2023年12月8日
メタルワークNEWS3D・BIMユニークデザイン輝き・メタル感
ステンレス立体造作パネルのエントランス
店舗やオフィスのエントランスは、そのブランドや会社の顔として、最初に来客を迎える重要な役割を果たします。そのため、特にこだわってデザインする施主や設計者の方が多いのではないでしょうか。今回は、そんなお客様のご希望を形にした、エントランス建具の施工事例をご紹介します。
こちらは、表参道ヒルズの本館地下3階にある会員制フィットネスジム「LÝFT GÝM(リフト ジム)」。レセプションからジムエリアへの入口となる、特殊形状のウォールスクリーンを製作しました。
ウォールスクリーン全体のサイズは長さ7.4m×高さ4m。見附幅30㎜のステンレス角パイプが交差するフレームに、多角形のステンレスパネルやガラスがはめ込まれています。厚さ75㎜のスクリーンの内部は、板厚1.5㎜の2枚のステンレスパネルでグラスウール(断熱性・吸音性に優れた綿状の素材)を挟みこんだ防音仕様。大面積の開口をぴったりとふさぐようにしてスクリーンを取り付ける必要があったため、高い製作・施工精度が求められました。
扉まわりは、今回のエントランス意匠のポイントとなる多面体形状の立体造作パネル。3D-CADで設計しました。壁面から多面体の頂点までは最長で765㎜前面に飛び出しており、インパクトのある形状です。大小様々なサイズの三角形の3㎜厚ステンレスパネル17枚で構成しています。
本プロジェクトは短納期で時間が限られており、かつビスを表に見せない細目地の立体形状のため、特に施工方法は工夫をしています。パネルとフレームは一体にせず、フレームのみを3つのユニットに分けて事前に組んでおくことで、現場での施工時間を短縮。また、後ろのウォールスクリーンとの施工順を調整し、パネルは現場でフレーム裏から留める仕様にすることで、美しく納まる多面体を実現しました。
まるで鉱石のようなシャープな意匠を実現するにあたっては、人の出入りが多いエントランスであることを踏まえ、安全性にも配慮。立体部分のモックアップを作成し、意匠と安全性とが両立できる形状を検討したほか、パネルの角は丁寧に面取り加工を施して触れても危険が少ないようにしています。
ステンレスパネルの仕上げはPHL(バイブレーション)。照明の光で細かい研磨目が輝く、メタル感のある仕上げです。無方向性の研磨であるPHLは傷が比較的目立ちにくく、手が触れることの多い建具等に適した仕上げでもあります。
PHL(バイブレーション)仕上げについて、詳しくはこちら
ジムのオープンに際し公開されたオーナー様による紹介動画内では、「やって良かったなと思います」とのお声をいただき、出来上がりにとてもご満足いただけました。
動画はこちら(エントランス紹介は2:16~3:00頃)
本プロジェクトのような多面体形状の内外装は、シャープな表情を引き出せる金属素材との相性が良く、当社においても様々なタイプの施工実績があります。納まりのご相談から承りますので、ぜひKIKUKAWAにお問い合わせください。
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