天賞堂ビル東面:長さ約6mの長尺の光輝合金パネルを全体で約400㎡使用
天賞堂ビル南面見上げ:外装パネル先端部の縦目地がまっすぐ通っている
●光輝合金と白アルマイトのビル外装
140年以上の歴史を持つ老舗の時計宝飾店「天賞堂」。銀座の晴海通り沿いに建つ社屋「天賞堂ビル」の建て替え工事に参画しました。
KIKUKAWAが施工したのは、通りに面する南面と東面の外装パネル。光輝合金と白アルマイトを用いた、フィンのような立体的な形状のアルミパネルです。
●長さ5~6mの長尺光輝合金パネル
外装は板厚3㎜のカットパネルで構成。東面にはW6000㎜×H1200㎜の長尺パネルが、南面にはW5300㎜×H1200㎜の長手方向にRがかかったパネルが使われています。ここまで長尺の光輝合金パネルを取り扱うのはKIKUKAWAとしても初めての経験でしたが、「すみだ北斎館」をはじめ多くの光輝合金パネルの実績があったことから当社にお声がけいただきました。引掛け納まりを採用し、全体的にすっきりとしたシャープなフォルムとなっています。
特に配慮したのが、建物から少し突き出たパネル先端部分。組み合わせたパネルの角度が全てピタリと揃うよう、専用のゲージを製作するなどして全数角度を確認しながら工場でユニット化しました。現場でも職人技による取付位置の微調整ができる仕様とすることで、最上階まで、長さ40mのまっすぐに通る美しい縦目地を実現しています。
長尺パネルについて、詳しくはこちら
KIKUKAWAのテクノロジー – 大型金属パネル(広幅・長尺)
●銀座の街並みを淡く映し出す光輝合金発色
「昼と夜、また四季折々でも変化する銀座の街並みを映し出す建物」が本プロジェクトのコンセプト。鏡面のようなダイレクトな反射ではなく、淡く映り込むようなイメージがお客様のご要望でした。そこで採用されたのが、周囲の景色を柔らかく反射する光輝合金発色と、光沢感のあるホワイトの陽極酸化複合皮膜(アルマイト+ホワイト電着塗装)という2つの仕上げです。
比較検討用に映り込みの強弱の異なる光輝合金サンプルを製作。さらに、当社工場敷地内に大型のモックアップを設置し、昼間は自然光で、夜間はライトを当てて映り込み度合いの確認を行いました。
光輝合金発色について、詳しくはこちら
KIKUKAWAのテクノロジー – 光輝合金発色パネル
●総数60枚の長尺パネルを夜間施工
現場が銀座の中心地のため、パネル搬入から取付完了まで、すべて夜間作業での施工となった本プロジェクト。道路幅や隣接する建物等もある関係で十分な作業空間がとれない中、約6mの長尺パネルをどのように取り付けていくかという課題がありました。そこで、設計段階から検討を進め、クレーンで縦向きに吊り上げて、足場の中で横向きに回転させて取り付ける方法で課題を解決。様々な規制がある中でも、安全にかつパネルをキズつけることなく施工を完了しています。
●KIKUKAWAの強みを生かしてコンセプト実現に貢献
今回は、大型モックアップの製作や制限がある中での施工など、プロジェクトに合わせた柔軟な対応力が求められる現場となりました。そのような中でも、光輝合金や大型パネルといったKIKUKAWAの強みを十分に発揮。お客様のご要望にしっかりとお応えし、高評価をいただくことができました。
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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外装パネル | 光輝アルミ合金 | 光輝合金発色 (電解研磨+ シルバーアルマイト) |
外装パネル | アルミ | 陽極酸化複合皮膜 (アルマイト+ ホワイト電着塗装) |
建物名称 | 天賞堂ビル |
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施主 | 株式会社 天賞堂 |
設計 | 中央日本土地建物 株式会社 |
施工 | 高松建設 株式会社 |
竣工 | 2022年 |
建設地 | 東京都中央区 |