金属モニュメント ”翼竜のたまご”と”翼竜の脚”
パネル部はステンレスにシルキーブラスト、パンチング部(モアレ)はアルミに金色塗装を施している
先端ノズル部分は絞りプレス加工で作られている
●ステンレス工事と三次元加工技術への信頼感
中京大学名古屋キャンパス内に新築された新1号館講内の吹抜けに吊るされた巨大な金属モニュメント「”翼竜のたまご”と”翼竜の脚”」に、KIKUKAWAは実施設計から参画しています。
「翼竜のたまご」を見立てた巨大なモニュメントは、楕円形状の卵型のうえ、当初よりステンレスで計画。KIKUKAWAに対するステンレス工事と三次元加工技術への信頼感を持たれていたデザイナーから相談をいただいたことにより始まったプロジェクトです。
仕上げに関しても、キクカワテクノプラザへ工場見学に来場され、多様なサンプルをみていただくことで方向が固まっていきました。
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●要求と品質を両立したKIKUKAWAの設計技術
アトリエにて模型を確認してから実施設計がスタート。設計・加工・取付のそれぞれが、設計段階から連携し、デザイナーの要求と製品としての品質を両立した提案を行い進めました。
金属モニュメント「翼竜のたまご」は、トラックに積載できるぎりぎりの大きさ、全長L5m×最大H2.4mにて設計されています。天井から吊るされる構造でありながら、1.2tonに及ぶ重量のため、構造下地とワイヤーを含めた吊下地の強度は入念に計算されました。
パネル部の設計は、三次元加工部材の加工方法やユニット方法を検証し、その結果を3D-CADに反映しながら作図。そのデータ値はそのまま加工ポイントとなっています。
●職人技の三次元加工技術とシルキーブラスト技術
ステンレスパネル部は、5.0㎜の板を採用。重厚感を表現しながら、開口部や切欠部のエッジは、シャープさを強調しています。
前後の先端ノズル部分は、絞りプレス加工にて製作。そのノズルを繋ぐステンレスパネルは、螺旋状に切り抜いた板をノウハウを駆使した職人技で、3Dデータ通りの精度にてR曲面を作り出しています。パーツの組合せは溶接でジョイントしていますが、パンチング開口部の流線とあいまって、その痕跡を感じさせない卵らしい滑らかな形状に製作しています。
表面は、KIKUKAWAのシルキーブラスト技術でムラなく仕上げています。三次元加工後にブラストを打つ必要があるため、ブラスト加工機ではなく、手持ちのブラスト機にて熟練の技で仕上げています。
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●モアレ(干渉縞)によるパンチングパネルの演出
パンチングパネル部は2.0㎜のアルミ板に、溶剤塗料では色の出にくいゴールド色を、特殊塗装にて施しています。
2枚のパンチングパネルをわずかにずらして重ねることで、モアレ(干渉縞)を意図的に演出。パンチング本来のパターン模様と干渉縞によるパターン模様が重なり光が通ることで、「翼竜のたまご」をより特徴的な作品にしています。
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●夢・価値・美を創造する金属モニュメント
三次元技術をはじめとした蓄積されたノウハウを駆使し、熟練工の職人技と先端技術の融合をはかることで、妥協のない作りこみをしました。そのことが、デザイナーからの信頼に応えることになり、コンセプト通りのアートを実現することにつながりました。
「”翼竜のたまご”と”翼竜の脚”」は、KIKUKWAの経営理念である「夢・価値・美を創造する」をまさしく体現した金属モニュメントとなっています。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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金属モニュメント ”翼竜のたまご”と”翼竜の脚” |
パネル部:ステンレス パンチング部:アルミ |
モニュメント:三次元加工 パネル部:シルキーブラスト パンチング部:金色塗装 |
建物名称 | 中京大学 名古屋キャンパス 新1号館(図書館・学術棟) |
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施主 | 学校法人 梅村学園 中京大学 |
設計 | 基本設計:有限会社 アートアソシエイツ八咫 実施設計:菊川工業 株式会社 |
施工 | 菊川工業 株式会社 |
竣工 | 2013年 |
建設地 | 愛知県名古屋市昭和区 |