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プロダクト施工事例

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COS GINZA

COS GINZA:ファサード1

独自の工法でシームレスに納めたアルミ製の波型スパンドレルで覆われたファサード

コーナー部も含めアルミ枠は6㎜の細目地にて精度良く納められている

夜間に別の表情をみせる波型スパンドレルと照明で輝くアーチ枠及びステンレスサッシ

●波型スパンドレルと厚板アーチ枠の印象的なファサード

銀座マロニエ通りに面した一画にオープンした「COS GINZA」(コス銀座)のアルミ・ファサード工事に、KIKUKAWAは携わりました。
ファサードのデザイン・コンセプトは、波板で覆われたモダンかつ不変的な外観に、日本の「門」をイメージするアーチ型デザインのエントランス。アーチ型のショーウィンドウのR部が交互に上下を向くなど、道行く人の視線を集める印象的なものとなっています。その実現のため「COS GINZA」のファサードは、波型のアルミ形材(スパンドレル)で覆った外装と、10㎜のアルミ厚板を加工したアーチ型の枠の組合せで納めています。

●シームレスな意匠を改修工事で実現

本プロジェクトにおいてKIKUKAWAは、計画・設計・製造・施工まで一貫したワンストップの管理を徹底。初期から工場と協議して顧客要求に沿う作り込みを進めた結果、デザイン・コンセプトに適した高品質な製品を納めることができました。
作図の準備段階から割付や納まりを綿密に協議し、製作寸法と取付順序を慎重に決定。モックアップ実施の際、納まりなどの問題点の抽出とともに、厳しい精度を想定した取付のテストを試行錯誤し、その結果をフィードバックし本番時に生かしています。また、製作前に現場実測によって躯体精度を確認し、単品ごとの寸法をひとつひとつ調整して加工しました。
スパンドレル外装はシームレスに、R形状の窓枠の取合は6㎜の細目地という厳しいデザイン要求を、改修工事の条件下でも、これらの施策により精度良く納めることができました。

●廻り縁を使用しない波型スパンドレル外装

アルミ押出形材製の波型スパンドレル(総厚23㎜・40㎜ピッチ)で覆われた約260㎡の外装は、アルマイトシルバー(陽極酸化皮膜複合処理)を採用。あえてダイスマーク(押出時の製品の長手方向に発生した線模様)を残すことで、素材のメタル感を強調したシャープな質感を表現しています。
既成のスパンドレル工法は、廻り縁を一定スパンで設けることで、端部の納まりや調整代を確保します。しかし、本プロジェクトは廻り縁を使用しないシームレスな外装とするため、ディテールと取付方法を工夫。例えば、張り終りのスパンドレルは独自の技術で、ビスを極力目立たないような納まりにしています。
同じく、窓枠の取合も廻り縁がないため、立体形状のスパンドレルを精度良く曲面カットする必要がありましたが、KIKUKAWAが保有する3Dマシニング機を駆使することで解決しています。

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●アルミ厚板で製作したアーチ型の枠

エントランス三方枠(W2850㎜×H2990㎜)、ショーウィンドウ枠(小:W1555㎜×H2340㎜、大W2590㎜×H3000㎜)、コーナー枠(W1000+1000㎜×H2006㎜)は、10㎜のアルミ厚板をアーチ形状に加工。D400㎜の三方枠と基準D180㎜の四方枠、そしてコーナー部の3㎜のアルミパネルは、シルバーメタリックのフッ素樹脂焼付塗装を施しています。
これらの枠はスパンドレルと細目地で取り合うため、精密に製作する必要があり、徹底した品質管理を行いました。特に下枠がRのタイプは、水勾配の影響でねじれた形状となるため苦労しましたが、三次元加工のノウハウを駆使することで解決しています。
一体型のため、大きいタイプの枠やコーナー枠は、塗装の前処理槽に入らないサイズでしたが、冶具や前処理方法を工夫して塗装しました。
黒系のフッ素樹脂焼付塗装を施したW3780㎜×H3000㎜のエントランスサッシの枠は、見附50㎜のステンレスFB枠。採用したドアハンドルもFB-5×50を加工した特注品で、シャープな製品となっています。

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●KIKUKAWAの施工技術・対応

隣接店舗は営業しているため、現場施工は夜間の限られた時間に行われましたが、全体の流れを施工計画によってシミュレーションし、日々の進捗を管理。それでも、図面段階では検証しきれず躯体と誤差が生じたパネルも数枚発生しましたが、ワンストップ管理の強みを活かし、即座に施工・設計・工場と協議して、再加工・現場搬入というタイムリーな対応でカバーしました。
わずかな空間を縫って納める必要があるコーナー部分のRパネルは、事前に3Dプリンターで製作した小型モックアップを用いて施工可否を確認。本番では、現場へ3D-CADを持ち込み寸法をあたりながら施工しました。

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●KIKUKAWAのデザイン実現力

光の当たり方で表情が変わるウェーブの特性を活かしたファサードとアーチ型の枠などのデザインにより、インパクトの多い銀座の建物の中でも「COS GINZA」は、その存在感が際立っています。KIKUKAWAは、当初のイメージパースと差異のないファサードを実現化することで貢献。レベルの高い施工計画及び実施や施工中の問題に対する迅速な対応と合わせて、お客様のご要望に応えることができたプロジェクトです。

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
外壁波型スパンドレル アルミ押出形材 アルマイトシルバー
エントランス・ショーウィンドウ
アーチ枠
アルミ(10.0㎜) フッ素樹脂焼付塗装
(シルバーメタリック)
エントランス サッシ枠 ステンレス(FB枠) フッ素樹脂焼付塗装
建物名称COS GINZA
設計大成建設株式会社 一級建築士事務所
施工大成建設株式会社 東京支店
竣工2017年
建設地東京都中央区