細かいランダムな研磨模様が特徴のPHL(パーマネントヘアライン/バイブレーション)仕上げ。金属の表面仕上げとして幅広く用いられています。金属の無機質で冷たい印象を和らげるような柔らかい輝きで、高級感や上品な雰囲気を演出。様々な材質に適用でき、内外装パネルはもちろんのこと、建具やインテリアなどにも採用されています。
主な特長 | ・様々な材質・仕上げとの組み合わせ ・研磨目の粗さや光沢を調整可能 ・光の当たり方による表情変化 など |
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対応可能素材 | ・ステンレス ・アルミ ・ブロンズ(純銅・丹銅・真鍮) ※その他の金属材にも対応しておりますのでご相談ください。 |
種類 | ・PHL(バイブレーション) ・ハードPHL ・パールバイブレーション その他、カラーステンレス、カラークリア、陽極酸化皮膜(アルマイト)、硫化イブシなど、各種仕上げとの組み合わせ |
対応サイズ | 最大W1500㎜×L6000㎜ ※上記を超える場合はご相談ください。 |
備考 | 研磨仕上げのみの加工受託対応は承っておりませんので、ご注意願います。 |
■PHL(バイブレーション)とは
PHL(パーマネントヘアライン/バイブレーション)とは、無方向に細かい研磨模様をつける表面仕上げ。同じ方向にまっすぐ研磨するHL(ヘアライン)仕上げとは対照的に、弧を描いたような不規則な研磨模様を施すのが特徴です。ランダムヘアラインや無方向ヘアラインとも呼ばれています。汎用的な研磨方法で、ステンレスではHLに次いでよく用いられているほか、アルミやブロンズといった様々な金属素材に適用可能。板形状の製品はもちろんのこと、形鋼やパイプ、溶接後の加工品等にも仕上げることができます。また、研磨の粒度を調整することで、研磨目の粗さを変化させることも可能です。
PHL(バイブレーション)仕上げは、ランダムな研磨目が光を柔らかく反射することで、高級感のある輝きを生み出します。シックで落ち着いた雰囲気を演出してくれるため、建物の内外装に幅広く利用されています。また、比較的傷が目立ちにくいので、特に扉や手摺、カウンターなど、多くの人が触れるような場所によく使われています。
■PHL仕上げに対するKIKUKAWAの品質対応力
金属建材の表面仕上げとして非常に一般的なPHLですが、KIKUKAWAでは、あらゆる材質・形状・組み合わせに高品質で対応できる点が強みです。例えば広範囲にPHL仕上げを採用する場合、1枚のパネル内やパネル間にムラが生じてしまうことが懸念されますが、KIKUKAWAでは徹底した品質管理のもと、大型パネルでも均一感のあるPHL仕上げを実現。パネル以外にも、建具や什器など形状を問わず柔軟に対応いたします。過去には、長さ6.8mの壁パネルや、最大割付7.5mの丸柱パネル、大型ガラススクリーン枠などもPHL仕上げで製作した実績があります。
また、溶接部分をPHLで仕上げるのも技術力の必要な工程です。熟練の職人技にて丁寧に研磨を行い、接合部に違和感のない美しい仕上がりにします。
PHLは、カラーステンレスやアルマイト、硫化イブシなど、他の表面仕上げと組み合わせることも可能です。KIKUKAWAは、これまで数々のプロジェクトにオーダーで対応していく中で様々な仕上げを開発。多彩な組み合わせの中から、プロジェクトの性質に合わせて最適なご提案をいたします。
PHL仕上げの金属建材をご検討中の方から、どのような仕上げができるか知りたいという方まで、ご相談をお待ちしています。
■PHL(バイブレーション)の種類
●PHL(バイブレーション)
一般的なPHL(バイブレーション)仕上げです。様々な金属素材、形状に用いられます。
プロダクト施工事例 – 金属表面仕上で探す:PHL
●ハードPHL
通常のPHL(バイブレーション)仕上げよりも粗い研磨目の仕上げです。光の乱反射がより際立つ仕上がりとなります。
●パールバイブレーション
小さな丸がたくさん重なりあった研磨模様をつけた仕上げです。通常のPHLよりも光の反射率が高く、華やかさや高級感を演出してくれます。
プロダクト施工事例 – 金属表面仕上で探す:パールバイブレーション
■PHL(バイブレーション)と各種材質や仕上げとの組み合わせ
●ステンレス
母材を2B・BA・鏡面のうちどれをベースとするかで、輝きの程度が異なります。2B材のPHLに比べ、BAや鏡面のほうがより光沢のあるPHLとなります。ステンレスは耐食性が高く比較的さびにくいため、研磨仕上げのみでも内外装に使用可能ですが、仕様によりクリアコーティングも対応します。
また、一般的なSUS304だけでなく、高耐食性フェライト系ステンレスや二相系ステンレスなどもご相談に応じています。
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プロダクト施工事例 – 東京ミッドタウン日比谷
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PHL+カラーステンレス
酸化皮膜による発色やセラミックスのコーティング等でステンレスを着色するカラーステンレス仕上げ。塗装とは異なり、PHL特有のメタリックな研磨目を活かしながら、ステンレス素地以外の多様な色を楽しめます。
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仕上ラインアップ – ステンレス
KIKUKAWAのテクノロジー – カラーステンレスによる金属建材 はこちら
●アルミ
ステンレスの高級感とはまた違った、軽やかな雰囲気を創り出すことができます。内外装への採用の際には、研磨の傷から腐食が進行するのを防ぐため、陽極酸化複合皮膜やクリア塗装などの皮膜が不可欠です。
ハードPHL+陽極酸化皮膜(アルマイト)
アルミのメタル感を引き出すアルマイト仕上げと、ハードPHLのランダムな研磨目とを組み合わせた仕上げ。アルマイトの均一感と研磨目のきらめきが合わさることで、上品で落ち着いた輝きを表現します。
アルマイトはエッチング液で表面を溶解させる前処理工程があり、研磨目が目立たなくなってしまうことから、従来はこの2つの仕上げの組み合わせは不向きとされていました。しかし、KIKUKAWAでは諸問題を解決することでこの2つの仕上げの融合に成功しています。シルバーアルマイトの他、ステンカラーやブラックなどの二次電解着色も対応可能です。
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プロダクト施工事例 – 銀座駅
メタルワークNEWS – ハードPHL+二次電解着色ブラックのパネルにてリニューアル
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仕上ラインアップ – アルミニウム
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●ブロンズ
赤や黄色といった華やかなブロンズの色味と、PHLの研磨目による輝きが組み合わさることで、きらびやかな雰囲気を演出してくれます。銅合金特有の色調経年変化を防ぐため、クリア塗装等を施すことが一般的です。
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PHL+硫化イブシ
銅・丹銅・真鍮(黄銅)にPHL(バイブレーション)を施し、さらに硫化イブシを施してクリアでコーティングした仕上げ。PHLのランダムな研磨目によって、硫化イブシに不均一な濃淡が生まれ、より味や深みのある仕上がりとなります。
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仕上ラインアップ – ブロンズ
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KIKUKAWAのテクノロジー – 研磨加工(研磨仕上)