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KIKUKAWAのテクノロジー

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陽極酸化皮膜(アルマイト)処理の金属建材

ハードPHL+陽極酸化皮膜

ハードPHL+陽極酸化皮膜:左よりシルバー、シャンパンゴールド、ブラック

アルミ製の金属建材の代表的な表面仕上げである陽極酸化皮膜(アルマイト)。その耐食・耐候性、シルバー色やステンカラー色などメタル感を表現する装飾性などにより、内外装パネルをはじめとした製品に広く採用されています。
また最近では、意匠の高級志向や個性的なデザインへの追求などのニーズに応えるため、様々な表面処理方法とアルマイト処理との組み合わせによる多様化が進行。特に、光輝合金発色やハードPHL(バイブレーション)+陽極酸化皮膜が注目されています。

KIKUKAWAでは、一般的なものから上記のような特殊なアルマイト仕上げまで、長年培ってきた品質管理のノウハウとアルマイト業者との協力関係を基にした総合力で、色ムラのない美観と性能を両立した高品質なアルミ製品を提供する技術を確立しています。また、お客様のご要望やご相談に合わせて、新たな組み合わせの開発や提案を行うことを通じて、常に新たな試みを探求しています。

主な特長・色ムラのない品質管理
・材料調達力(ロット管理)
・光輝アルミ合金などの特殊アルミ材対応
・PHL(バイブレーション)などの研磨仕上げとの組合せ
・カスタムや新開発のアルマイト仕上対応
・広幅・長尺パネル対応
・曲面加工・三次元加工との組合せ
など
対応可能素材・アルミ(板:A1100-H14、形材:A6063-T5)
・光輝アルミ合金:A5110AP-H24
などのアルミ合金
種類・シルバーアルマイト(一次電解)
・二次電解着色(ステンカラー・ブロンズ・ブラックなど)
・マット処理(ダイスマーク除去)
・複合皮膜(電着クリアー)
・染色アルマイト(ゴールド他)
・光輝合金発色
・研磨+陽極酸化皮膜
など多数
対応サイズ最大:W1800㎜×L6000㎜
※上記を超える場合はご相談ください。
備考アルミ製品の材種や仕上げ、形状や加工の種類、内外部などの使用箇所などにより、それぞれに制約があります。ご検討の際は、事前にご相談ください。
また、アルマイト処理のみの受託は承っておりませんので、ご注意願います。

すみだ北斎美術館の外装パネル:周りの風景が淡く柔らかく映り込む光輝合金発色を採用している

陽極酸化皮膜(アルマイト)とは

陽極酸化皮膜とは、アルミ材を陽極にして溶液中で電気分解を行い、人工的に酸化皮膜を生成する処理。「アルマイト」は元々商標で、陽極酸化皮膜が一般化した名称です。
アルミニウムは加工性が良く比重が軽いことから、化粧金属建材で特に需要が多い材料です。しかし、耐食性の問題から素地のままでは適していないため、必ず表面処理が必要となります。アルマイト処理は、塗装と並び広く普及している表面処理。耐食性や耐摩耗性などの性能面に優れ、塗装とは違うメタリックな風合が特徴的な仕上げです。

■KIKUKAWAのアルマイト製品に対する品質管理

陽極酸化皮膜(アルマイト)は、母材のアルミニウムを溶かし、それが変化して酸化皮膜を生成する処理のため、微細な材料成分の違いにより、色ムラが生じやすい仕上げです。
KIKUKAWAは、材料メーカーとの長年の信頼関係によるロット管理と品質管理により、材料が原因となるバラツキのリスクを排除。また、アルマイト処理の前後工程においても、蓄積したノウハウに基づく管理体制により、色調面において一切妥協のない品質を確保します。当然、性能面を担保する膜厚管理も徹底しています。
これらの管理体制は、近年注目の光輝合金発色やハードPHL(バイブレーション)+陽極酸化皮膜にも適用されます。

アルマイトの種類や方法

アルミ建材の化粧仕上げに採用される陽極酸化皮膜(アルマイト)処理の種類や方法は、一般的なものから特殊なものまで多様にあります。下記に、代表的なものを記述します。また、各アルマイト仕上げの画像は、下記リンクをご参照ください。

KIKUKAWAの金属仕上ラインアップ-アルミニウム

【一般的なアルマイト処理】

●シルバーアルマイト(一次電解)

シルバーアルマイトとも呼ばれる無着色の硫酸アルマイト(一次電解)は、硫酸水溶液中で電解して得られる代表的なアルマイト処理皮膜。透明度がよく,染色や電解着色の場合の母体皮膜としても利用されます。単体でも、耐食性や耐摩耗性が良好です。

●二次電解着色

シルバーアルマイトをベースに、スズやニッケルなどの金属塩を含む電解溶中で二次的に電解し,アルマイト多孔層に金属を析出*させて着色する方法。色調範囲は、ステンカラー、シャンパンゴールド、ブロンズ、ブラックなど淡色から濃色まで任意の色調が得られます。

