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プロダクト施工事例

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Bloomberg European headquarters(ランプ:螺旋階段工事)

Bloomberg European headquarters:Ramp

螺旋状の巨大なブロンズパネル(硫化イブシ仕上げ)

FSW溶接で接合して、2mを超える幅のパネルを納めている

レーザー溶接を駆使した複雑になめ上がるブロンズ手摺笠木

●三つ葉結び状の巨大な螺旋階段

「ブルームバーグ新欧州本社屋」のシンボルとも言える、俯瞰すると三つ葉結び状に設計された、ランプと呼ばれるアトリウムの巨大な螺旋階段。ここには、KIKUKAWAの2つの「つなぐ」技、FSW接合とレーザー溶接が使われています。
最大で、2600㎜×2731㎜、重量も450㎏にもなる、Rパネルであるブロンズ手摺壁を製作するにあたり、新技術を含めた様々な検討や試作、実物大モックアップを製作する過程で、改善点などを図面にフィードバックして基本構成を確定させました。

●「つなぐ」技、FSW接合

メーカーの製造可能範囲を遥かに超えた材料は、FSW(摩擦攪拌接合)技術を駆使して新たに製作しています。
通常、丹銅板は1250㎜巾までしかないため、ほとんどのパネルがFSWにて接合。最大サイズのものは2500㎜を超えてしまう為、3枚繋ぎのものもありました。R加工や硫化イブシ工程にて接合部が影響しないような、細心の調整をしつつの接合となっています。

KIKUKAWAのテクノロジー – FSW(摩擦攪拌接合)のページはこちら
KIKUKAWAのテクノロジー – 硫化イブシ仕上げのページはこちら

●「つなぐ」技、レーザー溶接

複雑になめ上がっていく手摺笠木の三次元形状は、レーザー溶接を用いて滑らかな流線形状に仕上げています。
曲線の長距離連続溶接を得意としている最新のマルチモードファイバーレーザー溶接装置を導入し、溶接架台を工夫することで、クライアントの要求する品質を満たしました。

KIKUKAWAのテクノロジー – ファイバーレーザー溶接のページはこちら
KIKUKAWAのテクノロジー – 三次元加工技術のページはこちら

●Rブロンズ・ハニカム接着工法

巨大なブロンズR手摺壁パネルの平滑度を保ち、R形状を固定するため、「Rブロンズ・ハニカム接着工法」を開発、採用されています。
あまり例のない丹銅材へのハニカム接着、しかもR形状の上、巨大パネルということで、初期には様々な課題がありました。接着架台の設計・改良、接着後の化粧材への影響軽減、硫化イブシ工程の改善など、ひとつひとつ問題点を抽出し解決するなかで、新たな技術として確立しました。
その結果、要求通りの流麗さと重厚さ、そして堅牢さのあるブロンズパネルを納めることができています。

メタルワークNEWS – Rブロンズ・ハニカム接着工法のページはこちら

●1ユニットごとの丹念な検討

揚重を含めた施工効率をあげるために、特殊な形状の下地をユニットに使用しています。1段ごとにパネル形状が異なることもあり、固定ブラケットは何種類にもおよび、端部のパネルのように揚重可能な位置が限られたものがあるなど、各パネルごとに丹念な検討が設計段階からなされています。
これら大型Rブロンズパネルの下地の検討を含め、 FSW接合・レーザー溶接・Rハニカム接着工法などの工程が含まれた、「ランプ:螺旋階段工事」は「ブルームバーグ新欧州本社屋」の集大成となるような項目になりました。

【全体の紹介や他の製品の詳細については下記リンクをご参照ください】
プロダクト施工事例 – Bloomberg European headquarters(ブルームバーグ新欧州本社屋)
プロダクト施工事例 – Bloomberg European headquarters(外装フィン工事)
プロダクト施工事例 – Bloomberg European headquarters(低層ブロンズ工事)

品名・施工個所 材質 仕上げ・加工
螺旋階段手摺壁パネル ブロンズ(丹銅) HL+硫化イブシ仕上げ
FSW接合
レーザー溶接
三次元加工技術
Rブロンズ・ハニカム接着工法
建物名称Bloomberg European headquarters(ランプ:螺旋階段工事)
施主Bloomberg L.P.
設計Foster + Partners
施工Main Contractor:Sir Robert McAlpine Ltd.
Facade Contractor:Josef Gartner
竣工2017年
建設地イギリス ロンドン