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プロダクト施工事例

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四季十楽(門扉)

「インクリメンタル・フォーミング」で製作した「四季十楽」の門扉

曲面を含めてパンチングを施し透明感を出している大型ブロンズ門扉

HLしたブロンズ板(丹銅)に色味を調正した硫化イブシを施して京町屋の趣と調和

インクリメンタルで成形されたすり鉢状の曲面のくぼみが特徴的な大型ブロンズ門扉

●京都の風景:門=紋

京都御所西に100年以上前に建てられた町屋10軒を、ホテルへとリノベーションした「四季十楽」の門扉工事にKIKUKAWAは一括受注の施工会社として参画しています。
ブロンズ製の門扉は、「十人の才人たちと十の楽を創る」という考えにより、10人の各分野の専門家の1人として参加した、パリを拠点に世界中で活躍する田根剛氏のデザインによるものです。そのデザインには、京文化では見え隠れするつながりを示す仕切りとしての「門」と、新しい記憶としての意味を付加する「紋」を、現代京文化の美意識を示す「門=紋」として、京都の風景を更新するというコンセプトが込められています。

●存在感と協調性を合わせ持ったブロンズ門扉

1棟貸しの客室へ入るための路地への入口となるデザイン門扉は、幅2065㎜×高さ1785㎜。路地の幅にあわせた大型の1枚ものとなっています。
直径約1500㎜・深さ206㎜のすり鉢状の曲面のくぼみ(半径1300㎜の球体の接地面に相当)は通りに向けて存在感を演出。パンチングをその曲面も含めて施すことで透明感を出し、「門=紋」のコンセプトを実現しています。表面処理は伝統ある京町屋の趣と調和するよう、HLしたブロンズ板(丹銅)に色味を調正した硫化イブシにて、高級感と重厚感ある門扉に仕上げています。

KIKUKAWAのテクノロジー – 硫化イブシ仕上げのページはこちら

●先端技術と職人技の融合

門扉の化粧面は丹銅材の流通サイズを超えていますが、ファイバーレーザー溶接技術を用いることで、2枚の板を低歪みにて接合し、1枚ものとして製作しています。その板を金型不要(ダイレス)な成型加工技術であるインクリメンタルフォーミング技術を用いることで、大径のスリ鉢状の三次元曲面加工を可能とさせています。
片面に約2200箇所ある30㎜の丸穴は、曲面へのパンチングの上にフラットである内部面側の穴と一致するように職人技を駆使して加工されています。また、デザイナーの要望である透明感を満たすため、門扉の支柱構造は下部のみで支える専用設計、ステンレスの削り出し加工にて製作された独自構造となっています。

KIKUKAWAのテクノロジー – ファイバーレーザー溶接のページはこちら
KIKUKAWAのテクノロジー – 三次元加工技術のページはこちら
KIKUKAWAのテクノロジー – インクリメンタルフォーミングのページはこちら
KIKUKAWAのテクノロジー – パンチング技術はこちら

●一括受注:KIKUKAWA OSS System

「四季十楽 門扉工事」は、設計から施工までを包括的に管理する「KIKUKAWA OSS System (One Stop Solution)」を採用した最初のプロジェクトです。金属工事以外に、支柱の基礎工事や門扉用の木(ケヤキ)の把手も手掛けました。
KIKUKAWA独自の技術やシステムを採用することで、デザインパースに忠実な門扉を実現、1か月という限られた製作期間内で完了したことは、顧客からの評価を得るとともに、ノウハウの蓄積に繋がっています。

KIKUKAWAの改修工事のページはこちら

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
デザイン門扉 ブロンズ(丹銅) HL+硫化イブシ仕上げ
レーザー溶接
インクリメンタルフォーミング
曲面パンチング加工
建物名称四季十楽(門扉)
施主株式会社 長谷ホテルシステムズ
設計田根 剛(ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS)
施工菊川工業 株式会社
竣工2016年
建設地京都府京都市上京区