*析出(せきしゅつ):液体の中から固体が分かれて生成してくること。

●マット処理

アルミ材は材料を製作する過程で、長手方向にダイスマークと呼ばれる線模様が発生します。マット処理とは、このダイスマークを化学処理で消すことで、アルマイトの仕上がりを梨地(マット)調とする処理です。
一次電解の前工程で、自然酸化皮膜や汚れ、油分を除去するエッチング工程に前後して行われます。

●封孔処理

アルマイト処理後の陽極酸化皮膜に存在する微細孔を封鎖するために行う処理。吸水性があるこの孔を塞がないと耐食性などの問題が生じるため、複合皮膜にしない場合は必ず行う必要があります。

●複合皮膜

アルマイトの種類を問わず、最終工程でアクリル系の電着クリアーをアルマイト皮膜の上に施すことで、耐久性を上げる処理のこと。近年の紫外線の増加や酸性雨などの環境リスク、長期品質保証の要望から、特に外部においてはスタンダードな方法となっています。

●染色アルマイト

アルマイト皮膜の生成後、専用の染料を溶かした染色槽に浸漬し表面に吸着させた後、封孔処理または電着クリアーを施したアルマイト処理のこと。ゴールド、レッド、ブルー、ブラックなどで鮮やかな色調が得られます。但し、耐候性に難があり、ゴールド以外は外部では適用できません。

【カスタム・特殊アルマイト処理】

●電解研磨(化学研磨)+陽極酸化皮膜

アルミ材にて光沢感を表現する処理。電気分解で金属が溶解することを応用した研磨方法である電解研磨にて、アルミ材の表面を平滑にし、その後にアルマイト処理を施します。また、化学研磨は特殊な溶液に浸し化学反応によって、表面を溶解する研磨方法です。

●光輝合金発色

光沢度の高い特殊アルミ材である光輝アルミ合金(A5110AP-H24)を使用するアルマイト処理。電解研磨と組み合わすことで、ステンレスを磨いた輝きとはまた違う高い光輝性を、アルミの柔らかな雰囲気を活かす淡い輝きで得ることができます。
KIKUKAWAではコストダウン案として、上記に準じた輝きを持つ仕上げも提案。電解研磨工程を省き、光輝アルミ合金の特色を活かす処理方法を開発し実現しました。

●ハードPHL(バイブレーション)+陽極酸化皮膜

ハードPHLの研磨模様を活かしアルミの素材感を表現できるアルマイト処理。アルマイトのみのマットな均一感と違い、ハードPHLの研磨目があることで落ち着きのあるシックさを演出し、そこに日光があたる時は乱反射によりキラキラとした表情をみせます。
従来であれば、アルマイトを施す前のエッチング工程による溶解で化粧研磨が目立たなくなってしまうため、この2つの組み合わせは不向きとされてきましたが、KIKUKAWAは諸問題を解決することで商品化しています。同じ手法で、ハードHLなど他の機械研磨との組み合わせにも対応します。

●陽極酸化膜+全艶クリアー

アルマイト処理後に全艶クリアーを施すことで、高級感と映り込みを楽しむことができる仕上げ。特にニ次電解着色ブラックの上に全艶クリアーを施すと、ピアノブラックに準じた表情を演出します。

●アルマイトを組み合わせた他のカスタム仕上げ

KIKUKAWAでは、お客様のご要望やご相談に合わせて新たな組み合わせの開発や提案を行います。例えば、コンクリートのイメージを求められた際、独自の工法で槌目模様とエッチングをアルマイトと組み合わせることで表現しました。

■KIKUKAWAの事例

外装エキスパンドメタルをシルバーアルマイトにて

「KIKUKAWAグループ東京オフィス」を覆う流線型のファサードは、シルバーアルマイトのエキスパンドメタル。このような有孔パネルで両面が化粧面となる場合、アルマイト処理は塗装と比較して工程が増加せず、孔周りのバリもエッチング処理にて緩和されるなどの長所があります。

プロダクト施工事例 – KIKUKAWAグループ東京オフィスのページはこちら

過去に例のない光輝合金発色のアルミ材で建物全面を覆ったプロジェクト

「すみだ北斎美術館」は『公園の緑や周囲の建物や空など、周りの風景が淡く柔らかく映り込む』という設計コンセプトを実現するため、外装パネルに光輝合金発色を採用。最大W1400㎜×H5600㎜にもなる427枚の多種多様なパネルを、ムラを極力おさえた統一感のあるファサードとして美しく納めています。竣工後の反響も大きく、光輝合金発色を扱ったパネルの需要が増えています。

プロダクト施工事例 – すみだ北斎美術館のページはこちら

金色の雲海を光輝合金発色+染色アルマイトゴールにて演出

「薬師寺食堂(じきどう)」の雲海をイメージしたアルミ製のデザイン化粧天井の表面は、染色アルマイトゴールを光輝合金発色にて処理阿弥陀如来の光に包まれた極楽浄土の世界を淡い光が広がる空間として演出することで、「後世に残る建築物なので良い製品を」とのお客さまの要望を満たしたものとなっています。

