
羽田空港第2ターミナル国際線施設:麻の葉文様をイメージしたアルミ外装パネルが目を引くデザイン
アルミパネルにプレス曲げ加工を施すことで、R形状によるパネル面のねじれに対応
ホワイトのフッ素樹脂高温焼付塗装にて、合計約3,300㎡ものアルミ外装パネルを製作
●麻の葉文様をイメージしたアルミ外装パネル
訪日外国人をはじめ、国内外から多くの人が訪れる日本の玄関口、羽田空港。国際線発着枠の増便に対応するため、第2ターミナルに新たに増築された国際線施設の外装工事に、KIKUKAWAは携わりました。
第3ターミナルと同じ「空」をコンセプトに、古来より「成長」を意味する日本の伝統文様、「麻の葉」をかけあわせて空間を構成。過去から未来へ、空港利用客と共に成長し続けたいという思いが込められています。KIKUKAWAは、合計約3,300㎡ものアルミ外装パネルにて、麻の葉文様を模した立体的で特徴的なデザインの実現に貢献しました。
●三次元形状の「トラスパネル」

【トラスパネルを横から見た様子】
空港の駐車場側に面して目を引くのが、麻の葉文様のように交差したデザインの下半分にあたる、5つの逆V字型のトラスパネル。上から下へ稜線がねじれながら細くなっていく形状です。施設の3階~5階部分の外壁に取り付けられており、高さは約7.7mに及びます。ホワイトのフッ素樹脂高温焼付塗装で仕上げました。
R形状の鉄骨に対して取り付けるトラスパネルは三次元的な納まりとなるため、作図および施工品質を担保する方策の検討にとても苦労しました。3D-CADを駆使して下地構成を考案した他、特に施工段階での位置出しの難しさが予想されたため、1か所のポイントを決めたら隣り合う他の複数のポイントも決まるように工夫した下地形状としました。その上、施工現場にて設計3Dデータが閲覧できる3Dアプリをインストールした端末を活用することで、取付効率の向上を図っています。
●製作方法を工夫しパネル面のねじれに対応
三次元形状のため、取付時にはパネル面にねじれが生じます。そこで、四角形のパネルの対角線でプレス曲げ加工を施すことで、パネル面のねじれに対応させることを提案。また、テストを行い、ねじれの弱いパネルについては曲げ加工を行わずに直物で製作し、施工時に下地に馴染ませるようにしました。このように納まりをパネルごとに丁寧に検討することで、QCDを担保しています。
製造工程では、パネル枚数・種類ともに数が非常に多かったため、取付ブロックごとに赤・青・黄・白でコンテナを色分け。施工時に一目で取付場所が分かるように工夫し、管理を徹底しました。
●様々な箇所のアルミ外装パネルを納品

【柱型パネルの試作品】
トラスパネル以外にも、膜屋根の笠木や屋根パネル、ルーバーや柱型パネルといった様々なアルミ外装パネルを、同様にホワイトのフッ素樹脂高温焼付塗装にて製作。膜屋根のカーブサイド笠木は、トラスパネルと同様にパネル面にねじれが生じるため、独自のプレス曲げ加工を施すことでR形状を実現しました。トラスルーバーと排煙窓の間に立てられた、高さ約1.3mの柱型パネルは、斜めのプレス曲げ加工を施すことで、通常の六角柱ではなく下から上へ広がるような特殊な形状となっています。
●KIKUKAWAの対応力でお客様の信頼を獲得
複雑な金属工事での実績が認められ、お客様のご相談からお引き合いをいただいた本プロジェクト。3Dデータでしか実施できない項目があったため、業界に先駆けて三次元データ対応の体制を整えてきたKIKUKAWAが大いに活躍しました。3Dデータをお見せしながらの打合せや原寸モックアップを製作しての提案により、お客様からの信頼を獲得。細かい部位については当社にお任せいただくことができました。このようなKIKUKAWAの対応力が、設計事務所や現場から高い評価をいただくことにつながっています。
KIKUKAWAは他にも羽田空港での工事に携わっています。詳しくはこちら
プロダクト施工事例 – 東京国際空港(羽田)第2旅客ターミナルビル 国際線ゲートエリア
プロダクト施工事例 – 羽田空港キャセイパシフィック・ラウンジ
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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トラスパネル | アルミ | フッ素樹脂高温焼付塗装 |
カーブサイド屋根パネル | アルミ | フッ素樹脂高温焼付塗装 |
柱型パネル | アルミ | フッ素樹脂高温焼付塗装 |
建物名称 | 東京国際空港(羽田)第2ターミナル 国際線施設 |
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施主 | 日本空港ビルデング 株式会社 |
設計 | 梓・安井・PCPJ 東京国際空港第2ターミナル国際線施設設計監理 共同企業体 |
施工 | 大成建設 株式会社 |
竣工 | 2020年 |
建設地 | 東京都大田区 |