自由曲線の低層部に各種ブロンズ製品が施工されている
周回するブロンズフィンとコルゲートルーバー
ダイア型ブロンズフィンが林立するガレリア・ブロンズパネル類
●自由な曲線を描く低層部
2つの建物の外観がそれぞれ自由な曲線を描くガレリアを含む低層部。そのため、製作したブロンズ製品に同形状がほとんどないと言っても過言ではありませんでした。
特に水平方向に取り付けられる製品は、R形状にするための加工が必要であり、レーザー溶接やテンション曲げ工法を駆使し、職人技と融合することで形にしていきました。
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●同形状のない周回するブロンズ製品
1Fの上部を周回しているノーズフィンと呼ばれる庇状のブロンズパネル。同形状のほぼない約300のユニットのブロンズ製品は、1個1個を設計から組立までを地道に作業する必要がありました。滑らかな曲線を表現するため、先端の仕上げからジョイントの角度まで、丁寧かつ精密に製作しています。
同じく2F上部を周回しているブロンズ軒天パネルは、曲線に沿う立ち上り部分を溶接なしで製作する方法を考案。アクリルフィンや照明との取合が多く、製作工程が多いなかでも、溶接工程をなくすことで、品質・納期を確保した製品づくりを行っています。
●コルゲート形状のRパンチングルーバー
低層の外部壁面を適度に覆うコルゲートRパンチングルーバー。立ち上りの部分に穴が配置されるように機械加工が施されたパンチングパネルを、50㎜の凹凸コルゲート形状にプレス加工し、さらにテンション曲げ工法によって、滑らかな曲面を持つルーバーに完成させています。縦に積み重なる全てのルーバーのパンチング位置も統一し、クライアントの細部へのこだわりにも応えました。
テンション曲げによるR加工は、コルゲート形状やパンチング穴の影響で、初期の試作段階では図面要求を満たすのが困難でした。ひとつひとつの問題点を、過去の経験やそれらを応用した手を打つことで、最終的にはR寸法を含めた精度を管理。こちらも、溶接工程をなくすことで、品質・納期を確保した製品づくりを行うことができています。
●曲げ技術にて一体成型
コルゲートRパンチングルーバーなどの前に林立するダイア型のブロンズフィン。130㎜×350㎜のダイア形状を、曲げ加工と1辺の溶接のみで製作しています。通常であれば、2ピースに分けた部材を溶接で繋ぐところ、曲げ加工技術を駆使することで、1つの部材で成形。溶接箇所を裏側の1辺とすることで、こちらも品質・納期を確保した製品づくりを行なっています。
●施工効率の高いブロンズ製品群
上記以外にも低層のブロンズ製品は、出入口を囲う枠や壁パネル、外部と対になる内部の庇や塞ぎパネル、ガレリアのガラス面にアクセントを与えるフィンパネルなど多岐にわたっています。単純なパネル1つとっても、施工の効率を考慮したヨーロッパの下地構成の考え方を取り込み、形状・性能ともに品質の高い製品を納めています。
【全体の紹介や他の製品の詳細については下記リンクをご参照ください】
プロダクト施工事例 – Bloomberg European headquarters(ブルームバーグ新欧州本社屋)
プロダクト施工事例 – Bloomberg European headquarters(外装フィン工事)
プロダクト施工事例 – Bloomberg European headquarters(ランプ:螺旋階段工事)
品名・施工個所 | 材質 | 仕上げ・加工 |
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低層ブロンズパネル類 ガレリア・ブロンズパネル |
ブロンズ(丹銅) | HL+硫化イブシ仕上げ レーザー溶接 特殊曲げ技術 テンション曲げ工法 |
建物名称 | Bloomberg European headquarters(低層ブロンズ工事) |
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施主 | Bloomberg L.P. |
設計 | Foster + Partners |
施工 | Main Contractor:Sir Robert McAlpine Ltd. Facade Contractor:Josef Gartner |
竣工 | 2017年 |
建設地 | イギリス ロンドン |