プロダクト施工事例 – 薬師寺食堂(じきどう)のページはこちら

あえてダイスマークを残したシルバーアルマイトのスパンドレル外装

銀座マロニエ通りに面した「COS GINZA」の外装は、波型のアルミ形材(スパンドレル)で覆われています。その仕上げは、あえてダイスマークを残すことで、素材のメタル感を強調したシャープな質感を表現。光の当たり方で表情が変わるウェーブの特性を活かしたファサードは、インパクトの多い銀座の建物の中でもその存在感が際立っています。

プロダクト施工事例 – COS GINZAのページはこちら

新たなアルミ仕上げラインアップ「ハードPHL+シルバーアルマイト」

「東京都庭園美術館本館」に増設したエレベーター棟の外装は、このプロジェクトの為に新たに開発された「ハードPHL+シルバーアルマイト」。シルバーアルマイトのみの均一感と違い、ハードPHLの研磨目があることで落ち着きのあるシックさを演出し、そこに日光があたる時は乱反射によりキラキラとした表情をみせます。

プロダクト施工事例 – 東京都庭園美術館本館エレベーター棟のページはこちら

統一感のあるアルマイトマットシルバーを施した大板パネルによる外装

「府中市医師会館」の四周を覆う470㎡の外装アルミパネルは、基準幅1500㎜×最大長さ5300㎜。その大板は、周囲に溶け込むような落ち着いた外観とするため、光沢を抑えたマットな質感のアルマイトマットシルバー処理を採用し、シンプルながら金属パネルの重厚感をより感じられる仕様となっています。

プロダクト施工事例 – 府中市医師会館のページはこちら

光輝合金と純アルミ材を使い分けて光輝発色したプロジェクト

「大阪芸術大学アートサイエンス学科棟」は仕様を決定するにあたり、光輝発色したものから処理方法を変えながら発色した多種多様なサンプルをコストと同時に提示。光輝アルミ合金と純アルミ材のそれぞれに、電解研磨の上シルバーアルマイトを施し、場所により光沢品質を使い分けました。

プロダクト施工事例 – 大阪芸術大学アートサイエンス学科棟のページはこちら

◆シルバーアルマイトとメタリック塗装のコントラストでブリリアンカットを演出

「駿台予備学校柏校」のダイヤのようなブリリアンカットのファサードは、最大H1450㎜×L6000㎜の長尺の三角形カットパネルに、シルバーアルマイトと少し青みのあるテクニカルシルバーメタリックのフッ素樹脂焼付塗装の2種類を使い分け。パンチングの有無も含め、多彩な表情を演出しています。

プロダクト施工事例 – 駿台予備学校柏校のページはこちら

◆◆◆
その他にも画像のような組み合わせのアルマイト処理を施したパネルを納めています。
・シックなエントランスを演出するため、天井パネルと柱型パネルは、黒のニ次電解着色の上に全艶クリアーを施し、ゆがみのない映像を映し出しています。(画像3)
・パネルの上下にネオンが設置されるため、映り込みにこだわりがありました。そのため、化学研磨+シルバーアルマイトが採用されています。(画像4)
・ブランドの特徴をファサードで表現するため、立体感のある金属ルーバーを、ゴールドアルマイトとシルバーアルマイトの対比で演出しています。(画像5)

※その他にも、アルマイト処理を採用した施工事例を紹介しています
プロダクト施工事例 – 金属表面仕上で探す:アルマイトはこちら
プロダクト施工事例 – 金属表面仕上で探す:光輝合金発色はこちら

■KIKUKAWAの強み

KIKUKAWAの強みは、「ワン・ストップ・ソリューション」と「Never Say No」。設計から施工まで一貫した体制のため、アルミ建材におけるアルマイト仕上げに関することだけではなく、デザインや形状、大きさなどを含め総合的な判断や提案により、ご要望を解決します。
また、研磨仕上げやパンチングなどの加工との組み合わせや、新しい発想によるアルマイト処理といったご要望に対しても真摯に取り組んでまいります。
アルマイト建材製品をご検討・ご採用の際、もしくはお困りのことがありましたら、是非、一度ご相談ください。

お問い合わせフォームはこちら


すみだ北斎美術館の外装パネル:周りの風景が淡く柔らかく映り込む光輝合金発色を採用している


角川第3本社ビルのエントランス:ピアノブラック調のニ次電解着色ブラック+全艶クリアーを施した天井と柱型パネルがシックな高級感を演出している


渋谷の某リテールのファサード:光沢度のある化学研磨+シルバーアルマイトの採用で照明の効果がより発揮される


大阪心斎橋の某ブランドショップのファサード:ゴールドアルマイトとシルバーアルマイトのコントラストがアイコンとなっている

「陽極酸化皮膜(アルマイト)処理の金属建材」が使用されている施工事例