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2018年12月11日

メタルワークNEWS加工技術

ウルトラサイズ・パネルシステム

基本的に金属パネルは、材料メーカーが指定する最大サイズ以上のパネルを製作することはできませんが、KIKUKAWAでは、FSW(摩擦撹拌接合)などの接合技術で広幅・長尺パネルの製作が可能です。しかし、運搬や揚重、現場の施工条件などにより、おのずと制限がかかります。

KIKUKAWAのウルトラサイズ・パネルシステムは、工場と現場の双方での溶接を組み合わせることで、建物の一面を1枚のパネルで納めることが可能なシステムです。材料板厚の選定、層間変位(※)や金属の熱伸びに対応した設計、運搬・施工計画などを、意匠設計段階からスペックしていくことで実現させます。

(※) 層間変位:建築物が、風や地震などを受けて変形する時、上下の階に生ずる水平方向の相対的な変位のこと。

中庭のスチールパネルは全て面ごとに1枚もので納められている

中庭のスチールパネルは全て面ごとに1枚もので納められている

コーナーのみの目地が迫力あるウルトラサイズ・パネルを際立たせている

コーナーのみの目地が迫力あるウルトラサイズ・パネルを際立たせている

高校の新校舎、中庭内の図書室や多目的室などの共用スペースの外壁パネルを、設計者の「ぜひ1枚ものの鉄板でやりたい」との要望に応え、面ごとに特大のウルトラサイズ・パネルで納めています。
仕様は、スチール12㎜に溶融亜鉛めっきの上、フッ素樹脂耐候性塗装(現場塗装・別途)。約400㎡の外装パネルは、最大W18m×H4mのパネルを含め15枚で構成しています。

ウルトラサイズ・パネルにするための現場溶接及び溶接ビート取りの様子

ウルトラサイズ・パネルにするための現場溶接及び溶接ビート取りの様子

本プロジェクトにおいてウルトラサイズ・パネルを製作するために、工場溶接9箇所、現場溶接14箇所を行っています。現場の場合、溶接の熱による曲がりなどを矯正することが困難なため、通常は化粧パネルを溶接で接合することはあり得ません。
KIKUKAWAのウルトラサイズ・パネルシステムでは、計算したストロングバックをあらかじめパネルに施し、さらに極力ひずまないように表裏・上下と溶接順を工夫することで、不可能を可能にしています。

階段の取合部など形状が一定でなくとも、1枚のウルトラサイズ・パネルで面を納めている

階段の取合部など形状が一定でなくとも、1枚のウルトラサイズ・パネルで面を納めている

幅18m・高さ4mを1枚もので納めたウルトラサイズ・パネル

幅18m・高さ4mを1枚もので納めたウルトラサイズ・パネル

近年、特に要望の多くなっている目地の少ないシームレス的な意匠を実現するため、広幅・長尺パネルの限界にKIKUKAWAはこれからも挑戦してまいります。

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