてまいりました。仮説による検証や試行錯誤を繰り返した結果、丹銅材において殆ど変色しない接合技術をレーザー溶接にて確立することができました。

*板同士の溶接において変色のない接合技術は下記を参照ください
メタルワークNEWS – 変色のない真鍮(黄銅)接合技術はこちら

変色がなく仕上げれば溶接跡の分からない丹銅材のレーザー溶接をした試験体(左)
うっすらと赤く変色する従来の丹銅レーザー溶接をした試験体(右)
変色がなく仕上げれば溶接跡の分からない丹銅材のレーザー溶接をした試験体(左)
うっすらと赤く変色する従来の丹銅レーザー溶接をした試験体(右)

通常のレーザー溶接手法ですと、 薄い赤味のある変色が溶接箇所に沿って線となって表面に表れてしまいます。HLやPHL(バイブレーション)などの素地を活かした仕上げの場合は、その変色跡を修正することができません。高級感を演出するブロンズ製品においては致命的で、それだけに今回の技術開発はブロンズ製品の可能性を広げることに繋がります。

レーザー溶接にて接合した後、HLと硫化仕上げを施したサンプル。
溶け込みの深い溶接に関わらず、両者とも変色は見受けられない。
レーザー溶接にて接合した後、HLと硫化仕上げを施したサンプル。
溶け込みの深い溶接に関わらず、両者とも変色は見受けられない。

ファイバーレーザー溶接は、狭いビート幅にて溶け込みが深く、高強度かつ歪みの少ない接合をするのが特長。今回開発した技術を加えることで、変色を避けるためのロウ付け接合などとは違い、見た目か強度かを選択する必要がなくなります。

ブルームバーグ螺旋階段のミニチュア・モックアップ。
今後はこのような複雑な形状でも、素地を活かした仕上げも可能となります。
ブルームバーグ螺旋階段のミニチュア・モックアップ。
今後はこのような複雑な形状でも、素地を活かした仕上げも可能となります。

KIKUKAWAが保有するファイバーレーザー溶接機は、複雑な形状や三次元形状の接合にも対応。変色にあまり影響されない硫化イブシだけでなく、丹銅の素材そのものを活かした製品でもデザイナーの様々な要望にお応えします。

引き続きKIKUKAWAでは、建材として採用されることの多い真鍮(黄銅)材についても、変色しないレーザー溶接の研究をしています。このように、最先端設備による研究を通じて、お客様の多様なニーズを実現する技術を、今後も開発してまいります。

KIKUKAWAのテクノロジー – ファイバーレーザー溶接はこちら
プロダクト施工事例 – 「Bloomberg European headquarters(ランプ:螺旋階段工事)」はこちら