アルミ二次電解着色とブロンズ硫化イブシ、2種類の仕上げで製作した外装パネル
PHL+ステンカラー二次電解着色仕上げ(D-PHL-E2)の外装カットパネル
ブロンズ硫化イブシ仕上げの木目調パネル
●落ち着いた雰囲気を演出する2種の仕上げの外装パネル
小田急小田原線・成城学園前駅近くの、地下1階・地上2階建て店舗兼賃貸オフィス「FLOTT成城」。外装パネル工事にKIKUKAWAは参画しています。研磨目を生かしたステンカラーのアルミパネルと、硫化イブシで板張り風の壁面を表現したブロンズパネル。2種類のこだわりの仕上げを用いた外装パネルにて、閑静な住宅街に合う落ち着いた雰囲気を演出しています。
●PHL+二次電解着色仕上げのアルミパネル
建物を覆う外装パネルは、板厚3㎜のアルミカットパネル。ハードPHL+ステンカラー二次電解着色(陽極酸化複合皮膜)仕上げです。PHL(バイブレーション)の研磨目があることにより、表情に深みが生まれています。引っ掛け式の納まりにて、6㎜の細目地を実現しました。
東面の正面ファサード上部は前方に約20度傾いており、外装パネルが斜めに取り付いています。続く南面・北面のパネルときれいに横目地が通って見えるように、割付や目地幅を調整しました。斜めのパネルと垂直のパネルでは、単純に目地幅を同じ長さにしても微妙にずれてしまうので、ぴたりと揃って見えるように細かく計算して設計しています。
パネルサイズは、高さ880㎜×長さ2,400㎜程度を基準に、建物形状や建具取合に応じて大きさは様々。設備の配管用の切り欠き等にも、事前の実測にて丁寧に対応しています。
●ブロンズ硫化イブシの板張り風木目調パネル
正面庇部分の内側の壁と軒天井に採用されたのは、板張り風のブロンズパネル。当社の施工事例である「ザ・リッツ・カールトン日光」の外装パネルの仕様をオーナー様が気に入ってくださり、採用に至りました。幅200㎜×長さ350~2800㎜の銅板の長手方向にHLを施し、淡色の硫化イブシとクリア塗装を施しています。硫化イブシのムラ感により、木目の自然な風合いが再現されています。
隣接するパネルのビス留め部分を覆い隠すように端から順に取り付けていくことで、こちらも6㎜の細目地を実現。細長いパネルで、かつ板厚が0.6㎜と非常に薄く剛性がないため、慎重に取り扱いながらの施工となりました。
●高級感を生み出す金属ならではのパネル仕上げ
本プロジェクトで採用された2種類の仕上げ、二次電解着色と硫化イブシは、どちらも金属素材の性質を利用した化学処理。表面を塗料で覆う塗装とは異なり、金属の質感や研磨模様を生かすことができて、高級感のある仕上がりとなります。金属建材ならではの表現力で、建物の魅力向上に貢献しました。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
---|---|---|
外装パネル | アルミ | ハードPHL+二次電解着色 (陽極酸化複合被膜) |
外壁・軒天パネル | ブロンズ | HL+硫化イブシ |
建物名称 | FLOTT成城 |
---|---|
施主 | 株式会社 河野ビル |
設計 | 設計監理:株式会社 岡部克哉建築設計事務所 監理:株式会社 デザインネットワークス |
施工 | 株式会社 三浦工務店 |
竣工 | 2022年 |
建設地 | 東京都世田谷区 |